50 / 348
第50話
しおりを挟む
あれから待つ事数分、目の前に並べられた料理たちは、カノッサ公爵家お抱えの料理人の作る料理に匹敵する程だったわ。どれもこれもが美味しくて、思わず頬が緩んでしまったもの。クララたちもそれは同じ様で、全員がその美味しさを堪能していたわ。
ブリュノさんは先程言っていた様に、既にお店から外に出てしまっていた様なので、対応してくれた副店長さんに大満足であったという事を伝えた。その際マルグリット様とナタリーさんにも話を振って、どの料理がどんな風に美味しかったのかを語ってもらい、副店長やこの店の店員さんたちに好印象を残してもらったわ。
(ここまでは上々の出来ね。午前中だけでも、服屋にナターシャ魔道具店、それにブリュノさんのお店へと回ってきて、マルグリット様やナタリーさんの素の姿といったものを見せていく事が出来たわ。とりあえず、現段階では私とクララの作戦は成功ね)
どのお店においても、マルグリット様とナタリーさんは友好的な態度で店員さんたちと交流していた。老舗の服屋も、ナターシャ魔道具店も、様々な客層の方々が来店するお店。今日の私たちの事について、誰かしら必ず店で話題として触れるであろう事は間違いない。商人も貴族も噂好きというのは、同じ人である以上は変わらないからね。
そして次に向かったのが、王都の中でも長い歴史を持つ劇団を抱えている劇場ね。ここには二つの劇場が建てられて、一つは演劇などを行う劇場で、もう一つはオペラを上映するための歌劇場。最初はオペラにしようかと考えたけど、最近の王都の流行の一つに恋愛ものの演劇を見るというものがあって、話題作りや人目に触れやすい事を考えてそちらにしたわ。
この劇場や劇団のオーナとは昔からの顔見知りなので、まずはオーナーに挨拶しに向かう。セバスを先頭にして、劇場の裏へと進んでいく。その際、顔見知りの親しい俳優女優さんたちと軽く挨拶を交わしながら、オーナーがいるであろう一番奥の部屋へと向かって歩く。そしてオーナの部屋の前に到着し、セバスがオーナーの部屋の扉を三回ノックする。
「誰だ?」
「ダミアン殿、カノッサ公爵家にお仕えするセバスです」
「おお!!セバスさんでしたか!!どうぞお入りください」
「では、失礼いたします」
セバスが扉を開けて先に部屋の中へと入り、安全確認をサササッと終わらせてから私たちに合図をくれる。それに頷いて返してから、私たちも部屋の中へと入っていく。
「イザベラお嬢様!!お久しぶりですな!!」
「ええ、久しぶりね、ダミアン。調子の方はどうかしら?」
「男女の恋を題目にした演劇が注目される様になって、お客さんが増えてきた事もあって、色々と順調ですな」
「そう、それなら良かったわ。今日は挨拶をしたかったのもそうだけど、皆色々と忙しくしてるだろうからと思って、差し入れを持ってきたのよ」
「差し入れですか!!それはありがとうございます!!」
「今日はこの後の公演で最後でしょ?差し入れは公演が終わった後に持ってくるわ。今回の差し入れは料理でね。冷たいものもあるから、後の方がいいでしょ?」
「そうですな、その方がこちらとしても大変ありがたいです」
「分かったわ。それじゃあ、公演が終わった後はいつも通りにお願いね。私の友人についても、そこで紹介するから」
「分かりました。我々一同、その時を楽しみしてお待ちしております。……皆様方、本日の公演を楽しんでいただけますと幸いです」
ダミアンは最後に、オーナーとしての顔を見せながら、綺麗な一礼をしてみせた。その綺麗な一礼の動作から溢れ出る、劇場や劇団のオーナとしての絶対的な自信を見て、本日最後の公演も大成功に終わる事を確信したわ。
ブリュノさんは先程言っていた様に、既にお店から外に出てしまっていた様なので、対応してくれた副店長さんに大満足であったという事を伝えた。その際マルグリット様とナタリーさんにも話を振って、どの料理がどんな風に美味しかったのかを語ってもらい、副店長やこの店の店員さんたちに好印象を残してもらったわ。
(ここまでは上々の出来ね。午前中だけでも、服屋にナターシャ魔道具店、それにブリュノさんのお店へと回ってきて、マルグリット様やナタリーさんの素の姿といったものを見せていく事が出来たわ。とりあえず、現段階では私とクララの作戦は成功ね)
どのお店においても、マルグリット様とナタリーさんは友好的な態度で店員さんたちと交流していた。老舗の服屋も、ナターシャ魔道具店も、様々な客層の方々が来店するお店。今日の私たちの事について、誰かしら必ず店で話題として触れるであろう事は間違いない。商人も貴族も噂好きというのは、同じ人である以上は変わらないからね。
そして次に向かったのが、王都の中でも長い歴史を持つ劇団を抱えている劇場ね。ここには二つの劇場が建てられて、一つは演劇などを行う劇場で、もう一つはオペラを上映するための歌劇場。最初はオペラにしようかと考えたけど、最近の王都の流行の一つに恋愛ものの演劇を見るというものがあって、話題作りや人目に触れやすい事を考えてそちらにしたわ。
この劇場や劇団のオーナとは昔からの顔見知りなので、まずはオーナーに挨拶しに向かう。セバスを先頭にして、劇場の裏へと進んでいく。その際、顔見知りの親しい俳優女優さんたちと軽く挨拶を交わしながら、オーナーがいるであろう一番奥の部屋へと向かって歩く。そしてオーナの部屋の前に到着し、セバスがオーナーの部屋の扉を三回ノックする。
「誰だ?」
「ダミアン殿、カノッサ公爵家にお仕えするセバスです」
「おお!!セバスさんでしたか!!どうぞお入りください」
「では、失礼いたします」
セバスが扉を開けて先に部屋の中へと入り、安全確認をサササッと終わらせてから私たちに合図をくれる。それに頷いて返してから、私たちも部屋の中へと入っていく。
「イザベラお嬢様!!お久しぶりですな!!」
「ええ、久しぶりね、ダミアン。調子の方はどうかしら?」
「男女の恋を題目にした演劇が注目される様になって、お客さんが増えてきた事もあって、色々と順調ですな」
「そう、それなら良かったわ。今日は挨拶をしたかったのもそうだけど、皆色々と忙しくしてるだろうからと思って、差し入れを持ってきたのよ」
「差し入れですか!!それはありがとうございます!!」
「今日はこの後の公演で最後でしょ?差し入れは公演が終わった後に持ってくるわ。今回の差し入れは料理でね。冷たいものもあるから、後の方がいいでしょ?」
「そうですな、その方がこちらとしても大変ありがたいです」
「分かったわ。それじゃあ、公演が終わった後はいつも通りにお願いね。私の友人についても、そこで紹介するから」
「分かりました。我々一同、その時を楽しみしてお待ちしております。……皆様方、本日の公演を楽しんでいただけますと幸いです」
ダミアンは最後に、オーナーとしての顔を見せながら、綺麗な一礼をしてみせた。その綺麗な一礼の動作から溢れ出る、劇場や劇団のオーナとしての絶対的な自信を見て、本日最後の公演も大成功に終わる事を確信したわ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…
美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。
※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。
※イラストはAI生成です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる