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第70話
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俺の予想通り、マルグリット嬢の誕生日に起こった衝撃の出来事についての情報が、もの凄い早さで社交界を駆け巡っていった。こちらも予想通りだが、あの場に集まっていたベルナール公爵家の派閥の貴族たちが、色々な貴族に興奮しながら話を触れて回った様だ。何故かは知らないが、とても自慢げに。
触れ回られた貴族たちは半信半疑だった様だが、それでも話題性に富み、社交界で盛り上がれる話だとして、別の友人の貴族にこの話をしていった。そして、その友人の貴族がまた別の友人の貴族へといった流れを繰り返していき、王都に住む貴族たちに瞬く間に知られる事となった。
そんな噂話が貴族の中で話題なると、自然とこの噂話は貴族以外にも伝わっていく。特に動きが活発になっていくのは、王都にいる商人たちだ。もし本当に‟若返りの桃”が存在し、自分たちがそれを独占できたのならと、大きい商店も小さい商店も捕らぬ狸の皮算用で動き始めている。
社交界での新鮮でとびきりの噂話は、社交界を飛び越えて商人たちに伝わり、王都で暮らす王族たちにまで伝わった。王族たちの反応は凄まじく、伝手のあるベルナール公爵家の派閥に属する貴族たちにコンタクトをとりながら、大手の商店にも次々と声を掛けていった。‟若返りの桃”を手に入れるために、王族たちも動き出したのだ。
「王族たちだけでなく、各貴族家の動きも活発になってきたわ。派閥関係なく、夫人や愛人、娘たちの為にと‟若返りの桃”を探し始めたわね」
「今までは伝説や物語の中の果物だったのに、実物として現れたのだから当然と言えば当然でしょうね。私も実際に目にして、実際に口にするまでは、存在はしない果物だと思っていましたから」
「私だってそうよ。七十年前に本物が出たって話も、王家の見栄か何かだと思っていたし……」
「アンナ様、七十年前に実物が表に出たって話でしたけど、その時はどうだったんですか?」
俺の問いかけに対して、アンナ公爵夫人は少し悩んだ末に、色々な裏事情などを含めて語ってくれる。
「七十年前に市場に出たって話はしたでしょう?その一個を巡ってオークションが開かれたけど、もの凄い金額になったと聞いているわ」
「結局誰が手にしたんですか?」
「最終的に手にしたのは王族たちよ。でもオークションで莫大なお金をかけて落札したのは、王族の意向を受けたカルフォン公爵家ね」
「なる程。王族は敢えてオークションとする事で、王族の印象を良くする方向に舵を切ったわけですか。しかし、その裏では……」
「オークションの主催者は、勿論だけど王族と仲の良い関係者。カルフォン公爵家が落札出来る様にと、不自然にならない感じで色々と細工していたわね。まあ、当時のカノッサ公爵家はそれに気付いて、さっさと手を引いたみたいだけどね」
「それで、オークションで落札したカルフォン公爵家は、桃をそのまま王族に献上したという訳ですか」
「そう言う事ね。権力による強奪はしないと広く国民たちに訴えておきながら、実は裏では王族が手中に収める事が決まってたんだから。とんだ茶番よね」
「まあ、確かにそうですね。しかしその裏工作をしてくれたお蔭で、桃を発見しようが手に入れようが、王族に報告も献上もしなくていいという事が分かりました。その事が分かっただけでも、俺にとっては非常に価値のある情報です」
発見次第即報告、入手次第即献上というルールがあったのなら、俺に打てる手が少ないままだった。だが七十年前に国民へと発した、権力によって強奪はしないという文言は、恐らく今でも有効なはずだ。なんせ、王族自身が発した言葉だからな。
だが、今の王族がそれを守るのかは分からない。色々と考えてはいるが、問題はそれがどこまで通用するかだな。状況に合わせながら、適切な手を打っていくしかないか。
触れ回られた貴族たちは半信半疑だった様だが、それでも話題性に富み、社交界で盛り上がれる話だとして、別の友人の貴族にこの話をしていった。そして、その友人の貴族がまた別の友人の貴族へといった流れを繰り返していき、王都に住む貴族たちに瞬く間に知られる事となった。
そんな噂話が貴族の中で話題なると、自然とこの噂話は貴族以外にも伝わっていく。特に動きが活発になっていくのは、王都にいる商人たちだ。もし本当に‟若返りの桃”が存在し、自分たちがそれを独占できたのならと、大きい商店も小さい商店も捕らぬ狸の皮算用で動き始めている。
社交界での新鮮でとびきりの噂話は、社交界を飛び越えて商人たちに伝わり、王都で暮らす王族たちにまで伝わった。王族たちの反応は凄まじく、伝手のあるベルナール公爵家の派閥に属する貴族たちにコンタクトをとりながら、大手の商店にも次々と声を掛けていった。‟若返りの桃”を手に入れるために、王族たちも動き出したのだ。
「王族たちだけでなく、各貴族家の動きも活発になってきたわ。派閥関係なく、夫人や愛人、娘たちの為にと‟若返りの桃”を探し始めたわね」
「今までは伝説や物語の中の果物だったのに、実物として現れたのだから当然と言えば当然でしょうね。私も実際に目にして、実際に口にするまでは、存在はしない果物だと思っていましたから」
「私だってそうよ。七十年前に本物が出たって話も、王家の見栄か何かだと思っていたし……」
「アンナ様、七十年前に実物が表に出たって話でしたけど、その時はどうだったんですか?」
俺の問いかけに対して、アンナ公爵夫人は少し悩んだ末に、色々な裏事情などを含めて語ってくれる。
「七十年前に市場に出たって話はしたでしょう?その一個を巡ってオークションが開かれたけど、もの凄い金額になったと聞いているわ」
「結局誰が手にしたんですか?」
「最終的に手にしたのは王族たちよ。でもオークションで莫大なお金をかけて落札したのは、王族の意向を受けたカルフォン公爵家ね」
「なる程。王族は敢えてオークションとする事で、王族の印象を良くする方向に舵を切ったわけですか。しかし、その裏では……」
「オークションの主催者は、勿論だけど王族と仲の良い関係者。カルフォン公爵家が落札出来る様にと、不自然にならない感じで色々と細工していたわね。まあ、当時のカノッサ公爵家はそれに気付いて、さっさと手を引いたみたいだけどね」
「それで、オークションで落札したカルフォン公爵家は、桃をそのまま王族に献上したという訳ですか」
「そう言う事ね。権力による強奪はしないと広く国民たちに訴えておきながら、実は裏では王族が手中に収める事が決まってたんだから。とんだ茶番よね」
「まあ、確かにそうですね。しかしその裏工作をしてくれたお蔭で、桃を発見しようが手に入れようが、王族に報告も献上もしなくていいという事が分かりました。その事が分かっただけでも、俺にとっては非常に価値のある情報です」
発見次第即報告、入手次第即献上というルールがあったのなら、俺に打てる手が少ないままだった。だが七十年前に国民へと発した、権力によって強奪はしないという文言は、恐らく今でも有効なはずだ。なんせ、王族自身が発した言葉だからな。
だが、今の王族がそれを守るのかは分からない。色々と考えてはいるが、問題はそれがどこまで通用するかだな。状況に合わせながら、適切な手を打っていくしかないか。
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