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第97話
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次から次へと、魔境の魔物たちが精鋭部隊と俺に襲い掛かってくる。その大半は、桃が自生している場所の周辺を縄張りにしている、一癖も二癖もある強き魔物たちだ
。その魔物たちが、主に精鋭部隊の魔法使いたちを喰らおうと、怒り狂いながら迫ってきている。まあ何があったかというと、桃が自生している場所に辿り着いた時の精鋭部隊を見て、懸念していたことが実際に起こってしまったのだ。
精鋭部隊の魔法使いたちは、順調に桃を回収していった。それこそ、今現在生っている桃全てを根こそぎ持っていくくらいに。だがここで、非常に嫌な予感が俺を襲う。急いで周囲を見渡し、何が原因なのかを探る。そして視界の中で捉えた光景は、致命的なまでにマズイものだった。
何を思ったのか知らないが、魔法使いたちの何人かが二方向に進んでいき、桃の自生している場所から離れていた。それぞれの雰囲気から察するに、恐らく桃以外の貴重で希少なものを、あわよくば見つけようとしたのだろう。欲深いその行為自体が、魔境という地では危険極まりない行為だとも思わずに。そして、止める間もなく、彼らは踏み込んではならない場所へと踏み込んでいた。
そう、桃の自生している場所の周囲で生息している、強き魔物たちの縄張りに。そして運の悪い事に、その内の一体が縄張りを巡回している最中であった。そこから始まる、阿鼻叫喚の鬼ごっこ。全身が真っ赤な体毛のゴリラや、体長二メートルはありそうなデカい蟷螂、首が二つある漆黒の毛並みの狼など、一体一体が町一つを容易に滅ぼせそうな強力な個体ばかりだ。
「逃げろ!!とにかく逃げろ!!」
「なんだよこいつら!!見た事ない魔物だらけだぞ!!」
「何でもいい!!自分が生き残る事だけを考えろ!!」
「各自、死ぬ気で逃げるんだ!!腕が喰われようが、脚が喰われようが、何としても桃を王都に持ち帰るのだ!!例え、たった一人になろうともだ!!」
(何でこんなに追われているのか、こいつら気付いていないんだな)
今現在、地獄の鬼ごっこの鬼役が何を求めて精鋭部隊を追っているのかと言えば、当然の事ながら精鋭部隊が回収した桃を追っている。縄張りに安易に踏み込んだ事にも激怒しているが、それ以上に、自分たちの大好物である桃の匂いを全身から漂わせており、尚且つ濃厚な匂いが人間からしているとなれば、魔物たちの取る選択は一つだ。
逃げ惑う精鋭部隊は、縄張りに踏み込んでしまった事にも、彼らの大好物を盗み取ってしまった事にも気付かずに、ひたすらに追われ続けている。ここで選べる選択肢は二つ。一つは、このまま頑張って逃げ続けて、魔物たちにリンチされて肉塊になって死ぬ。もう一つは、自身の生存を最優先させるために、回収した桃をばら撒きながら魔境から逃げ切る。
しかし、精鋭部隊は王族たちから桃の回収を命令されている。なので、実質的に選べる選択肢は一つだけ。つまり精鋭部隊は、魔物たちの大好物を盗み取った大罪人として、このまま圧倒的な力によって蹂躙されるわけだ。俺としてはここが魔境である以上、そうなっても弱肉強食で終わらせられるのだが、カノッサ公爵夫妻にとっては違う。なので、少なくとも数人は生き残らせなくてはならない。
(こいつら相手にそれをやるのは骨が折れるが、それでもジャック爺たちの為にもやるしかないか)
。その魔物たちが、主に精鋭部隊の魔法使いたちを喰らおうと、怒り狂いながら迫ってきている。まあ何があったかというと、桃が自生している場所に辿り着いた時の精鋭部隊を見て、懸念していたことが実際に起こってしまったのだ。
精鋭部隊の魔法使いたちは、順調に桃を回収していった。それこそ、今現在生っている桃全てを根こそぎ持っていくくらいに。だがここで、非常に嫌な予感が俺を襲う。急いで周囲を見渡し、何が原因なのかを探る。そして視界の中で捉えた光景は、致命的なまでにマズイものだった。
何を思ったのか知らないが、魔法使いたちの何人かが二方向に進んでいき、桃の自生している場所から離れていた。それぞれの雰囲気から察するに、恐らく桃以外の貴重で希少なものを、あわよくば見つけようとしたのだろう。欲深いその行為自体が、魔境という地では危険極まりない行為だとも思わずに。そして、止める間もなく、彼らは踏み込んではならない場所へと踏み込んでいた。
そう、桃の自生している場所の周囲で生息している、強き魔物たちの縄張りに。そして運の悪い事に、その内の一体が縄張りを巡回している最中であった。そこから始まる、阿鼻叫喚の鬼ごっこ。全身が真っ赤な体毛のゴリラや、体長二メートルはありそうなデカい蟷螂、首が二つある漆黒の毛並みの狼など、一体一体が町一つを容易に滅ぼせそうな強力な個体ばかりだ。
「逃げろ!!とにかく逃げろ!!」
「なんだよこいつら!!見た事ない魔物だらけだぞ!!」
「何でもいい!!自分が生き残る事だけを考えろ!!」
「各自、死ぬ気で逃げるんだ!!腕が喰われようが、脚が喰われようが、何としても桃を王都に持ち帰るのだ!!例え、たった一人になろうともだ!!」
(何でこんなに追われているのか、こいつら気付いていないんだな)
今現在、地獄の鬼ごっこの鬼役が何を求めて精鋭部隊を追っているのかと言えば、当然の事ながら精鋭部隊が回収した桃を追っている。縄張りに安易に踏み込んだ事にも激怒しているが、それ以上に、自分たちの大好物である桃の匂いを全身から漂わせており、尚且つ濃厚な匂いが人間からしているとなれば、魔物たちの取る選択は一つだ。
逃げ惑う精鋭部隊は、縄張りに踏み込んでしまった事にも、彼らの大好物を盗み取ってしまった事にも気付かずに、ひたすらに追われ続けている。ここで選べる選択肢は二つ。一つは、このまま頑張って逃げ続けて、魔物たちにリンチされて肉塊になって死ぬ。もう一つは、自身の生存を最優先させるために、回収した桃をばら撒きながら魔境から逃げ切る。
しかし、精鋭部隊は王族たちから桃の回収を命令されている。なので、実質的に選べる選択肢は一つだけ。つまり精鋭部隊は、魔物たちの大好物を盗み取った大罪人として、このまま圧倒的な力によって蹂躙されるわけだ。俺としてはここが魔境である以上、そうなっても弱肉強食で終わらせられるのだが、カノッサ公爵夫妻にとっては違う。なので、少なくとも数人は生き残らせなくてはならない。
(こいつら相手にそれをやるのは骨が折れるが、それでもジャック爺たちの為にもやるしかないか)
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