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第98話
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身体強化の魔法に使用する魔力と、ロングソードの剣身に纏わせる魔力を増やして強化。そこから更に魔力を操作し、魔力の剣を生み出して左手で柄を握る。そして、精鋭部隊へと襲い掛かる魔物たちを撃退するために、魔境の入り口に退きながら反撃を開始する。
今回は、魔物たちを仕留める事を目標にするのではなく、あくまでも撃退する事が最優先目標となる。襲い掛かってくる魔物たち一体一体を、それぞれ仕留める事を優先して動いてしまうと、確実に精鋭部隊の魔法使いたちが全滅する。一体一体の攻撃をいなして短い時間で対処し、精鋭部隊へ攻撃を仕掛ける魔物たち全てに対応する。
「ゴァアアアア」
「ギィイイイイ」
『ワォオオオン』
(普段は互いを喰らおうとするくせに、こういう時だけ綿密な連携をするなよな!!)
全身が真っ赤なゴリラが先陣を駆け、そのゴリラの直ぐ後に蟷螂が仕掛け、さらに間髪入れずに双頭の漆黒の狼が仕掛けてきた。普段から、互いに隙さえあれば喰らおうとしている相手だけあり、その動きは知り尽くしている様だ。そして各魔物の一撃は、数秒のズレがあれば確実に相手も巻き込む程の威力がある。それを全て完璧に合わせて、息吐く間もない猛攻となって襲い掛かってくる。
それらを全て見切り、実体剣のロングソードと魔法の剣の二剣流を巧みに操り、それら全てを受け流していく。俯瞰した視点で、精鋭部隊と俺、魔境の魔物たちの位置を把握していく。
時たまはぐれの様に連携から外れ、一体の魔物が一人の魔法使いに襲い掛かっていこうとするのを止める。そしてそれを狙う様に、綿密な連携を保っている魔物たちも同時に動いて、俺を仕留めようと動いてくる。俺はそれらの動きに対して、一瞬でどう動くかを考えるのではなく、直感と脊髄反射でもって避け続ける。
魔境の魔物たちの猛攻を相手にして、頭で考えてから動こうとするなど、自殺行為に等しい。たったの一秒という僅かな時間でも、思考するという行動をとれば、魔物たちにとっての好機となる隙を生み出す。そして一秒でも時間があれば、魔物たちは致命の一撃を放つ事など容易だ。故に、直感と脊髄反射による回避だ。この魔境という地獄で生き延びるには、これは一つの必須技能と言ってもいいだろう。
「見ろ!!出口だ!!」
「もう直ぐこの地獄から抜け出せるぞ!!走れ、走れ!!」
「油断するなよ!!魔境を抜けたからといって、安全ではないからな!!」
『了解!!』
「それと、桃を回収したアイテムバックは決して落とすな!!」
魔境から抜けられるという希望を見つけ、呑気にそんな事を言い始める。こっちは、それどころじゃないというのに。
桃と人間、二つの獲物が自分たちの縄張りから逃げ切ってしまう。精鋭部隊が出入り口を認識したと同時に、魔物たちも同じくそれを認識した。だから、魔物たちは一段階ギアを上げて、確実に仕留める意識に切り替えた。
「ゴァアア――――!!」
「ギィイイ――――!!」
『ワォオオ――――!!』
(どいつもこいつも、本気じゃねぇか!!)
先程とは比較にならない程の、息する事すらも許されない暴風の如き苛烈な猛攻。どの個体も魔法を解禁し、精鋭部隊と俺という蟻を踏み潰すつもりで、高威力・広範囲の火力の暴力という象の脚という手札を切ってきた。
「…………ふぅ~、――――ハッ!!」
迫りくる多種多様な魔法の海に対して、両腕を身体の前でクロスさせて、ロングソードと魔法の剣を同時に振り抜く。すると、バツ印の形をした斬撃が飛んでいく。
バツ印の斬撃は魔法の海に向かって飛んでいき、そのまま真正面から衝突する。そして、魔法の海の全てを切り裂き、その後方にいる魔物たちに向かって牙を剥く。魔物たちは、迫りくるバツ印の斬撃に急停止。そのまま全力で回避行動をとり、どの個体も無傷で避けられた。
だが、今回はそれでいい。今の斬撃が避けられる事は分かっていたし、傷を付ける事が目的ではない。初めから決めていた通りに、撃退する事が最優先事項であるからだ。そして、それは見事に達成された。バツ印の斬撃を魔物たちが避ける事を選択したと同時に、精鋭部隊の最後の一人が、魔境から完全に離脱出来たからだ。
今回は、魔物たちを仕留める事を目標にするのではなく、あくまでも撃退する事が最優先目標となる。襲い掛かってくる魔物たち一体一体を、それぞれ仕留める事を優先して動いてしまうと、確実に精鋭部隊の魔法使いたちが全滅する。一体一体の攻撃をいなして短い時間で対処し、精鋭部隊へ攻撃を仕掛ける魔物たち全てに対応する。
「ゴァアアアア」
「ギィイイイイ」
『ワォオオオン』
(普段は互いを喰らおうとするくせに、こういう時だけ綿密な連携をするなよな!!)
全身が真っ赤なゴリラが先陣を駆け、そのゴリラの直ぐ後に蟷螂が仕掛け、さらに間髪入れずに双頭の漆黒の狼が仕掛けてきた。普段から、互いに隙さえあれば喰らおうとしている相手だけあり、その動きは知り尽くしている様だ。そして各魔物の一撃は、数秒のズレがあれば確実に相手も巻き込む程の威力がある。それを全て完璧に合わせて、息吐く間もない猛攻となって襲い掛かってくる。
それらを全て見切り、実体剣のロングソードと魔法の剣の二剣流を巧みに操り、それら全てを受け流していく。俯瞰した視点で、精鋭部隊と俺、魔境の魔物たちの位置を把握していく。
時たまはぐれの様に連携から外れ、一体の魔物が一人の魔法使いに襲い掛かっていこうとするのを止める。そしてそれを狙う様に、綿密な連携を保っている魔物たちも同時に動いて、俺を仕留めようと動いてくる。俺はそれらの動きに対して、一瞬でどう動くかを考えるのではなく、直感と脊髄反射でもって避け続ける。
魔境の魔物たちの猛攻を相手にして、頭で考えてから動こうとするなど、自殺行為に等しい。たったの一秒という僅かな時間でも、思考するという行動をとれば、魔物たちにとっての好機となる隙を生み出す。そして一秒でも時間があれば、魔物たちは致命の一撃を放つ事など容易だ。故に、直感と脊髄反射による回避だ。この魔境という地獄で生き延びるには、これは一つの必須技能と言ってもいいだろう。
「見ろ!!出口だ!!」
「もう直ぐこの地獄から抜け出せるぞ!!走れ、走れ!!」
「油断するなよ!!魔境を抜けたからといって、安全ではないからな!!」
『了解!!』
「それと、桃を回収したアイテムバックは決して落とすな!!」
魔境から抜けられるという希望を見つけ、呑気にそんな事を言い始める。こっちは、それどころじゃないというのに。
桃と人間、二つの獲物が自分たちの縄張りから逃げ切ってしまう。精鋭部隊が出入り口を認識したと同時に、魔物たちも同じくそれを認識した。だから、魔物たちは一段階ギアを上げて、確実に仕留める意識に切り替えた。
「ゴァアア――――!!」
「ギィイイ――――!!」
『ワォオオ――――!!』
(どいつもこいつも、本気じゃねぇか!!)
先程とは比較にならない程の、息する事すらも許されない暴風の如き苛烈な猛攻。どの個体も魔法を解禁し、精鋭部隊と俺という蟻を踏み潰すつもりで、高威力・広範囲の火力の暴力という象の脚という手札を切ってきた。
「…………ふぅ~、――――ハッ!!」
迫りくる多種多様な魔法の海に対して、両腕を身体の前でクロスさせて、ロングソードと魔法の剣を同時に振り抜く。すると、バツ印の形をした斬撃が飛んでいく。
バツ印の斬撃は魔法の海に向かって飛んでいき、そのまま真正面から衝突する。そして、魔法の海の全てを切り裂き、その後方にいる魔物たちに向かって牙を剥く。魔物たちは、迫りくるバツ印の斬撃に急停止。そのまま全力で回避行動をとり、どの個体も無傷で避けられた。
だが、今回はそれでいい。今の斬撃が避けられる事は分かっていたし、傷を付ける事が目的ではない。初めから決めていた通りに、撃退する事が最優先事項であるからだ。そして、それは見事に達成された。バツ印の斬撃を魔物たちが避ける事を選択したと同時に、精鋭部隊の最後の一人が、魔境から完全に離脱出来たからだ。
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