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第158話
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「賢者様、ここ数日お忙しくしている様ですね」
「そうじゃの。王城での研究漬けの日々も楽しくはあったが、こうして新しい事をしていくのもまた楽しいものじゃ」
「そんなに劇団への魔法指導は楽しいのですか?」
「指導が楽しいというのもあるんじゃが、違う視点から魔法というものを改めて考えるのが楽しんじゃよ」
「違う視点、ですか?」
「彼らが使う魔法というのは、人を傷つけ命を奪う魔法ではなく、人を喜ばせたり感動させたりする魅せる魔法なんじゃ。そして、各々が魔法に個性や工夫を施し、劇の中の役になりきっておるんじゃよ。しかもじゃ、彼らが使う魔法は威力が極力抑えられておっての。驚くべき事に、人にぶつけたとしても無傷で済むのじゃ」
「無傷で!?」
「何かしらの魔道具か何かで演出していたと思っていましたが、本当に魔法を使っていたのですね。それにしても、無傷で済む魔法とは…………」
「儂はそれらを見て、感じて、本当に素晴らしいと思った。それと同時に、異なる視点で魔法というものを考える事の面白さを知ったんじゃよ」
今までの研究の中で、戦闘に使える魔法以外では、生活が豊かや楽になるといった魔法などを考えてきた。じゃが彼らの様に、人を喜ばせたり感動させたりする、魅せる為の魔法というものは考えた事もなかった。彼らが日々研鑽しておるのは、御伽噺に出てくる勇者や英傑たちが使う様な魔法ではなく、子供も大人も夢中になってしまう幻想的な魔法なのじゃ。
儂が魔法指導を始めてから、彼らの劇を幾つか見させてもらった。素晴らしいの一言じゃった。儂の目の前に、御伽噺の世界が広がっておったんじゃ。題材となっておる英傑たちがこの場に現れ、英傑たちが生きた時代が、物語が繰り広げられていくんじゃ。劇を見ている間は、それが劇であるという認識は消え去り、英傑たちの記憶をこっそりと垣間見ているかの様な感覚であったの。
「では暫くの間は、劇団員への魔法指導に集中なさるんですか?」
「そうじゃの」
「娘たちの方はどうしますか?難しそうならば、私たちの方から伝えておきますが」
「そっちについても大丈夫じゃよ。彼らは基礎がしっかりしておるし、飲み込みも早い。それに教えておる事の難易度に関しても、お嬢さんたちに教えておる事に比べたら、簡単なものばかりじゃからの」
「では、今までと変わらないという事で?」
「うむ、そうじゃな」
「「ありがとうございます」」
「そんなに気にしなくてよい。これは儂の為でもあるからの。……話は変わるが、二人のおすすめの劇はあるかの」
「おすすめの劇ですか?そうですね、私のおすすめは…………」
儂は話を変える為にと、今まで見た劇についての話をローゼン殿とアンナ夫人へと振った。ローゼン殿もアンナ夫人も、儂の気持ちを察して直ぐに話を合わせてくれた。しかし、安易に話題を変えたのは失敗じゃった。二人が思い出の劇について語ってくれておったのだが、徐々に惚気話が混じり始めたからじゃ。
儂は自分から話題を変えた事もあり、その惚気話を延々と我慢して聞き続けた。正直言って、精神的にかなり辛い時間じゃった。次からは相手に振る話題に気を付けようと、儂は心に深く刻み込んだ。
「そうじゃの。王城での研究漬けの日々も楽しくはあったが、こうして新しい事をしていくのもまた楽しいものじゃ」
「そんなに劇団への魔法指導は楽しいのですか?」
「指導が楽しいというのもあるんじゃが、違う視点から魔法というものを改めて考えるのが楽しんじゃよ」
「違う視点、ですか?」
「彼らが使う魔法というのは、人を傷つけ命を奪う魔法ではなく、人を喜ばせたり感動させたりする魅せる魔法なんじゃ。そして、各々が魔法に個性や工夫を施し、劇の中の役になりきっておるんじゃよ。しかもじゃ、彼らが使う魔法は威力が極力抑えられておっての。驚くべき事に、人にぶつけたとしても無傷で済むのじゃ」
「無傷で!?」
「何かしらの魔道具か何かで演出していたと思っていましたが、本当に魔法を使っていたのですね。それにしても、無傷で済む魔法とは…………」
「儂はそれらを見て、感じて、本当に素晴らしいと思った。それと同時に、異なる視点で魔法というものを考える事の面白さを知ったんじゃよ」
今までの研究の中で、戦闘に使える魔法以外では、生活が豊かや楽になるといった魔法などを考えてきた。じゃが彼らの様に、人を喜ばせたり感動させたりする、魅せる為の魔法というものは考えた事もなかった。彼らが日々研鑽しておるのは、御伽噺に出てくる勇者や英傑たちが使う様な魔法ではなく、子供も大人も夢中になってしまう幻想的な魔法なのじゃ。
儂が魔法指導を始めてから、彼らの劇を幾つか見させてもらった。素晴らしいの一言じゃった。儂の目の前に、御伽噺の世界が広がっておったんじゃ。題材となっておる英傑たちがこの場に現れ、英傑たちが生きた時代が、物語が繰り広げられていくんじゃ。劇を見ている間は、それが劇であるという認識は消え去り、英傑たちの記憶をこっそりと垣間見ているかの様な感覚であったの。
「では暫くの間は、劇団員への魔法指導に集中なさるんですか?」
「そうじゃの」
「娘たちの方はどうしますか?難しそうならば、私たちの方から伝えておきますが」
「そっちについても大丈夫じゃよ。彼らは基礎がしっかりしておるし、飲み込みも早い。それに教えておる事の難易度に関しても、お嬢さんたちに教えておる事に比べたら、簡単なものばかりじゃからの」
「では、今までと変わらないという事で?」
「うむ、そうじゃな」
「「ありがとうございます」」
「そんなに気にしなくてよい。これは儂の為でもあるからの。……話は変わるが、二人のおすすめの劇はあるかの」
「おすすめの劇ですか?そうですね、私のおすすめは…………」
儂は話を変える為にと、今まで見た劇についての話をローゼン殿とアンナ夫人へと振った。ローゼン殿もアンナ夫人も、儂の気持ちを察して直ぐに話を合わせてくれた。しかし、安易に話題を変えたのは失敗じゃった。二人が思い出の劇について語ってくれておったのだが、徐々に惚気話が混じり始めたからじゃ。
儂は自分から話題を変えた事もあり、その惚気話を延々と我慢して聞き続けた。正直言って、精神的にかなり辛い時間じゃった。次からは相手に振る話題に気を付けようと、儂は心に深く刻み込んだ。
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