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第270話
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カノッサ公爵はイザベラに封筒を手渡し、アンナ公爵夫人と一緒にもう一度溜息を吐いて、疲れた様にソファーへと座り込んだ。カノッサ公爵もアンナ公爵夫人も、送付されてきた招待状の中身に目を通した事で、精神的に疲れが溜まってしまったんだろうな。
「さて、それじゃあ私から読ませてもらうわね」
「ああ」
イザベラは、開けられている封筒から二つに折られている招待状を取り出し、招待状に何が書かれているのかを確認する。最初は普通に読んでいたイザベラだったが、読んでいく事に眉がつり上がっていき、読み終わる頃には完全に呆れ顔になっていた。そして、最後に大きく深いため息をゆっくりと吐いたのだった。そのまま招待状を二つに折った状態に戻し、右隣に座っているクララへと手渡した。
手渡されたクララは折られている状態の招待状を開き、一体何が書かれているのかを確認していく。その後の反応はイザベラと変わらないものであり、クララも読み終わった後に大きく深いため息を吐き、招待状を二つに折って右隣に座っているナタリーに手渡した。
そのまま、ナタリー・マルグリットと続いて招待状を確認していったが、二人ともイザベラやクララと反応は変わらなかった。ただマルグリットに関しては、イザベラたちよりも一際大きく強い反応を示していた。怒りも呆れも凄まじくて、自分に向けられているものではないと分かっていても、思わずドキッとしてしまう程であった。
そしてついに、問題の招待状が俺の元に回ってきた。俺は深呼吸をして一度気持ちを落ち着けてから、二つに折られた招待状を開いて書かれた内容を確認した。招待状に書かれていた内容としては、短く纏めると三点程の内容だった。
一点目は、自分とアルベルト殿下の婚約式に招待するという本題。二点目は、今や自分は聖女というイザベラたちよりも地位が高い存在である事から、それ相応の言動を心掛けろ。そして三点目が、アルベルト殿下を取られて悔しいかとか、辺境伯家の三男である俺と婚約する事になって可哀想だとか、マルグリットに対するマウントだった。
「これ、正式に王家から出されている招待状ですよね?」
「そう思うのも仕方ないが、王家から出されている招待状に間違いはない」
「一体何時から、こんなものを正式な文書として出す様になったのかしら」
この招待状が正式な王家からのものだというのならば、俺たちがした最悪の予想が当たっている可能性が高い。ローラ嬢が、婚約式に関して全権を任されているという可能性が。
ただ、こんな滅茶苦茶な事が書かれた招待状を、全ての招待客に送るというのは流石のローラ嬢でもしないだろう。ローラ嬢の私欲に塗れた招待状が送られたのは、マルグリットを標的にしてカノッサ公爵家や、先日の舞踏会まで激しくぶつかり合ってきた、貴族令嬢連合の令嬢たちの貴族家が中心だろう。
「一応聞いておくんだが、この下品な招待状に応じて婚約式に出席するか?」
「――――絶対にありえないわ」
「まあ、聞く必要もないわよね」
カノッサ公爵が本当に一応といった様子でイザベラに問いかけ、イザベラはそれに対して一切の逡巡もなく、出席拒否の返事を即答で返した。その答えにアンナ公爵夫人は納得の表情を浮かべた後に、真剣な表情で後の事は任せなさいと言ってくれた。そして、イザベラの答えに対してこの場の誰からも反対意見が出る事はなく、ローラ嬢とアルベルト殿下の婚約式に出席しない事が決まった。
「さて、それじゃあ私から読ませてもらうわね」
「ああ」
イザベラは、開けられている封筒から二つに折られている招待状を取り出し、招待状に何が書かれているのかを確認する。最初は普通に読んでいたイザベラだったが、読んでいく事に眉がつり上がっていき、読み終わる頃には完全に呆れ顔になっていた。そして、最後に大きく深いため息をゆっくりと吐いたのだった。そのまま招待状を二つに折った状態に戻し、右隣に座っているクララへと手渡した。
手渡されたクララは折られている状態の招待状を開き、一体何が書かれているのかを確認していく。その後の反応はイザベラと変わらないものであり、クララも読み終わった後に大きく深いため息を吐き、招待状を二つに折って右隣に座っているナタリーに手渡した。
そのまま、ナタリー・マルグリットと続いて招待状を確認していったが、二人ともイザベラやクララと反応は変わらなかった。ただマルグリットに関しては、イザベラたちよりも一際大きく強い反応を示していた。怒りも呆れも凄まじくて、自分に向けられているものではないと分かっていても、思わずドキッとしてしまう程であった。
そしてついに、問題の招待状が俺の元に回ってきた。俺は深呼吸をして一度気持ちを落ち着けてから、二つに折られた招待状を開いて書かれた内容を確認した。招待状に書かれていた内容としては、短く纏めると三点程の内容だった。
一点目は、自分とアルベルト殿下の婚約式に招待するという本題。二点目は、今や自分は聖女というイザベラたちよりも地位が高い存在である事から、それ相応の言動を心掛けろ。そして三点目が、アルベルト殿下を取られて悔しいかとか、辺境伯家の三男である俺と婚約する事になって可哀想だとか、マルグリットに対するマウントだった。
「これ、正式に王家から出されている招待状ですよね?」
「そう思うのも仕方ないが、王家から出されている招待状に間違いはない」
「一体何時から、こんなものを正式な文書として出す様になったのかしら」
この招待状が正式な王家からのものだというのならば、俺たちがした最悪の予想が当たっている可能性が高い。ローラ嬢が、婚約式に関して全権を任されているという可能性が。
ただ、こんな滅茶苦茶な事が書かれた招待状を、全ての招待客に送るというのは流石のローラ嬢でもしないだろう。ローラ嬢の私欲に塗れた招待状が送られたのは、マルグリットを標的にしてカノッサ公爵家や、先日の舞踏会まで激しくぶつかり合ってきた、貴族令嬢連合の令嬢たちの貴族家が中心だろう。
「一応聞いておくんだが、この下品な招待状に応じて婚約式に出席するか?」
「――――絶対にありえないわ」
「まあ、聞く必要もないわよね」
カノッサ公爵が本当に一応といった様子でイザベラに問いかけ、イザベラはそれに対して一切の逡巡もなく、出席拒否の返事を即答で返した。その答えにアンナ公爵夫人は納得の表情を浮かべた後に、真剣な表情で後の事は任せなさいと言ってくれた。そして、イザベラの答えに対してこの場の誰からも反対意見が出る事はなく、ローラ嬢とアルベルト殿下の婚約式に出席しない事が決まった。
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