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第328話
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「完全に切り裂くまではいかぬか」
「ほんの少し浅かったようじゃな」
魔石まで到達した袈裟切りであったが、しかし完全に切断するまではいかず、ギリギリの所で魔石は繋がっていた。暗黒騎士となった魔人の男は、直ぐ様切られた魔石の修復を始めながら、切られたミスリルの身体も修復を始める。
だが、ジャック爺とローザさんの二人は、攻める手を緩めない。ここが勝負所だと決めて、修復へと意識を強めようとする魔人の男へと一気に攻勢を仕掛ける。
「クソが!!……しかし忘れてはいないか?私は核の位置を――」
「それならば――」
「――こうするまでじゃ」
ジャック爺とローザさんの言葉に、勇者を模した騎士が目にも止まらぬ速さで動き、武骨でシンプルなロングソードを持つ右腕を閃かせる。次の瞬間、暗黒騎士となった魔人の男の四肢が、綺麗に切断されて胴体から切り離される。
この時点で、魔人の男は選択を迫られる。核となる魔石の修復を優先するか、防御・回避などを行う為に四肢を修復、または新たなに四肢を急造するかという選択を。
そして、魔人の男は選択した。自身の命たる、核となる魔石の修復を優先させると同時に、切断された四肢を急造でも新たに生み出すという第三の選択肢を。だがその第三の選択肢は、賢者と呼ばれた魔法使いと、代々の魔女たちの全てを受け継いできた稀代の魔女にとっては、完全なる悪手であった。
「その動きは致命的なまでに――」
「――遅いの」
「ならば!!」
「それもまた」
「愚かな選択じゃ」
魔人の男は、切り裂かれた四肢を操作しようとした。だが、その四肢は既に二人の制御下だ。武骨でシンプルなロングソードで切り裂いた瞬間、刃のミスリルを通して逆算し、魔人の男の反撃の芽を摘んでおいたのだ。
「クソッ!!何故動かない!!……それならば、これはどうだ!!」
魔人の男のミスリルの身体が一瞬で変化し、巨大な杭となって勇者を模した騎士に向かって伸びる。そして、伸びた杭は勇者を模した騎士のお腹に突き刺さる。
だが、それすらも悪手だ。先程の四肢と同じく、突き刺さった杭は勇者を模した騎士の身体に触れた瞬間から逆算され、そのまま繋がった状態である魔人の男の身体の制御を奪っていく。それに気付いた魔人の男も、直ぐ様身体を切り離そうとするも、その時には既に身体の全ての制御を奪われていた。
ミスリルの身体から、魔人の男の本体である魔石が抜け出そうとする。しかし、ミスリルの身体にガチガチに固められてしまい、外へ抜け出す事が出来ない。
「さて、これで終いじゃ」
「我らの騎士よ。その魔石を破壊せよ」
勇者を模した騎士は、武骨でシンプルなロングソードの柄を両手で持って、ゆっくりと振り上げていく。そして、剣先が上空を向いた時、ピタリとその動きを止める。
「嫌だ!!私はまだ、死にたく――――」
次の瞬間、目にも止まらぬ速さでロングソードを振るい、魔人の男へ止めの連撃を放つ。鋭き連撃は、ミスリルの胴体ごと魔石を切り裂いていく。そして、勇者を模した騎士がその動きを止めた時、そこにはミスリルの胴体どころか、核となる魔石の一欠片すらも残ってはいなかった。
「儂ら老いぼれにも勝てぬような者が」
「生意気な口を利くんじゃないよ」
「ほんの少し浅かったようじゃな」
魔石まで到達した袈裟切りであったが、しかし完全に切断するまではいかず、ギリギリの所で魔石は繋がっていた。暗黒騎士となった魔人の男は、直ぐ様切られた魔石の修復を始めながら、切られたミスリルの身体も修復を始める。
だが、ジャック爺とローザさんの二人は、攻める手を緩めない。ここが勝負所だと決めて、修復へと意識を強めようとする魔人の男へと一気に攻勢を仕掛ける。
「クソが!!……しかし忘れてはいないか?私は核の位置を――」
「それならば――」
「――こうするまでじゃ」
ジャック爺とローザさんの言葉に、勇者を模した騎士が目にも止まらぬ速さで動き、武骨でシンプルなロングソードを持つ右腕を閃かせる。次の瞬間、暗黒騎士となった魔人の男の四肢が、綺麗に切断されて胴体から切り離される。
この時点で、魔人の男は選択を迫られる。核となる魔石の修復を優先するか、防御・回避などを行う為に四肢を修復、または新たなに四肢を急造するかという選択を。
そして、魔人の男は選択した。自身の命たる、核となる魔石の修復を優先させると同時に、切断された四肢を急造でも新たに生み出すという第三の選択肢を。だがその第三の選択肢は、賢者と呼ばれた魔法使いと、代々の魔女たちの全てを受け継いできた稀代の魔女にとっては、完全なる悪手であった。
「その動きは致命的なまでに――」
「――遅いの」
「ならば!!」
「それもまた」
「愚かな選択じゃ」
魔人の男は、切り裂かれた四肢を操作しようとした。だが、その四肢は既に二人の制御下だ。武骨でシンプルなロングソードで切り裂いた瞬間、刃のミスリルを通して逆算し、魔人の男の反撃の芽を摘んでおいたのだ。
「クソッ!!何故動かない!!……それならば、これはどうだ!!」
魔人の男のミスリルの身体が一瞬で変化し、巨大な杭となって勇者を模した騎士に向かって伸びる。そして、伸びた杭は勇者を模した騎士のお腹に突き刺さる。
だが、それすらも悪手だ。先程の四肢と同じく、突き刺さった杭は勇者を模した騎士の身体に触れた瞬間から逆算され、そのまま繋がった状態である魔人の男の身体の制御を奪っていく。それに気付いた魔人の男も、直ぐ様身体を切り離そうとするも、その時には既に身体の全ての制御を奪われていた。
ミスリルの身体から、魔人の男の本体である魔石が抜け出そうとする。しかし、ミスリルの身体にガチガチに固められてしまい、外へ抜け出す事が出来ない。
「さて、これで終いじゃ」
「我らの騎士よ。その魔石を破壊せよ」
勇者を模した騎士は、武骨でシンプルなロングソードの柄を両手で持って、ゆっくりと振り上げていく。そして、剣先が上空を向いた時、ピタリとその動きを止める。
「嫌だ!!私はまだ、死にたく――――」
次の瞬間、目にも止まらぬ速さでロングソードを振るい、魔人の男へ止めの連撃を放つ。鋭き連撃は、ミスリルの胴体ごと魔石を切り裂いていく。そして、勇者を模した騎士がその動きを止めた時、そこにはミスリルの胴体どころか、核となる魔石の一欠片すらも残ってはいなかった。
「儂ら老いぼれにも勝てぬような者が」
「生意気な口を利くんじゃないよ」
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