なぜ処刑予定の悪役子息の俺が溺愛されている?

詩河とんぼ

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第20話 不安

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「はあ、もうそろそろ高等部になるのか……」

「はやいねぇ」

 入学してから早くも2年ちょっとが経った。俺はかわらずマークスとルナ、サクランと仲良くしていた。
 この学園は3年間でクラス替えがない。いじめがあるなどしたら、変わることもあるらしいが。

 俺は、中等部でトップレベルの成績をおさめていた。テストでは2、3位、剣技も3位以内を毎回とれている。
 身長は伸びた。今は160くらいある。……これでも伸びた。アルスタは180に届きそうなくらいになっていた。……おかしいだろう!

「あっ!カイラント、あそこにアルスタ様がいるわ!」

「!ほんとうだ!でも、人で囲まれているから……」

 アルスタとは入学したての頃よりは話せるようになったが、入学する前の方が話せていた。

「突撃してくればいいんじゃないか?」

 マークスはもじもじとしている俺を見て言った。

「む、無理!そんなことより、今は進級試験に向けて勉強するんでしょ!」

 そう。今日は進級試験に合格するための勉強会だ。俺とサクランは今のままなら心配することなく進級できるが、マークスとルナは少し危ない。そのためサクラン発案でこの勉強会が図書室で開かれた。今は、同じような考えをしている人が多く、いつもは十数人くらいの図書室がその倍以上の生徒でうめられていた。

「ゔぅ~!現実に戻さないでくれよ~」

 俺は二人の苦手分野の問題集をとってくるために席を立った。


「カイラント様、お久しぶりです」

「です」

「ああ、グラード様とカリオン様。お久しぶりです」

 本を探していると、二人の子息に声をかけられた。
 グラードはマナント侯爵家の息子だ。で、マナント家の当主はいつも宰相をしているため、で時期宰相と言われている。頭脳明晰で、テストでは俺が勝てたり、勝てなかったりといい勝負をしている。
 カリオンはイブラム侯爵家の息子だ。イブラム家は王国騎士団・団長の一族でもある。だから、時期団長と言われているが、その噂は一人歩きしていなく、彼の剣技は見事なものだ。

「二人はどうして図書室に?」

「クラスメイトと進級試験の対策をしようとなりまして」

「アルスタが優秀だからなんでも教えてくれるんだ」

 二人は、アルスタと同じクラスでアルスタの将来の側近と言われている。ここにはいないがもう二人側近候補?はいる。

 で、大事な点がもう一つ。
 この二人もアルスタと同じてあのゲームの攻略対象者だということだ。
 最初は避けようとしたが、アルスタの友人を避けられず恐る恐る接してみたら、普通にいい人だった。
 グラード様ー?カリオン様ー?
 二人を呼ぶ声が聞こえてくる。

「すみません、カイラント様。また」

「じゃあな!」

「はい、ではまた」

 このまま進級できれば、次は高等部になる。
 多分ここからゲームはスタートなのだろう。

 ……今の俺の胸の中は不安でいっぱいだった。
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