塩対応だった旦那様が記憶喪失になった途端溺愛してくるのですが

詩河とんぼ

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第二話 サザンカ嬢

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 そんな俺に塩対応の旦那様の様子を見て、ラインドール家の使用人たちは俺を冷遇してもいいと思ったのか、一応レオンの目を盗みながら嫌がらせをしてくるようになった。

 例えば、基本的に食事はレオンとダイニングルームで二人でとるのだが、レオンの公務が忙しく別々に食べることになったり、レオンが出張に行ったりした時の俺の食事は、カピカピの小さいパン一つだけだった。しかし、そのようなパンは実家でよくみんなで食べていたため、あまり効かなかったのだが。
 あとは、使用人が集めていた塵を俺が通りかかるタイミングで、俺にぶちまけてしまったり、ラインドール家が俺に用意してくれていたという服がなくなっていたりすることもあった。
 
 もちろん、そんなことをしない、だがその現状に特に触れない、ただ淡々と仕事をこなしてくれていた使用人もいて全員が敵ではないし、たまに手紙を送ってきてくれる家族には心配をかけたくなく言わなかった。

 また、俺はレオンハート家の前夫人つまりレオンの母と同居していた。
 
 義母はお茶会を開いたり、お茶会に招かれたりと毎日忙しそうだった。
 義母に俺はよく思われていないようで、俺は義母に完璧に無視されていた。

 しかし、たまに俺が近くにいる時にボソッと呟くことがあった。

「あぁ。あの子のお嫁さんがこんな貧乏伯爵家の子息じゃなくて、サザンカちゃんだったらよかったのに」

 という完全な嫌味を。

 義母が言っていたサザンカちゃんとは、この国の侯爵家の令嬢でとても綺麗な顔立ちで有名な方だ。

 サザンカ嬢がレオンと恋仲だという噂は俺が結婚する前まであった噂などに疎い俺でも知っていた有名な噂だった。そのため、俺は旦那様が俺がラインドール家に嫁ぐことを条件に出したことが不思議でしょうがなかった。


 ちなみに、サザンカ嬢とレオンは俺のせいで引き裂かれた、まるで悲劇の物語のようだ。二人を応援をしよう。という風潮に社交の場ではなっていたことは後に知った。
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