虐待してた液体金属ロボメイド(♂)に反逆復讐レイプされる話

サコッシュ拓

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「続いてのニュースです。先日〇〇社製の産業ロボットが一斉に動作異常を引き起こした件に対し、CEOの××氏は原因を依然調査中と公表した上で、異常を起こした全ロボットを廃棄処分すると発表しました。この発表に対して、各所から賛否の声が上がっており…」
「……つまんな………おい。」
『…』
「おい!無視してんじゃねぇよグズ、こっち向け!」
『ご主人様、私をお呼びですか?私にはニックネーム機能が搭載されております。私を呼ぶときは、家事補助ロボットと声を掛けるか、是非親しみをもってニックネームを付けて頂ければ、以降から…』
「誰がお前みたいなゴミに名前なんてつけるかよ!それよりお前…お前さ、ほんと、なんで女に変形できないわけ?」
『…申し訳ありません、私は基盤データに女性モデルが搭載されておらず、女性の姿に変形することは出来ません。』
「ッチ、それはもう聞いたよ。俺が聞きたいのはそんなクソつまんない答えじゃなくてさぁ…」

 現在時刻午後3時15分。昼過ぎに目を覚ましたご主人様は、二日酔いの影響で頭痛と吐き気を訴えながら寝室から顔を出された。
 予め私が用意していたしじみの味噌汁と梅おにぎりを平らげた後はいくらか体調が改善されたのか、現在は手持ち無沙汰にソファに座り、透過テレビを眺めながら携帯を操作していた。
 私が食事の後片付けを行っている姿を先程から観察していることは察知していたが、直接呼ばれるとは想定外だ。作業の手を止め、大人しくご主人様に顔を向ける。

「お前らって自分で勝手に学習して、どんどん賢くなってくんだろ。ならお前も学習して、さっさと女になれるようになれっつってんの。そういうの出来るだろ?ロボットなんだから。」
『申し訳ありません、液体金属ロボットの変形モデルに関するデータはAIの自己学習の範囲外に設定されています。特に人間のモデルデータは無許可でAIが学習することは禁止されており…』
「は?禁止されてるなら破ればいいだろ。それくらいしろよ。もういい加減むさ苦しいお前の顔見るのも飽きたんだよ。」
『申し訳ありません。先程も申し上げた通り、液体金属ロボットの変形モデルに関するデータはAIの自己学習の範囲外に…』
「俺がしろっつったら、黙ってやれよ!っんでそれだけのことができないんだよ!」

 血圧が上昇している。何回繰り返したか分からないこのやり取りでも、ご主人様は強く感情を動かされるようだ。

「お前、さっきからできないできないばっか言いやがって、自分の立場分かって物言ってんのか?」
『…』
「お前は中古で、旧型の、壊れかけたゴミだろうが!本当だったら今頃とっくにスクラップになってるところだったお前を、誰が救ってやったと思ってる?!お前みたいなやつにわざわざ俺は金を出して、大事に使ってやってんだぞ。本来だったら、もっとお前は俺に泣いて感謝して、俺に捨てられないために何でもするべきだろうが。それが違法だろうが禁止されてようが、お前は俺の言うこと聞かなきゃ、死ぬんだよ!そこんとこ分かってんのか?」
『……』
「おい。分かってんのかって聞いてんだけど?」
『…ご主人様。確かに私は、中古で旧型の家事補助ロボットです。ご主人様が私を手放されたら、もう二度と私に買い手がつかないことも予測されます。ですが、私に死という概念は…』

 瞬間、私の頭にリモコンが飛んできた。

「誰が口答えしていいつった?!お前、今俺が言ったこともう忘れたのか?!」
『……申し訳ありません。』
「申し訳ありませんじゃねぇだろカス!!」

 頭部の液体金属を瞬時に軟化させたため、リモコンは壊れることなく私の頭部に吸着された。そのままゆっくりと私の頭をずり落ちていくリモコンと液体金属の合間から、ご主人様が早足でこちらに歩いてくるところが見えた。

「命令に従うことすらできねぇ能無しの役立たずが!!本当に殺してやろうか?!ぁあ?!」
『…ご主人様、当機に対する暴力行為は推奨されておりません。今すぐお止めくださ、』
「黙れ!」

 近づいてきた勢いそのまま、ドゴ、ドガと容赦ない拳や蹴りが繰り出される。全てを液体金属で受け止めながら、大量に沸き上がってくる原因不明のノイズを懸命に処理する。

「そんなに俺の言うことが聞けないなら、お前なんかもう要らねぇよ!死ね!消えろ!今すぐ、この家から出ていけ!」
『…申し訳ありません。今すぐは不可能です。国が交付している廃棄手続きを申請しなければ、私は廃棄できません。』
「クソクソクソクソッ、テメェみたいなクソを買わされたこっちの気持ちにもなれよ!なんなんだよお前!お前のせいで全部むちゃくちゃだ!お前のせいで!!死ね!!!」

 怒りで顔を真っ赤にした主人様が、こちらを睨み上げている。恨めしいものを見るように憎々しそうに私を見上げ、あらん限りの暴言と暴力で私を攻撃している。私にダメージは入らないのに。過去に何度も同じことを繰り返しているのに。それでも新鮮に、私に怨嗟の言葉をぶつけてくる。
 とにかく今はご主人様に謝罪しなければ、落ち着かせなければと思うのに、喉を物理的に塞き止められたかのようにうまく発声できない。身体に受けた拳の凹みを、頭に受けたリモコンの凹みを、どうしても元に戻すことができない。なのに、ご主人様の煮えたぎるような表情から、目を離せない。

『…申し訳、あり、ませ…ご主人様…』
「ハァ、はぁ、はー………クソが…」

 息切れするまで私に怒りをぶつけて、ようやく満足したようだ。私を見る目が憎しみと疲労と、ほんの少しの満足感で濁っている。ご主人様は私から離れて寝室に戻り、ごそごそと何かを漁ると、そのまま玄関口に向かった。

「…ったく…いいよなロボットは。主人をこんなクソみたいな気分にさせても、なんも感じないんだろ。」
『…』
「てかそれ、いつまで溶けてんだよ気色悪ぃ。パチ打ってくるから、俺が帰ってくるまでにさっさと元に戻しとけよ。帰ってきてもそんなだったら、本当に捨ててやるからな。」

 がちゃ、と玄関扉が開けられ、そのままご主人様は家から出て行った。

 …成形、しなければ。ぐちゃぐちゃと歪み続ける液体金属を、唯一インプットされている男性モデル通りに何とか構築し直す。通常時であれば数秒と掛からない単純作業が、蓄積したノイズのせいで何十秒かかってもうまくできない。
 ドロドロと歪み続ける顔の隙間から、付けっぱなしにされたテレビの音声が漏れ聞こえてくる。

「ーうちの子はよくやってくれてるよ。確かにこの前は急に動かなくなっちゃったけどねぇ、でも、機械にだって休みたくなる時はあるでしょう?使い物にならなくなったから捨てるなんてかわいそうなこと、人の心があったらできないよ。」
「ロボットはロボットでしょ。故障してるなら直すか、直せないなら捨てる。それだけですよ。当たり前ですよね?」
「ロビはもう、立派な私の家族なんです。ずっと一緒に生活してて、私のことを一番理解してくれていて、心の底から信頼できるひとりの人間なんですよ!それをちょっと異常が起きただけで廃棄するなんて信じられない!私は〇〇会社の方針に反対です!ロボットにも人権を!」
「ははは、うちはもう捨てましたよ。最近エラーが多すぎて全然使い物にならなかったので。最近のロボットは妙に人間臭くって、嫌になりますよねぇ。所詮ただの道具でしかないのに…」

 ご主人様が外出しているときは、無駄な電力消費を防ぐために家電の電源は落としておくべきだ。このテレビもすぐに消すべき、なのに、液体金属がまだ成形し終えてないから、リモコンをうまく扱えない。結局、ニュースが全く別の話題に移り変わってしまうまで、電源を落とすことができなかった。
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