37 / 41
聖者は貫(つらぬ)かれなくてはならない
しおりを挟む小学校の国語の時間に教えられた
「後の祭り」という言葉をタカシ君は思い出しました。
青い目のパイロットを目掛けて、
ヨコヤマさんは胸のホルスターからシグ・ザウエル社製P230自動拳銃を素早く抜き取り、
直ぐ様パイロットの片眼を撃ち抜きましたが、
それはヨコヤマさんの脇腹を貫通し、
後ろのタカシ君のお腹に深々と刺さっていました。
それはかなり古臭くて、古代ローマ時代のような匂いを感じる槍でした。
「アガステアの葉によって決まっていることが実行されました。
聖槍・ロンギヌスの槍によって聖者は貫かれなくてはなりません。
オーストリアのホーフブルク宮殿に所蔵してある聖槍・ロンギヌスの槍は、それ自体は偽物です。
しかし、それで構いません、要は、これは儀式なのですから」
まるで青い目のパイロットが喋ったようでしたが、
実際は事が起きる前から天空のお爺さんがおっしゃっていたようです。
タカシ君はロンギヌスの槍をお腹に深々と刺さった格好で、
仰向けに地面に倒れ、数秒置いて片目を撃ち抜かれた青い目のパイロットも、
膝からぐにゃぐにゃと崩れ落ちました。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2
1 / 4
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる