呪われた騎士に惚れられた夢魔は呑気にその腕の中で微睡んじゃう

おげんや豆腐

文字の大きさ
18 / 70

夢魔アンチエイジング?

しおりを挟む
上半身裸に背もたれのないソファーにうつ伏せになる。

すると大きく筋ばった手が首から背中にかけてなぞるようにゆっくりとなぞる。

ソファーがぎしりと揺れ、背中越しに感じる吐息と大きな体が乗る感覚にゾクゾクと体が泡立ちそして……僕は目元を潤ませて口を開ける。





「ふ、んぬうぅ……!!  っだ?!……むんぬっ?!」 
「…………ここか」
「ホんがっ!!」
「その声は何処から出してんだ……」
色気の欠片も感じられない声が部屋に響きぐすたふの溜め息と生暖かい視線が背中に突き刺さる。

骨もぼきぼきと鳴って、痛い、気持ちいい。


暴力じゃない………マッサージして貰ってるだけダヨ。

関節と関節の間が地味に凝っていたみたいでゴキッとかベキッとか折れたのか折れてないのか判別が難しい音がまあ物々しい。

僕も変に唸ってるけど……これがまた骨身に染みて気持ちいい。

「むぼだっ!?」
肩の筋肉がゴキリと解れた反動で酷い声が喉から飛び出しぐすたふの手が止まる。

「おぉすまん痛かっただろう……大丈夫か?」
「……大丈夫です、もう少し、お願いします」
「…………後で文句言うなよ?」
「ご心配にはおよばふんが!!?」
おーうまって腰がなんか変な風に……?!





※三十分後※

体が軽くほかほかと暖かい。
この幸福な気分のまま美味しい紅茶を一口……うむ。

これは……良い。


「どうだ?」
「気持ちよかった!!」
実に素晴らしい!

「機嫌は治ったようだな」
「む?」
「久しぶりにやるが腕は鈍ってなくて良かった」
ソファーに寛ぎにこにこと座っているとホッとした顔のぐすたふがお茶の入ったポット片手に隣に座る。

「そういった仕事でもしてたの?」
肘掛けに寄りかかり聞けば片眉を上げぐすたふは笑う。

「いいや、兵士になった最初の年に先輩に仕込まれた」
「……なんで?」
兵士……て戦うあれでしょ?

「疲れた上司や仲間を癒すのも仕事……だそうだ」
「必要なくない?」
専用の人雇えよ。

「もしものための備えだそうだ」
へぇー。

「ついでに一人で野営する術や洗濯掃除に調理、生活方法のそのほとんどを兵士から騎士学校に上がったときに叩き込まれる、坊主にも教えてやろうか」
「お断りします」
やだよそんなめんどくさい

「今めんどくさいとか思ったろ 」
「……そんなこと」
「坊主が何かを誤魔化す時目元が若干震える」
「えっ゛」
まじで……?

体を揺らしぐすたふを見ればにやにやと口角をあげている。

「嘘だ」
「……ああん”?」
おっと穏やかじゃない声が出てしまった。

「くくっ、だがめんどくさいと思ったのは本当だろう?」
「…………」
……目を逸らそうか。

「よしよし、良い顔になってるな~、撫でさせろ」
「むぎゃっ」
嫌味なくらい満面の笑みのぐすたふに乱暴に撫でられ変な声を出した僕は慌ててお茶を溢さないようバランスをとる。

……んん。

そっちこそ辛気くさい顔じゃ無くなってるじゃないか。

「そ……ぐすたふ」
ボサボサになった髪を軽く整えると同時にその言葉が口から出ようとするけど、途中でこれを言ってどうするかと思い中身の無くなったカップをぐすたふの前にだす。

「お茶のおかわりをください」
「あいよ」




※※※

上機嫌になって嫌な想像をして急降下して、マッサージと美味しい物を頂きもう一度テンションが上がるをすれぱ必然……疲れる。



「なぁ坊主」
「んー?」
「お前は~その……なんだ……」
気分自体は悪くない。

体力が尽きた僕はソファーにもたれ窓の外を眺めているとぐすたふが声をかけてくる。

「なによ」
窓を見たまま返せば、数秒の沈黙の後、ぐすたふのため息が聞こえる。

「いや……なんでもねえ」
「んー? なんですか」
何を言ってるんだこの人は。

半目で振り替えるとやけに真剣な顔をしたぐすたふが僕を食い入るように見る。

「……なにさ」
意味もなくぐすたふと目を合わせていると、ぐすたふの視線が逸れる。

「いや、なんでもねぇ」
そんな真っ直ぐな目で見てた前提で言われても……。

「なんか隠してるでしょう」
「そんなのねえよ、それよりも坊主…昼寝がしたいんだが、いいか」
「いいよー」
ずいっと近くまで寄られ半目でみていた僕も頷くほかない……。


まあでもなんか歯切れが悪いって言うか……なんだろうね、もやもや?するなぁいいや、眠らせよ。






















    
しおりを挟む
感想 32

あなたにおすすめの小説

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

中年冒険者、年下美青年騎士に番認定されたことで全てを告白するはめになったこと

mayo
BL
王宮騎士(24)×Cランク冒険者(36) 低ランク冒険者であるカイは18年前この世界にやって来た異邦人だ。 諸々あって、現在は雑用専門冒険者として貧乏ながら穏やかな生活を送っている。 冒険者ランクがDからCにあがり、隣国の公女様が街にやってきた日、突然現れた美青年騎士に声をかけられて、攫われた。 その後、カイを〝番〟だと主張する美青年騎士のせいで今まで何をしていたのかを文官の前で語ることを強要される。 語らなければ罪に問われると言われ、カイは渋々語ることにしたのだった、生まれてから36年間の出来事を。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

過保護な父の歪んだ愛着。旅立ちを控えた俺の身体は、夜ごとに父の形で塗り潰される

中山(ほ)
BL
「パックの中、僕の形になっちゃったね」 夢か現か。耳元で囁かれる甘い声と、内側を執拗に掻き回す熱。翌朝、自室で目覚めたパックに、昨夜の記憶はない。ただ、疼くような下腹部の熱だけが残っていた。 相談しようと向かった相手こそが、自分を侵食している張本人だとも知らずに、パックは父の部屋の扉を開く。 このお話はムーンライトでも投稿してます〜

従僕に溺愛されて逃げられない

大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL! 俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。 その傍らには、当然のようにリンがいる。 荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。 高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。 けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。 当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。 居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。 さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。 主従なのか、恋人なのか。 境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。 従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。

悪役令嬢の兄でしたが、追放後は参謀として騎士たちに囲まれています。- 第1巻 - 婚約破棄と一族追放

大の字だい
BL
王国にその名を轟かせる名門・ブラックウッド公爵家。 嫡男レイモンドは比類なき才知と冷徹な眼差しを持つ若き天才であった。 だが妹リディアナが王太子の許嫁でありながら、王太子が心奪われたのは庶民の少女リーシャ・グレイヴェル。 嫉妬と憎悪が社交界を揺るがす愚行へと繋がり、王宮での婚約破棄、王の御前での一族追放へと至る。 混乱の只中、妹を庇おうとするレイモンドの前に立ちはだかったのは、王国騎士団副団長にしてリーシャの異母兄、ヴィンセント・グレイヴェル。 琥珀の瞳に嗜虐を宿した彼は言う―― 「この才を捨てるは惜しい。ゆえに、我が手で飼い馴らそう」 知略と支配欲を秘めた騎士と、没落した宰相家の天才青年。 耽美と背徳の物語が、冷たい鎖と熱い口づけの中で幕を開ける。

処理中です...