21 / 70
名付け親ぐすたふ
しおりを挟む
ぐだくだを繰り返すこと早くも1ヶ月。
気がつけばもう1ヶ月も経っていた
朝はごろごろ昼もごろごろ夜も当然ごろごろ、
ぐすたふにくっついてころころと過ごし三食おやつ付きのささやかな生活を地味ながら楽しんでいる今日この頃。
そんなある日、場所は屋敷の真ん中に空いた中庭。
部屋二つ分程の広さの解放感溢れる中庭、日向ぼっこをする僕はさておきぐすたふは何をしているかと言うと、井戸から汲み上げた水を大きなタライに入れ、石鹸と共にシーツや服を板を使ってじゃぶじゃぶじゃぶじゃぶ……洗濯である。
一枚一枚丁寧にしっかりと洗い絞って近くの日のあたる場所にたてられた棒に干す。
テキパキと慣れた動きで洗濯をこなしているぐすたふ……。
僕? 適度な日光浴は健康に一番だからね、近くの芝生で日光浴してる……はい、なにもしてません。
「…………坊主」
「なんでしょう」
若干の罪悪感とそれ以上の手伝うの面倒だなという気持ちを放り投げて目を閉じようとすれば、罪悪感の元であるぐすたふが洗濯を。終え僕の前に歩いてくる
「…………名前付けていいか?」
「名前?」
突然どうしたの。
僕の座る目線までしゃがみこむと真剣な顔で訪ねてくる。
「ずっと坊主呼びなのも流石にどうだと思ってな……いいか?」
「なるほど?」
予想外の単語に聞き返せば予想通りの真面目な返答がきて僕も真面目に答えるしかない。
……名前、名前かぁ。
名無しの魔族だしなぁ。
「別に僕は必要ないとおもうけど」
正直坊主呼びで完結してるから十分だと思う、けどぐすたふはそう思わないらしくばつの悪そうな顔をする。
「名前ないと不便だと思うんだが」
「必要に迫られたことないからわからん」
「知り合いにあったときは何て呼んでたんだ?」
「感覚で君、とかあなた、とか?」
「…………そうか」
なんでちょっと引いてるのぐすたふ。
「そういうものだよ魔族は、都会に住む方や力のあるお方ならともかく、森や洞窟に住む僕みたいな野良は大体名無し、ほとんど一人でいるし名前なんてあっても使わないし?」
名前は力を現す、とかよく言われる。
強い名前なら強く、優しい名前なら優しく……そんな事をどこかの町で聞いた。
魔王様だってたしかとんでもなく長い名前だった気がするけど……忘れた。
「……そうか」
「あんまり納得してない顔してるねぐすたふ」
「そりゃあ、そうだろうよ」
「眉の皺すごいよ」
「うるせえ」
難しそうに唸ったぐすたふはその場にあぐらをかいてじっと僕を目に写す。
「で、名前だが……いいか?」
「僕にでしょ? いいよいいよ」
「……随分と軽いな、自分のことだぞ?」
オッケーと言ったのにぐすたふはそれでいいのかとあまりよろしくない顔……何故。
ぐすたふはどんな名前つけるのかな。
「ナッシーでもロベルトでもトマトでもどうぞ?」
「最後」
若干好奇心を込め言えば即座にツッコミがはいる。
「可愛いじゃないトマト……可愛いよね?」
「……………そうだな、それでお前の名前だがな」
おいまて。
「名 前 だ が な? 」
「あ、はい」
おう……威圧かけないで……。
怖い顔こそしてないけど目がなんかその……即座に土下座したくなる気だしてた。
「……ぐすたふ理知的に見えて実は力任せ大好きでしょ」
「黙ってろ」
「へい」
今の絶対当たってたでしょ、あ、ぐすたふため息ついた。
「戦略練るのは得意だけどそういったのめんどくさいからまとめて蹂躙したい系男子」
「地味に的確に突いてきたが……長い、却下だ却下」
「あらー」
「…………はぁ、ちょっとまて、付けようとしてた名前頭からとんだじゃねえか馬鹿野郎」
「理不尽~」
「静かにしてろ」
「はい」
悩ましげに瞼を閉じたぐすたふは数秒そのままでいると、思い出したと小さく呟いた。
「よし、良いか? ちゃんと覚えてくれよ 」
「うん」
口角をあげるくずたふにうなずくとぐすたふは僕の手を持ち上げ握る。
「お前の名は今日からギフニール、ギフニールだ、愛称は……ニールだ」
「……ギフニール」
ギフニール……。
名前を復唱すると、ぐすたふは蕩ける程にこりと笑みを浮かべ僕の頬に手を触れる。
「二度と戻らない大事な物を与え、これ以上ない安らぎを教えてくれた一生をともに過ごす大事な大事な家族、恋人、嫁……それがお前だ」
…………気持ちが重いね。
★★★
登場人物
ぐすたふ(グスタフ)
ぼうず(ギフニール)
になりました。
気がつけばもう1ヶ月も経っていた
朝はごろごろ昼もごろごろ夜も当然ごろごろ、
ぐすたふにくっついてころころと過ごし三食おやつ付きのささやかな生活を地味ながら楽しんでいる今日この頃。
そんなある日、場所は屋敷の真ん中に空いた中庭。
部屋二つ分程の広さの解放感溢れる中庭、日向ぼっこをする僕はさておきぐすたふは何をしているかと言うと、井戸から汲み上げた水を大きなタライに入れ、石鹸と共にシーツや服を板を使ってじゃぶじゃぶじゃぶじゃぶ……洗濯である。
一枚一枚丁寧にしっかりと洗い絞って近くの日のあたる場所にたてられた棒に干す。
テキパキと慣れた動きで洗濯をこなしているぐすたふ……。
僕? 適度な日光浴は健康に一番だからね、近くの芝生で日光浴してる……はい、なにもしてません。
「…………坊主」
「なんでしょう」
若干の罪悪感とそれ以上の手伝うの面倒だなという気持ちを放り投げて目を閉じようとすれば、罪悪感の元であるぐすたふが洗濯を。終え僕の前に歩いてくる
「…………名前付けていいか?」
「名前?」
突然どうしたの。
僕の座る目線までしゃがみこむと真剣な顔で訪ねてくる。
「ずっと坊主呼びなのも流石にどうだと思ってな……いいか?」
「なるほど?」
予想外の単語に聞き返せば予想通りの真面目な返答がきて僕も真面目に答えるしかない。
……名前、名前かぁ。
名無しの魔族だしなぁ。
「別に僕は必要ないとおもうけど」
正直坊主呼びで完結してるから十分だと思う、けどぐすたふはそう思わないらしくばつの悪そうな顔をする。
「名前ないと不便だと思うんだが」
「必要に迫られたことないからわからん」
「知り合いにあったときは何て呼んでたんだ?」
「感覚で君、とかあなた、とか?」
「…………そうか」
なんでちょっと引いてるのぐすたふ。
「そういうものだよ魔族は、都会に住む方や力のあるお方ならともかく、森や洞窟に住む僕みたいな野良は大体名無し、ほとんど一人でいるし名前なんてあっても使わないし?」
名前は力を現す、とかよく言われる。
強い名前なら強く、優しい名前なら優しく……そんな事をどこかの町で聞いた。
魔王様だってたしかとんでもなく長い名前だった気がするけど……忘れた。
「……そうか」
「あんまり納得してない顔してるねぐすたふ」
「そりゃあ、そうだろうよ」
「眉の皺すごいよ」
「うるせえ」
難しそうに唸ったぐすたふはその場にあぐらをかいてじっと僕を目に写す。
「で、名前だが……いいか?」
「僕にでしょ? いいよいいよ」
「……随分と軽いな、自分のことだぞ?」
オッケーと言ったのにぐすたふはそれでいいのかとあまりよろしくない顔……何故。
ぐすたふはどんな名前つけるのかな。
「ナッシーでもロベルトでもトマトでもどうぞ?」
「最後」
若干好奇心を込め言えば即座にツッコミがはいる。
「可愛いじゃないトマト……可愛いよね?」
「……………そうだな、それでお前の名前だがな」
おいまて。
「名 前 だ が な? 」
「あ、はい」
おう……威圧かけないで……。
怖い顔こそしてないけど目がなんかその……即座に土下座したくなる気だしてた。
「……ぐすたふ理知的に見えて実は力任せ大好きでしょ」
「黙ってろ」
「へい」
今の絶対当たってたでしょ、あ、ぐすたふため息ついた。
「戦略練るのは得意だけどそういったのめんどくさいからまとめて蹂躙したい系男子」
「地味に的確に突いてきたが……長い、却下だ却下」
「あらー」
「…………はぁ、ちょっとまて、付けようとしてた名前頭からとんだじゃねえか馬鹿野郎」
「理不尽~」
「静かにしてろ」
「はい」
悩ましげに瞼を閉じたぐすたふは数秒そのままでいると、思い出したと小さく呟いた。
「よし、良いか? ちゃんと覚えてくれよ 」
「うん」
口角をあげるくずたふにうなずくとぐすたふは僕の手を持ち上げ握る。
「お前の名は今日からギフニール、ギフニールだ、愛称は……ニールだ」
「……ギフニール」
ギフニール……。
名前を復唱すると、ぐすたふは蕩ける程にこりと笑みを浮かべ僕の頬に手を触れる。
「二度と戻らない大事な物を与え、これ以上ない安らぎを教えてくれた一生をともに過ごす大事な大事な家族、恋人、嫁……それがお前だ」
…………気持ちが重いね。
★★★
登場人物
ぐすたふ(グスタフ)
ぼうず(ギフニール)
になりました。
26
あなたにおすすめの小説
強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない
砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。
自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。
ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。
とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。
恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。
ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。
落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!?
最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。
12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
中年冒険者、年下美青年騎士に番認定されたことで全てを告白するはめになったこと
mayo
BL
王宮騎士(24)×Cランク冒険者(36)
低ランク冒険者であるカイは18年前この世界にやって来た異邦人だ。
諸々あって、現在は雑用専門冒険者として貧乏ながら穏やかな生活を送っている。
冒険者ランクがDからCにあがり、隣国の公女様が街にやってきた日、突然現れた美青年騎士に声をかけられて、攫われた。
その後、カイを〝番〟だと主張する美青年騎士のせいで今まで何をしていたのかを文官の前で語ることを強要される。
語らなければ罪に問われると言われ、カイは渋々語ることにしたのだった、生まれてから36年間の出来事を。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
過保護な父の歪んだ愛着。旅立ちを控えた俺の身体は、夜ごとに父の形で塗り潰される
中山(ほ)
BL
「パックの中、僕の形になっちゃったね」
夢か現か。耳元で囁かれる甘い声と、内側を執拗に掻き回す熱。翌朝、自室で目覚めたパックに、昨夜の記憶はない。ただ、疼くような下腹部の熱だけが残っていた。
相談しようと向かった相手こそが、自分を侵食している張本人だとも知らずに、パックは父の部屋の扉を開く。
このお話はムーンライトでも投稿してます〜
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
悪役令嬢の兄でしたが、追放後は参謀として騎士たちに囲まれています。- 第1巻 - 婚約破棄と一族追放
大の字だい
BL
王国にその名を轟かせる名門・ブラックウッド公爵家。
嫡男レイモンドは比類なき才知と冷徹な眼差しを持つ若き天才であった。
だが妹リディアナが王太子の許嫁でありながら、王太子が心奪われたのは庶民の少女リーシャ・グレイヴェル。
嫉妬と憎悪が社交界を揺るがす愚行へと繋がり、王宮での婚約破棄、王の御前での一族追放へと至る。
混乱の只中、妹を庇おうとするレイモンドの前に立ちはだかったのは、王国騎士団副団長にしてリーシャの異母兄、ヴィンセント・グレイヴェル。
琥珀の瞳に嗜虐を宿した彼は言う――
「この才を捨てるは惜しい。ゆえに、我が手で飼い馴らそう」
知略と支配欲を秘めた騎士と、没落した宰相家の天才青年。
耽美と背徳の物語が、冷たい鎖と熱い口づけの中で幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる