呪われた騎士に惚れられた夢魔は呑気にその腕の中で微睡んじゃう

おげんや豆腐

文字の大きさ
28 / 70

くまは遠い

しおりを挟む
森を歩く。


言葉では実にシンプルだけど、いざその中身を確認すると、実にえぐい。

朝は寒く毛布に震え、そこから昼にかけてはだんだんと気温は上がり湿気が多く蒸し暑さが売りの最悪な場所にチェンジ。


「あっちい……」
隣を歩くぐすたふに同意しよう。

めっちゃ暑い。

年中無休半そでシャツorズボンの姿でぶらぶらしてる僕とは違いぐすたふは大きなリュックを背負い半袖の茶色いシャツの上から厚手の赤いジャケットを着て暑そう。

いくつもポケットのついた茶色い長ズボンに腰には巻くタイプの真っ黒なカバンが歩く度に少し揺れる。

一般的な旅の服装とは若干違うけど食料に野営道具やその他もろもろがぎっしりと詰まっている事だろう、ぐすたふは力持ちだね。

だけど多分一番大変そうなのが右手に持つこれまたでかい剣、刀身も幅も今まで見てきたどの剣よりも遥かに大きい。
数ある荷物の中で一番重たい物は恐らくあの剣、絶対持ちたくない。

「ね~」
色々な意味を込め隣のぐすたふを見れば顎に手を当て唸っている。

「悩んでるみたいに顎当ててどしたの」
「いや……なんでこの森に入ったんだろうなってよ」
「僕が帰るってギャーギャー騒いだからでしょ?」
ぐすたふは僕の住処の近くの場所にいたけど、一応あそこだってこの蒸し暑い森を越えた場所にある……。

「いや……もっと前だ、俺とニールが会った時の……待て、騒いだ自覚はあるんだな」
「そりゃあ勿論、自己分析は得意だからね」
「……おい」
おっと、口を滑らせた。

「てへ」
笑ってごまかすと悪化する可能性があるからここは真顔でさんはい。

「……まあいい、慣れた」
「やったぜ」
「あ~ぁ……なんで惚れちまったんだよ俺は、可愛いな」
溜息つかれちゃった。


……後少なくとも一時間歩かなければつかない距離をぐすたふは昼間の間に歩いたってことだよね

「ぐすたふはどうやってあそこに来たのかちょっと不思議、割と早い時間だった筈だけど」
「どうやって、か……」
話題を戻し聞けばぐすたふは怪訝な顔で頬をかいた。

「さぁ、どうやったんだろうな」
「疑問系かい」
「ど~も一か月前までの記憶が霧がかった感じで曖昧なんだよ、良く思い出せんし思いだす気もねえが」
「……病院行く?」
病気、移る奴だったら躊躇無く逃げるよ?

「今は霧も晴れて治ったがやばかったら行く、……距離を置かないでくれるか? 割と傷つくぞ」
「……失礼しました?」
「おい敬語」
「へい」
一歩下がろうとする僕の腕を掴むぐすたふに僕は肩をすくめた。


「てへ」
「寝てなかっただけだ、心配ねえ」
なんだ、単なる寝不足か、やだぐすたふの視線怖い。

「てへじゃねえ……んじゃあそうだな……ニールはなんでこの森に住んでたんだ?」
「僕?」
「おう、こんな住みにきい所になんでにーるは住んでんだ、惚れた腫れた抜きで純粋に気になる」
「ん? んーと……そうだね」
純粋な疑問に今度は僕が顎に手を置いた




















    
しおりを挟む
感想 32

あなたにおすすめの小説

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

中年冒険者、年下美青年騎士に番認定されたことで全てを告白するはめになったこと

mayo
BL
王宮騎士(24)×Cランク冒険者(36) 低ランク冒険者であるカイは18年前この世界にやって来た異邦人だ。 諸々あって、現在は雑用専門冒険者として貧乏ながら穏やかな生活を送っている。 冒険者ランクがDからCにあがり、隣国の公女様が街にやってきた日、突然現れた美青年騎士に声をかけられて、攫われた。 その後、カイを〝番〟だと主張する美青年騎士のせいで今まで何をしていたのかを文官の前で語ることを強要される。 語らなければ罪に問われると言われ、カイは渋々語ることにしたのだった、生まれてから36年間の出来事を。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

過保護な父の歪んだ愛着。旅立ちを控えた俺の身体は、夜ごとに父の形で塗り潰される

中山(ほ)
BL
「パックの中、僕の形になっちゃったね」 夢か現か。耳元で囁かれる甘い声と、内側を執拗に掻き回す熱。翌朝、自室で目覚めたパックに、昨夜の記憶はない。ただ、疼くような下腹部の熱だけが残っていた。 相談しようと向かった相手こそが、自分を侵食している張本人だとも知らずに、パックは父の部屋の扉を開く。 このお話はムーンライトでも投稿してます〜

従僕に溺愛されて逃げられない

大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL! 俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。 その傍らには、当然のようにリンがいる。 荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。 高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。 けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。 当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。 居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。 さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。 主従なのか、恋人なのか。 境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。 従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。

悪役令嬢の兄でしたが、追放後は参謀として騎士たちに囲まれています。- 第1巻 - 婚約破棄と一族追放

大の字だい
BL
王国にその名を轟かせる名門・ブラックウッド公爵家。 嫡男レイモンドは比類なき才知と冷徹な眼差しを持つ若き天才であった。 だが妹リディアナが王太子の許嫁でありながら、王太子が心奪われたのは庶民の少女リーシャ・グレイヴェル。 嫉妬と憎悪が社交界を揺るがす愚行へと繋がり、王宮での婚約破棄、王の御前での一族追放へと至る。 混乱の只中、妹を庇おうとするレイモンドの前に立ちはだかったのは、王国騎士団副団長にしてリーシャの異母兄、ヴィンセント・グレイヴェル。 琥珀の瞳に嗜虐を宿した彼は言う―― 「この才を捨てるは惜しい。ゆえに、我が手で飼い馴らそう」 知略と支配欲を秘めた騎士と、没落した宰相家の天才青年。 耽美と背徳の物語が、冷たい鎖と熱い口づけの中で幕を開ける。

処理中です...