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散歩
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「一人で何年も 薄着で森暮らし? その上熊の巣穴で暮らす? ………ないない、あり得ねえ」
「一人でなに言ってるの」
「少し黙っててくれるか? 今現実と向き合ってんだ俺は」
「へい」
「ググ」
僕の横歩きながらぶつぶつと呟くぐすたふはちょっと不気味だけどはね除けられたものは仕方ない。
後ろの熊と顔を合わせ微妙な顔をする。
「……変なの」
「ニール」
「んー?」
「生活は?」
「へ?」
「その時の朝から夜までの生活サイクルを言え 今すぐ」
……なんぞ?
朝日と共に目覚め、昼は日向ぼっこ兼昼寝、夕方までは動物植物眺めながらぼーとして日が沈むタイミングで巣穴に戻る。
春は花見を。
夏は向日葵を。
秋は紅葉を。
冬は寒いから外にでない。
「で?」
「以上」
「……は?」
「です!」
とても平凡で素敵なスローライフ、最高。
「……その暮らしを、どれくらい続けた?」
ど、どれくらい?
「う、うーん、季節4回で1年だから……ちょ、ちょっと待って?」
「あぁ待つさ、言え」
「ぐすたふ? 顔…怖い」
「答えろ」
「へ、へい……」
背の高いぐすたふに詰め寄られ問答無用で聞かれたじろぐ。
「えー、んー……大体……多分10年かな?」
時間感覚なんて無いに等しいけど季節で換算すると大体そんな感じ……ひえ。
「ほぉ……【10年】ねぇ? 」
ぐすたふ笑って……違う目が、目が怖い。
「ぐすたふ? あの、なんか怒ってる? ヒォッ」
一歩後ろに後ずさろうと体を動かせば即座にぐすたふの手が僕の腕を掴み体が跳ねる。
恐る恐るぐすたふの顔を見て更に血の気が失せた。
「………怒ってねえぞ」
ま、真顔……。
恐ろしく低い声で言ったぐすたふに顔をひきつらせればぐすたふの口だけにやりと笑う。
「ただちょっとな、設備整った屋敷より森の方が良いって言われてちょっと自分の不甲斐なさにちょーっと……悔しくなっただけだ」
「……つまり怒ってると?」
「おう」
おうじゃねえよ。
「ちなみにニールにじゃなくて俺にたいしてだからな、勘違いするなよ」
それを聞いてよかった……。
「……グウ」
やめてその哀れむ目!
※※※
ぐすたふの怖い雰囲気は一応収まり、歩くのを再開した僕とぐすたふと熊は湿った森林からあちらこちから暖かな日が差す森の奥地についた。
「なぁニール」
「へい~」
「……だんだん返事が雑になってないか?」
流石にいい加減過ぎたかな。
ちらりと隣の顔を伺えば口がにやけてる。
「そぉ? それでなーに?」
「……その、だな」
腕を伸ばしながら聞けば、ぐすたふは顔を横に剃らした。
「……屋敷に帰らないか?」
なんでい。
気まずそうに言ったぐすたふに瞬きをした僕はすぐに目を細める
「何度も言ってるでしょ、嫌」
「ここで暮らすよりは屋敷の方が良い」
……またこの話しか。
「確かに住み心地は良いけどあそこにいると僕は好きに動けないでしょ」
「他の人間に見つかったら厄介なんだよ」
「そりゃ屋敷から見える場所にあるからね、でも簡単に見つかるもんなの?」
誰も近づかないとか言ってなかった?
「二月にいっぺん城から生活品を配達しに来る奴らがいるんだ、もう少ししたら来るだろうが……何の説明も無くニールを出したら危ないだろ?」
「……確かにそうだね」
この森に帰るときだって夜中にこそこそと町を通ったし……。
ぐすたふが特殊だから忘れかけていたけど僕は純粋な魔族。
ハーフでもクォーターでも混ざりものでもない。
真っ白な髪も赤みを帯びた瞳も尖った耳も全部全部、人間にとっては忌み嫌われる象徴。
安易に人に見つかってはいけないし、一緒にいるぐすたふだって酷いことを言われるかもしれない。
「安全な道や説明や根回しをしているんだがまだ時間がかかる、どうしてもいうなら仕方ねえが……できれば屋敷の中にいてほしい」
「でも……散歩だけは外せないんだよね」
真剣に僕を思って言ってくれたぐすたふに申し訳ないけど……
「そこさえ抑えてくれれば後はなんでもいいのよ、正直ね」
「散歩……外が好きなんだな」
……そういう訳じゃないんだけど。
でも。
難しいをするぐすたふをこれ以上困らせるのも可愛そうだし……、まあいいや。
「好きだよ、散歩」
無駄にややこしくする必要はない。
外に出て毎日すむ場所の周辺を見たい、観察したい、そのゆっくりとした変化を記憶に納めたい。
ちゃんと目で見ないと今ここで暮らしていると言う実感が持てない気がする。
二時間、いやせめて一時間、外を散策する時間さえくれれば他のことは許せるんだけどね……さて。
こんな我が儘しか言わない僕をぐすたふは一体どうするのかね。
「一人でなに言ってるの」
「少し黙っててくれるか? 今現実と向き合ってんだ俺は」
「へい」
「ググ」
僕の横歩きながらぶつぶつと呟くぐすたふはちょっと不気味だけどはね除けられたものは仕方ない。
後ろの熊と顔を合わせ微妙な顔をする。
「……変なの」
「ニール」
「んー?」
「生活は?」
「へ?」
「その時の朝から夜までの生活サイクルを言え 今すぐ」
……なんぞ?
朝日と共に目覚め、昼は日向ぼっこ兼昼寝、夕方までは動物植物眺めながらぼーとして日が沈むタイミングで巣穴に戻る。
春は花見を。
夏は向日葵を。
秋は紅葉を。
冬は寒いから外にでない。
「で?」
「以上」
「……は?」
「です!」
とても平凡で素敵なスローライフ、最高。
「……その暮らしを、どれくらい続けた?」
ど、どれくらい?
「う、うーん、季節4回で1年だから……ちょ、ちょっと待って?」
「あぁ待つさ、言え」
「ぐすたふ? 顔…怖い」
「答えろ」
「へ、へい……」
背の高いぐすたふに詰め寄られ問答無用で聞かれたじろぐ。
「えー、んー……大体……多分10年かな?」
時間感覚なんて無いに等しいけど季節で換算すると大体そんな感じ……ひえ。
「ほぉ……【10年】ねぇ? 」
ぐすたふ笑って……違う目が、目が怖い。
「ぐすたふ? あの、なんか怒ってる? ヒォッ」
一歩後ろに後ずさろうと体を動かせば即座にぐすたふの手が僕の腕を掴み体が跳ねる。
恐る恐るぐすたふの顔を見て更に血の気が失せた。
「………怒ってねえぞ」
ま、真顔……。
恐ろしく低い声で言ったぐすたふに顔をひきつらせればぐすたふの口だけにやりと笑う。
「ただちょっとな、設備整った屋敷より森の方が良いって言われてちょっと自分の不甲斐なさにちょーっと……悔しくなっただけだ」
「……つまり怒ってると?」
「おう」
おうじゃねえよ。
「ちなみにニールにじゃなくて俺にたいしてだからな、勘違いするなよ」
それを聞いてよかった……。
「……グウ」
やめてその哀れむ目!
※※※
ぐすたふの怖い雰囲気は一応収まり、歩くのを再開した僕とぐすたふと熊は湿った森林からあちらこちから暖かな日が差す森の奥地についた。
「なぁニール」
「へい~」
「……だんだん返事が雑になってないか?」
流石にいい加減過ぎたかな。
ちらりと隣の顔を伺えば口がにやけてる。
「そぉ? それでなーに?」
「……その、だな」
腕を伸ばしながら聞けば、ぐすたふは顔を横に剃らした。
「……屋敷に帰らないか?」
なんでい。
気まずそうに言ったぐすたふに瞬きをした僕はすぐに目を細める
「何度も言ってるでしょ、嫌」
「ここで暮らすよりは屋敷の方が良い」
……またこの話しか。
「確かに住み心地は良いけどあそこにいると僕は好きに動けないでしょ」
「他の人間に見つかったら厄介なんだよ」
「そりゃ屋敷から見える場所にあるからね、でも簡単に見つかるもんなの?」
誰も近づかないとか言ってなかった?
「二月にいっぺん城から生活品を配達しに来る奴らがいるんだ、もう少ししたら来るだろうが……何の説明も無くニールを出したら危ないだろ?」
「……確かにそうだね」
この森に帰るときだって夜中にこそこそと町を通ったし……。
ぐすたふが特殊だから忘れかけていたけど僕は純粋な魔族。
ハーフでもクォーターでも混ざりものでもない。
真っ白な髪も赤みを帯びた瞳も尖った耳も全部全部、人間にとっては忌み嫌われる象徴。
安易に人に見つかってはいけないし、一緒にいるぐすたふだって酷いことを言われるかもしれない。
「安全な道や説明や根回しをしているんだがまだ時間がかかる、どうしてもいうなら仕方ねえが……できれば屋敷の中にいてほしい」
「でも……散歩だけは外せないんだよね」
真剣に僕を思って言ってくれたぐすたふに申し訳ないけど……
「そこさえ抑えてくれれば後はなんでもいいのよ、正直ね」
「散歩……外が好きなんだな」
……そういう訳じゃないんだけど。
でも。
難しいをするぐすたふをこれ以上困らせるのも可愛そうだし……、まあいいや。
「好きだよ、散歩」
無駄にややこしくする必要はない。
外に出て毎日すむ場所の周辺を見たい、観察したい、そのゆっくりとした変化を記憶に納めたい。
ちゃんと目で見ないと今ここで暮らしていると言う実感が持てない気がする。
二時間、いやせめて一時間、外を散策する時間さえくれれば他のことは許せるんだけどね……さて。
こんな我が儘しか言わない僕をぐすたふは一体どうするのかね。
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