呪われた騎士に惚れられた夢魔は呑気にその腕の中で微睡んじゃう

おげんや豆腐

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わがままな僕は嫌いですか?

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無言でいれば自我が無いと論され、欲求をままに口に出せば贅沢な奴だと注意される。

程よく言えば良い人止まり、少しでもズレれば悪い人。


わがまま、天真爛漫、融通が効かない。

ぐすたふから見た僕はこう見えてることだろうさ。

三食昼寝おやつマッサージ付きの生活は良い、とってもいい。

森の自給自足サバイバル生活よりはずっといい、なんなら他人から羨まれることもあるだろう。

これに不満を垂れて僕の安全性とか諸々を考えたうえでの頼みを散歩できないからと首を振る。

困らせている自覚は十分、その上で振り回している事も自覚している、申し訳ない気持ちも割とある……でもね、それでもちょっと昔の事を思い出しちゃうから散歩だけは欠かせないの。

「……ん-」
目の前を真っすぐ見て唸るぐすたふを目だけを動かし見て目を細める。

あくまで僕は【攫われた】健気で可哀そうな一般魔族。

他者を襲わず、迷惑をかけず、波風立てず穏やかなに暮らしていたのをぐすたふが全部壊したんだからーーこれくらいいいのだ……多分。
人間からすればただの雑魚魔族、その通り、僕はちっぽけでマイペースな平和主義者。

「……屋根付きの家の方がいいだろう」
「洞窟なら条件満たせる」
「衛生面は」
「熱湯処理だね」
「……一人じゃ寂しいだろ」
「熊がいる」
「……頑固だなぁ」
「こだわりを持ってると言っておくれ」
窮屈が嫌いで自由が好きで、一番自由になる近道を通った結果群れを離れて一人になった。

一人なら誰かに気を遣う必要は皆無で何をしても良い、いつまでも好きなことが出来る。
寂しくなれば祭りに紛れて嫌になれば離れる、わかりやすく単純で難しい事は考えなくていい。

今後もこれは改める予定はないし無条件に妥協する気はない。

僕は、自分勝手だし自分第一に考えているし興味が沸かない事に淡泊で冷たい、だからと言って恩を仇で帰したり余分な事をする度胸もない。

要するに熱しにくく冷めにくい金属みたいなものだ……自分で言っててこれがわかんない。
ようするに三下モブのどうしようもない……卑屈すぎたかな。

結論を出そう。

正直、害が及ぶ事じゃなければぐすたふはぐすたふなりにやってくれれば良いし痛かったり嫌でなければ一応協力はする、僕のためを思ってやってくれるのなら無理のない範囲で答えたいのが本音。

全ては僕のため、自分が無事で自分の精神が一定で自分の暮らしの良さと、最後にこれと決めたことは突き通す、これさえできれば後はどうでもいい。



「だあもうめんどくせえ! ニール!!」
「ふんっ!?」
特に話すこともないとぼーっと前を見ていたら切羽詰まった声と同時に引き寄せられる猫よろしく片手で抱き上げられた僕はぐすたふの腕の中上を見あげる。
そこには鼻息荒くお怒りのぐすたふが目をぎらぎらと光らせていた。

「……もうちょっとマシな抱き方ないの?」
「片手塞がってんだからしゃーねえんだよ! ……ちっ、小難しい事はやめだやめだ、俺の性に合わねえぜ全く……暫くキャンプ楽しむぞおらああ!!」
「うるさい」
「悪い!」
周囲に響く野太い声をゼロ距離で聞いて耳が痛い。

「はあ……」
「グウ……」
ぶつぶつなにか悩んでたかと思ってそっとしていたのに失敗したかな。



「……悲しそうな目は、しないでくれ」
「ん? なーに?」
「なんでもねぇ」

「フン……」
迷惑そうな熊の鼻息が虚しく僕の耳に入る。













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