呪われた騎士に惚れられた夢魔は呑気にその腕の中で微睡んじゃう

おげんや豆腐

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一メートル五十センチの小熊とのランデブー

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森を進んで歩いて休んでまた歩いて、喋ることもないから僕は黙ってぐすたふがたわいもない話題を振ってきたときに適当に返す。

そしてしばらくして森を越えた先でまた何度目かの休憩をしていた。


「ぐーぐぐ」
「ググウ」
「ぐーぐ」
「グー?」
「ぐー」
呑気な声に呑気な鳴き声。

特に意味もなく、ただ何となく言っただけで決して通じてないと分かっている声……つぶらなおめめ、もふもふ。


「何やってんだお前ら」
「ん?」
「グ?」
「お、おう…わりいな邪魔して」
「ん?」
「ぐ?」
僕ともふもふは同時にぐすたふを見て首をかしげる。

小熊と再開、そしてじゃれ会うのは必然だよね。


***


疲れた結果ぶらぶらと運ばれてすぐに開けた場所に出て、僕とぐすたふが出会った平原? 広場についた。

そこには親熊と留守番を言われてたのかちょこんと座っていた熊のおちびがいて、てってってと走りよって来る熊にときめかない訳無いよねとすぐに降ろして貰って抱き着く。

特別熊が好きなわけじゃないけど寂しくなった時に目一杯抱き着けて尚且つ適度なもふもふでその上癒されるからこの熊は大好き。

うさぎ、猫、犬、鳥全般、癒されるものを捕獲してはうざがられる、これがまた楽しい。
いや、ぐすたふそんな目で見ないで、仕方ないじゃんもふもふ好きだもん、もふもふはいいものだよ。
もふもふと金と宝石は裏切らないって知ってるから、いえす。

そうこうやって顔を埋め、うずめ……ん。

「……ニール?」
「……ごわごわ」
「聞いてんのか」
ぐすたふの近くで僕の胸近くまである子熊を膝にのせて撫でたりお腹の毛を堪能して……でもクルーミングがそこまで、手入れしてないから微妙……。

こりゃ近いうち徹底的に洗わなくては、せめてもうちょいもふは欲しい……櫛持ってきてたかな。

ちなみに親熊は僕と小熊と少し離れた場所で日向ぼっこしながら毛づくろいしている、後でもふらないと。

「おいニール~」
「へーい?」
子熊の頭を撫でていると荷をおろしたぐすたふが目の前にしゃがんで不満気な顔を僕に見せる。

「熊はいいからこっちこいよ」
「ぐすたふ癒し要素無いからやだ~」
「あ”?」
「ほらこわいー」
腕を広げてるのはポイント高いけど顔をいかつくして威嚇するぐすたふはちょっとー。

「俺の何処が怖いってんだよ」
「かおと体格と雰囲気と行動」
「面と向かって言われると何気に傷つくな」
「それがぐすたふだから別に嫌いではない」
怖いし謎だし若干うざいけど、特別我慢して耐える部類の奴では無いし機嫌悪く無ければ別に良い。

本当に怖いのはもっとジャンルが違うしそれを察知した時点で行動に移してるから、それと比べたらぐすたふの怖さなんて……まあそこそこ。

「……小悪魔かよ」
「ちがう、僕夢魔」
「そういう意味じゃねえ」
「じゃあなんでい」
なんで顔覆ってるのこの人。


※※※

広場にテントを建てて焚き火を設置して熊の親子との戯れをしてたら出来た新しいおうち。

テキパキと動くぐすたふに身を任せて気がつけば一週間。


「今日は串焼きだぞニール~」
「へーい」
日に当たってうとうとしてると聞こえるぐすたふの声に返事をすると笑顔のぐすたふの片手には伸びたウサギの耳を掴んでいる、あぁ、あの子はおいしくなっちゃうのね……。


森の奥地でキャンプ、それも僕は戦力外で実質一人で自給自足の生活を楽しそうにするぐすたふほんと凄い。

菓子や干し肉は四日目でほとんど無くなってそこからはワイルドぐすたふがにこにこと片手で持てる剣で狩りを始めている。

ぐすたふが狩りに行っている間僕はというとそこらへんでごろごろしているのがほとんど。
木にのぽったり花詰んで適当に編んだり子熊の相手して一緒にそこらへん転がって抱き合って寝ているとぐすたふに引き剥がされて小熊が怒ったり。

温度の高い日は小川で水浴び洗濯、川の流れに身を任せてたら本当に流されてぐすたふに怒られたり……。

軽く言ってるけどそれ位しか挙げる事のない僕の理想に最も近い穏やかな生活を謳歌している。

”つまらなくないか”と時折ぐすたふが聞いてくるけどそんな事はない。

居心地良いけど出来る事の少ない場所と居心地は並みだけど楽しむ要素盛りだくさんの馬鹿広い場所のほうが僕にとっては良い。

まあでもぐすたふが魅力的な提案とかしてきたら後先考えず食いつくのが僕なんだけどね。

人生は長いんだからたまには刺激的なスリルを味わうのも嫌いではない、多分。

でも今はそういう危ないのはいいや、もっとぐすたふに甘えてのんびりしてたいでござる。


☆☆☆

昼寝してる小熊&ギフニール+ぐすたふ

ニ「Zzz」
小「Zzz」

ぐ「ただいまーっと……何けしからん事してんだこいつら、おらっ離れろ糞熊」
ぐすたふ抱き合うもふもふと夢魔を引き剥がす(尚小熊は軽く吹き飛ばされる)

ニ「む? んにゃ?」
小「ぐぁっ?!」
ぐ「へっ、俺のにーるを独り占めしてんじゃーよ、おらさっさと親んとこ帰れ、しっし」
小「グウウ!! ガウ!」
ぐ「睨んだってしらねーよ」
小「グゥウウウ!」
ぐ「んだよやんのかごるあ……!」
に「んにゅ……うるさいよぐすたふ、寝れない」
ぐ「…………」
小「……ガゥ」
ぐ「うるせえ、そんな目で見るな」

勝ち誇った目か、それとも哀れんだ目か、ぐすたふはやりきれない気持ちで寝ぼけるニールを引き寄せ、腕の中の暖かさに目を閉じる

ぐ「おいにーる、まだ寝てないか」
に「うむ、おきてゆ」
ぐ「撫でてくれ」
に「うい~」
小「……グルウ」

大人げないぐすたふともふもふの一幕、案外森での日常はふわふわとして心地いいとぐすたふは満更でもない。


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