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魔族と魔王と人間の価値観てきな奴
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「魔王様が復活した瞬間からよーいどんって僕らは急成長するの」
「……よーいどん?」
「要するに弱肉強食が更に弱肉強食するの」
「余計わかんなくなったな……続けろ」
「はーい」
繁殖力が高い生き物はあまり寿命は長くない。
大して子を作る力の弱い力の強い魔族や森のエルフや山とか地底のドワーフなんかは数百年単位で生きたりする。
それをふまえて、僕だ。
「僕って一応ゴブリンとかと同じ位の種族なんだよね」
前も一度似たような思考をしたと思うけど僕は喋れて考えれる非力な下級魔族。
「んん? 」
「ん?」
「ん? じゃねえよ、理解が追い付かねえよ」
「なんで~?」
「話があっちこっち飛んでんだよ……にーるは説明すんの下手だな」
「否定はできない、無念」
「変なこと言ってねえで話を続けてくれ」
眉間の皺山脈の如しのぐすたふに首を傾げてみる。
「んー? じじいの理由?」
「あ?」
「ほらいくら魔族でも700年も長く生きられないから」
「から?」
「その説明を先をざっくりとしようかなーって、……聞く?」
「教えてくれんなら聞くが……そりゃ下級がどうのってやつと繋がるのか?」
「そー」
「……マイペースな奴だな」
「お褒めいただき」
「誉めてねえよ」
ありゃ怒られた、しゃーない、真面目に喋ろう。
「えーっと、どこまで話したっけ」
「下級がどうのだろ」
頬をかいて苦笑して言ったぐすたふに僕はぽんと手を合わせる。
「そうそう、思い出した、僕の種族はね、サキュバスとかインキュバスの間から希に生まれるんだよ」
「……ニールの母ちゃん父ちゃんは色欲魔ってことでいいのか?」
「そういうこと、色欲魔の間から色欲とは程遠い種族ができるって面白いよね」
「……中々にえぐい内容だな」
精を糧にする魔族と姿形無く無味無臭の筈のものを糧とする種族なんて関わり無い筈なのに不思議だよね。
「サキュバスは色んな人とセックスしてたまーに卵を生むんだけど、その中で更にたまーに先祖返りみたいなやつで僕みたいなちょっと珍しいのが生まれるのね」
「……特別な奴か」
「そうそう、特別なの、んで本来三百年位しか生きない色欲魔に対して、僕はそれの二倍は生きる……かな?」
「へぇ……」
「系列全然違うけど人に悪夢見せるナイトメアなんかもいるけど、あっちは現実に体持たない概念みたいなもんだし、夢魔自体記録として残ってる資料がなくてね、ざんねんなことに詳しくはわかんない」
「おいおい、学者みたいな事してんな……実は叩けば頭いいだろお前」
「んなこと無い、あと叩いたら怒る」
「叩かねえよ」
なにもしないわかんないと調べた結果のわかんない、意味はまるっきり違うね、暇だったんだものしゃーなし。
「それでまぁ、色仕掛けに関する能力はまっったく持ち合わせてないけど親に教えてもらった知識だったり、夢魔の力いい感じに使える場所無いかなーって求人探して行き着いたのが」
「……駐屯地か」
「そうなの、やっと話が繋がった、満足」
「ツッコミ処は満載だが俺は満足してねえ、そのまま寝ようとすんなよ」
「流石にわかってるよ、粗方話してから寝る」
「……どっちにしろ寝るんだな」
「うん」
思い切り伸びをして、擦りきれてほとんど色褪せた記憶を辿るためにまばたきを数度繰り返し、天井を見上げる。
「魔王様がまだ復活してなくて、魔族への偏見がそこまで無かった時に、国境の関所近くの駐屯地で仕事をしてたんだけどね、いろいろ大変だったねー」
「ほおん?」
「昼は掃除だったり料理場の手伝いだったりして、夜はその"いろいろ"で眠れなくなった兵士さんを強制的に眠らせる作業をして、給料はそこそこ」
「……いろいろ、ね」
相槌を打つぐすたふの声が一段階下がった気がするけど気のせいということにして…。
「夜、眠れない兵士のいる部屋に行くとね、大体みんな呻いてるんだよ、なんて言ってるかは忘れたけど、苦しそうに」
人間はトラウマを抱えると弱くなるってのは知識としては持ってるけどこればかりは未だに理解はできない。
★★★
お久しぶりです、( ・∋・)⊇
読んで頂きありがとうございます!
突然ですが椅子に座るグスタフとニールのイラストを描いて頂けたので紹介させて頂きますー( ^ω^ )
そらの茜さんという素敵な方にすっっごいエモくて素敵な作品を描いて頂けてとっても嬉しいです( ^ω^ )
TwitterID @a0kane
「……よーいどん?」
「要するに弱肉強食が更に弱肉強食するの」
「余計わかんなくなったな……続けろ」
「はーい」
繁殖力が高い生き物はあまり寿命は長くない。
大して子を作る力の弱い力の強い魔族や森のエルフや山とか地底のドワーフなんかは数百年単位で生きたりする。
それをふまえて、僕だ。
「僕って一応ゴブリンとかと同じ位の種族なんだよね」
前も一度似たような思考をしたと思うけど僕は喋れて考えれる非力な下級魔族。
「んん? 」
「ん?」
「ん? じゃねえよ、理解が追い付かねえよ」
「なんで~?」
「話があっちこっち飛んでんだよ……にーるは説明すんの下手だな」
「否定はできない、無念」
「変なこと言ってねえで話を続けてくれ」
眉間の皺山脈の如しのぐすたふに首を傾げてみる。
「んー? じじいの理由?」
「あ?」
「ほらいくら魔族でも700年も長く生きられないから」
「から?」
「その説明を先をざっくりとしようかなーって、……聞く?」
「教えてくれんなら聞くが……そりゃ下級がどうのってやつと繋がるのか?」
「そー」
「……マイペースな奴だな」
「お褒めいただき」
「誉めてねえよ」
ありゃ怒られた、しゃーない、真面目に喋ろう。
「えーっと、どこまで話したっけ」
「下級がどうのだろ」
頬をかいて苦笑して言ったぐすたふに僕はぽんと手を合わせる。
「そうそう、思い出した、僕の種族はね、サキュバスとかインキュバスの間から希に生まれるんだよ」
「……ニールの母ちゃん父ちゃんは色欲魔ってことでいいのか?」
「そういうこと、色欲魔の間から色欲とは程遠い種族ができるって面白いよね」
「……中々にえぐい内容だな」
精を糧にする魔族と姿形無く無味無臭の筈のものを糧とする種族なんて関わり無い筈なのに不思議だよね。
「サキュバスは色んな人とセックスしてたまーに卵を生むんだけど、その中で更にたまーに先祖返りみたいなやつで僕みたいなちょっと珍しいのが生まれるのね」
「……特別な奴か」
「そうそう、特別なの、んで本来三百年位しか生きない色欲魔に対して、僕はそれの二倍は生きる……かな?」
「へぇ……」
「系列全然違うけど人に悪夢見せるナイトメアなんかもいるけど、あっちは現実に体持たない概念みたいなもんだし、夢魔自体記録として残ってる資料がなくてね、ざんねんなことに詳しくはわかんない」
「おいおい、学者みたいな事してんな……実は叩けば頭いいだろお前」
「んなこと無い、あと叩いたら怒る」
「叩かねえよ」
なにもしないわかんないと調べた結果のわかんない、意味はまるっきり違うね、暇だったんだものしゃーなし。
「それでまぁ、色仕掛けに関する能力はまっったく持ち合わせてないけど親に教えてもらった知識だったり、夢魔の力いい感じに使える場所無いかなーって求人探して行き着いたのが」
「……駐屯地か」
「そうなの、やっと話が繋がった、満足」
「ツッコミ処は満載だが俺は満足してねえ、そのまま寝ようとすんなよ」
「流石にわかってるよ、粗方話してから寝る」
「……どっちにしろ寝るんだな」
「うん」
思い切り伸びをして、擦りきれてほとんど色褪せた記憶を辿るためにまばたきを数度繰り返し、天井を見上げる。
「魔王様がまだ復活してなくて、魔族への偏見がそこまで無かった時に、国境の関所近くの駐屯地で仕事をしてたんだけどね、いろいろ大変だったねー」
「ほおん?」
「昼は掃除だったり料理場の手伝いだったりして、夜はその"いろいろ"で眠れなくなった兵士さんを強制的に眠らせる作業をして、給料はそこそこ」
「……いろいろ、ね」
相槌を打つぐすたふの声が一段階下がった気がするけど気のせいということにして…。
「夜、眠れない兵士のいる部屋に行くとね、大体みんな呻いてるんだよ、なんて言ってるかは忘れたけど、苦しそうに」
人間はトラウマを抱えると弱くなるってのは知識としては持ってるけどこればかりは未だに理解はできない。
★★★
お久しぶりです、( ・∋・)⊇
読んで頂きありがとうございます!
突然ですが椅子に座るグスタフとニールのイラストを描いて頂けたので紹介させて頂きますー( ^ω^ )
そらの茜さんという素敵な方にすっっごいエモくて素敵な作品を描いて頂けてとっても嬉しいです( ^ω^ )
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