生産チートの流され魔王ののんびり流されライフ

おげんや豆腐

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五章 そしてまったりと

心機一転ぐだぐだと

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あれから三日。




あのダンジョンでの曖昧な僕の言葉に王様とアルさんは良い顔はしていなかったけど特別追求される事は無く………。

………ちょっと違うな、アルさんが真顔で迫ってきたのを聞こうとしてたのを王様が止めてくれたんだ。


心の整理とか言い出す勇気ができるまでは言いたくないし、言った後のアルさん達の反応が怖いから、言えるくらい余裕が出来たら改めて言おう。


それにしても……ここは八月にも関わらず 結構暖かい。

「ふあ…………ふう」

「その様子だと案外大丈夫そうだな」

「ん? 何が? 」

思わずあくびを溢していると、少し離れた場所の机で書類仕事をしていた王様が苦笑混じりにソファーで寛いでいる僕に笑いかける。



僕は今、アルさんが外せない仕事……外してはいけない仕事をすっぽかしてたツケを今やっているみたいで珍しく一人で自由に動き回って良いと言われたんだけど……。



いざ動いていいよ、て言われても特に何をしたいとは思わない……アルさんはどっか行ってるしアイデンさんも色んな所行くみたいだしミネルスさんも同じ理由で、もう一人のあのエルフは論外……。

そして結論として一日中書類仕事をしているらしい王様の部屋で寛ぐ事になった。


「昨日まで気持ち沈んでいたみたいだったからな、今日は顔色がいいんじゃないか? 」

「そう何日もネガティブに考える性格……ではあるけど、もう過ぎたことだし今更悩んでも何も変わらないからねぇ、見切りつけたよ」

「見切り……かぁ」

なんとも言えないと言う顔で肘をついた王様に僕は苦笑した。


「僕は弱いから、見切りつけたり流されたりすることには慣れてるよ」

「過ぎたことを十年も二十年も根に持つ令嬢連中と比べればラグーンは弱くないと思うがなぁ……」

感心したように言ってるけど王様、そんなに僕は立派じゃあない。



「そぉ? ふと二、三年前の黒歴史を思い出して部屋の隅で落ち込む位僕のメンタル貧弱だけど? 」

例えば、運動会のリレーでゴール直前で盛大に転んだとか、授業の発表で自信満々で言ったことが間違ってたとか………思いっきりスベる、人前で転ぶ……。


あ、今思い出してもヤバイ………どっかタンスとチェストの間の隙間に入りたくなってきた………。


「ちょっと分かるな……」

「ムカついた事があると調合行程が派手な演出の薬物量産したり気分が乗るとムカついた原因の人の悪口を言いふらしたりするかね」


「後半は分からんでもないが前半全く理解できん、演出ってなんだ?」

興味津々に聞いてくれるのは構わんけど仕事する手が完全に止まってるよ?


「毒薬の中に二種類混ぜるとキラキラとした小さい結晶が出来るものがあってね、それ気に入ってるんだよね~」

「ほぅ………ん? 毒薬? 」

「因みにその結晶も猛毒で火山の火口とかによく発生する奴だね」

「完全に駄目な奴じゃないか…………」

「今作ってあげようか」

「やめてくれ」

おや、真顔で断られた、残念。


「今度アルさん達と一緒に火山行ってみたいな~」

「俺たちを殺す気かおい……」

いやいや、そんな物騒なもんじゃないよ?


「魅惑の火口ツアーだよ? 宝石金銀ザックザックだよ? 」

「魅惑じゃない、地獄への旅だっての」

なぜうんざりした顔で言うの……… 。


「え~?、まぁ確かに毒ガスとか温度が八十度とかざらだけど金の他にも天然のダイヤモンドとか純度の高い魔石とか取れるからかなーりお得だと思うよ? 」

「前半のやばさで全部アウトだっ!」

「んー僕にとっては毒は無いも同然だし熱は氷で誤魔化せば良い、……ちょっと火傷はするけど」

「おい最後、ちょっとじゃないちょっとじゃ」

「あそこで夢中になってうっかり一日ぶっ通しで発掘してたら火山の支配者の火龍に止められたね、少しは休め馬鹿者、て」

「龍に心配されるってなんだ……意味分からん」

眉を寄せながらも目はキラキラと少年みたいになっている王様……仕事の手止まって…………野暮か。


「あの火龍さん子どもが巣立った後みたいでね、僕みたいなちっちゃい子供が何故こんなところにいるんだとか正座で説教された後にお空の旅に連れてって貰ったよ」

一人でも飛べないことはないけど飛行機よりも大きな龍の背中に乗ってフライト、ロマンだよねぇ。


あの龍さんまだあの火山にいるかな~地味に会いたい。


「色々とつっこみたい事があるが説教されたのならもう行かない方が良いんじゃないのか? 」

「いやでも会ってみたいから行ってみようかなあ………」


「話を聞けよ……………」

「アルさんとか王様と行けば怒られる事は無いでしょう……多分」


「多分俺たちは行けないし仮に行くとしてもかなり先だぞ? 」

「えー」

なんでだい。


「まだラグーンの国での位置付けが不安定な上にな、まだやってもらいたい事が山とあるからな」

「えー……」

めんどくさいなぁ……こっそり一人で火山行ったら怒られる、よねうん。


「……まあいい、この話は興味深いがキリがない、一旦区切ろう、さっきアイデンから茶菓子貰っていたろ、一緒にお茶でも飲もう」

苦笑を浮かべた王様はペンを机に置くと椅子から立ち上がり、コキコキと首を鳴らしストレッチをする。


「良いけど……仕事はしなくても大丈夫なのかね ?」  

さっきから手が進んでないと指摘をすれば王様はばつが悪そうな顔で手前のソファーに腰かけた。


「誰と比べてるのか知らんがちょっと抜けた位で傾くような仕事は俺はしてないぞ? 」

ほう、流石王様だねぇ。


「なら大丈夫か」

メイドさんお茶二人分くださいな~。


「よし、休憩がてらラグーン、お前の奇想天外な冒険談をもっと聞かせてくれ」

奇想天外ってなんやねん。


「氷に閉ざされた大陸で宝石の城を作った話と冥界に別荘ある話と喧嘩売ってきた国を格上の魔王様と一緒に消し飛ばした話、つまらないと思うけど……どれにする? 」

「全部奇想天外じゃないか馬鹿野郎……! 全部話してくれっ!! 」

あっれぇ……? 普通だと思うけどぉ?



鼻息荒い王様に詰め寄られ、僕は現実逃避を図るのだった……。







あぁ、早くアルさん帰ってこないかなあ…………。












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