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五章 そしてまったりと
絶望
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希望を全く失い。望みが絶えること、望むことすら、消えること。
それが、絶望………なん、だけど
近い………。
「…………絶望?」
「………うん」
近いよ……アルさん………!
「なんでだ………? 」
「なんでって言われても………とりあえずアルさん、近い」
その疑問を答える前にアルさんの顔が鼻先一センチの距離って何事、しかもすっごい恐ろしい顔。
隣に座ってたのは許容できるとしても、流石にこれは、アウト。
「ラグーンの言う通りだぞ、離れろ」
「うるせえ」
王様が注意してくれてるけど、機嫌悪く唸ったアルさんには効いていないようで、僕ををひょいと持ち上げると自分の膝に向かい合うように座らせる。
アルさん本人は真面目なつもりだし真面目だろうけど……あの、
「なぁラグ」
「…………へい」
いつになく真剣な顔……、この状況につっこむのは駄目かな。
「ラグーンを膝に乗せてる状況について物申してもいいかアルギス」
アイデンさんやってくれるか。
「お前は黙ってろ」
負けないでアイデンさん。
「羨ましいぞおい」
「黙ってろっつったろ」
………あれぇ
「お前たちは空気を重くしたいのか軽くしたいのかどっちなんだ………」
知らない………。
「俺はいつでも真剣だぜ」
「えぇ………」
真剣………?
「なんだその疑いの目は………、いやそんなことよりラグ、お前が自分の壊した感情が絶望なのは何故だ? 教えろ」
「別に深い意味はないけどアルさんは何でそんな不機嫌なの?」
「不機嫌もなにも、自分の嫁が魔王っつうのは関係ねえからいい、些細な事だ」
「些細な事……? 」
「だが愛する嫁が魔王になる時に壊した?、感情が負の象徴の絶望………なんで絶望なんだ、許さん」
「許さんて………不死人はね、人々の苦しみと絶望の念を糧に蘇ったと言っても過言ではないのね」
「………それで? 」
ここからはゲームを始めた時、この不死人のキャラクター専用のオープニングムービーを見たときの感想だけど。
「僕が蘇った時、まず目に入ったのは今まで仲良くしていた友達が肌を紫色に変色させて絶命している姿」
元々僕、というか、僕が使用しているこのキャラは名も知られていない村の子供だった。
ほのぼのと親キャラが主人公が遊んでる所を笑顔で見送る所から物語がスタートしたからてっきりほのぼの系かなと思ったけれど。
夜になってお貴族様の屋敷に招待されるイベントが起きてから一転
始めは和やかだった筈なのに突然村人の一人が血を吐き出したのを皮切りからどんどん地獄絵図になっていった。
ねぇ、これなんのホラー映画?
運営なにしてんの? と小さく悪態をつきながら親や一緒に遊んだ友達が死んでいくのを眺め、自分も貴族が高笑いをするのを聞きながら画面がブラックアウト。
それで、話の始めに戻るけど。
「起き上がった時周りは優しかった母親が首をかきむしり口から泡を出して死んでいた、父親は身体中を赤く腫れ上がらせてまるで水死体だった、それでね………皆苦しそうだったよ」
語彙力無くてごめんね。
もっと壮絶な死に方をしていた人が
「………ラグ」
説明下手だからあんまり伝わらないかな。
「僕の住んでた村ってね、皆が皆家族みたいな感じでね、凄い幸せだったと思うよ」
ゲームだから知らんけど。
「その家族が苦しみ、悶えて死んでるなか僕も死んだ筈なのにね」
完全なる傍観体制で見てたからよくわからんけど……もし僕が実際にそんな状況にあったらさ。
「一生に一度あるかないかの大イベントにはしゃいでいたのに、これ美味しいねと料理食べて皆と笑いあっていたのに、実際は皆苦しみ、僕も苦しみ、一緒に死んだ、なのに皆が死んでいる中何故か生き返っちゃった、悲しみにくれるには子供には重すぎる、復讐をしようにもその貴族の方を見れば既に冥王の手によって始末されてやりようがない、だから仇を討とうなんてない………だからと言って同じ種族の人を恨むためには憎しみが足りない」
「ラグ」
「人はどん底に堕ちた時を絶望と言われてるけど、僕に言わせればそれが甘い、どん底に堕ちて、堕ちて堕ちて堕ちて堕ちて、これでもかってほど堕ちて、上がろうだなんて思えない、上がるためのはしごなんて無い、絶つ望みと書いて絶望なんだ、頭を抱えて悲しみ、誰にも言えず悶え苦しんで心に残して、その苦しみを晴らす方法なんて無い、誰かに話した所で薄まる事のない深淵の絶望こそ、真の絶望だと、僕は思うよ」
愛情なんて信じない、すがってるものが地獄の悪魔だって分かってるけどそれにすがるしか道がない、
暗闇の中更に闇の深い道を進んでいて、苦しみにも慣れた痛みにも慣れて来たんだ。
僕が死んだという、ごときで泣いてんじゃないよ僕。
「ラグ! 」
僕が最後まで言い終わると、アルさんがきつく、僕に覆い被さり、優しく抱き締めてくる。
「………すまん」
喉から絞り出すように苦しそうに呟くアルさんに僕は思わず口角をあげる。
なにを言ってるの。
「別に気にする事はないよ? 」
アルさんの事じゃないしひいては僕が体験した事でもないからね……。
「……聞きすぎた」
だからなんで謝る、ん?、抱き締める力がだんだん強くなってない? え、あの、アルギスサン??
えっ、ちょいとアルさん苦しい、背骨ミシミシ言ってる、折れる折れる折れる。
ぐええぇ!!
それが、絶望………なん、だけど
近い………。
「…………絶望?」
「………うん」
近いよ……アルさん………!
「なんでだ………? 」
「なんでって言われても………とりあえずアルさん、近い」
その疑問を答える前にアルさんの顔が鼻先一センチの距離って何事、しかもすっごい恐ろしい顔。
隣に座ってたのは許容できるとしても、流石にこれは、アウト。
「ラグーンの言う通りだぞ、離れろ」
「うるせえ」
王様が注意してくれてるけど、機嫌悪く唸ったアルさんには効いていないようで、僕ををひょいと持ち上げると自分の膝に向かい合うように座らせる。
アルさん本人は真面目なつもりだし真面目だろうけど……あの、
「なぁラグ」
「…………へい」
いつになく真剣な顔……、この状況につっこむのは駄目かな。
「ラグーンを膝に乗せてる状況について物申してもいいかアルギス」
アイデンさんやってくれるか。
「お前は黙ってろ」
負けないでアイデンさん。
「羨ましいぞおい」
「黙ってろっつったろ」
………あれぇ
「お前たちは空気を重くしたいのか軽くしたいのかどっちなんだ………」
知らない………。
「俺はいつでも真剣だぜ」
「えぇ………」
真剣………?
「なんだその疑いの目は………、いやそんなことよりラグ、お前が自分の壊した感情が絶望なのは何故だ? 教えろ」
「別に深い意味はないけどアルさんは何でそんな不機嫌なの?」
「不機嫌もなにも、自分の嫁が魔王っつうのは関係ねえからいい、些細な事だ」
「些細な事……? 」
「だが愛する嫁が魔王になる時に壊した?、感情が負の象徴の絶望………なんで絶望なんだ、許さん」
「許さんて………不死人はね、人々の苦しみと絶望の念を糧に蘇ったと言っても過言ではないのね」
「………それで? 」
ここからはゲームを始めた時、この不死人のキャラクター専用のオープニングムービーを見たときの感想だけど。
「僕が蘇った時、まず目に入ったのは今まで仲良くしていた友達が肌を紫色に変色させて絶命している姿」
元々僕、というか、僕が使用しているこのキャラは名も知られていない村の子供だった。
ほのぼのと親キャラが主人公が遊んでる所を笑顔で見送る所から物語がスタートしたからてっきりほのぼの系かなと思ったけれど。
夜になってお貴族様の屋敷に招待されるイベントが起きてから一転
始めは和やかだった筈なのに突然村人の一人が血を吐き出したのを皮切りからどんどん地獄絵図になっていった。
ねぇ、これなんのホラー映画?
運営なにしてんの? と小さく悪態をつきながら親や一緒に遊んだ友達が死んでいくのを眺め、自分も貴族が高笑いをするのを聞きながら画面がブラックアウト。
それで、話の始めに戻るけど。
「起き上がった時周りは優しかった母親が首をかきむしり口から泡を出して死んでいた、父親は身体中を赤く腫れ上がらせてまるで水死体だった、それでね………皆苦しそうだったよ」
語彙力無くてごめんね。
もっと壮絶な死に方をしていた人が
「………ラグ」
説明下手だからあんまり伝わらないかな。
「僕の住んでた村ってね、皆が皆家族みたいな感じでね、凄い幸せだったと思うよ」
ゲームだから知らんけど。
「その家族が苦しみ、悶えて死んでるなか僕も死んだ筈なのにね」
完全なる傍観体制で見てたからよくわからんけど……もし僕が実際にそんな状況にあったらさ。
「一生に一度あるかないかの大イベントにはしゃいでいたのに、これ美味しいねと料理食べて皆と笑いあっていたのに、実際は皆苦しみ、僕も苦しみ、一緒に死んだ、なのに皆が死んでいる中何故か生き返っちゃった、悲しみにくれるには子供には重すぎる、復讐をしようにもその貴族の方を見れば既に冥王の手によって始末されてやりようがない、だから仇を討とうなんてない………だからと言って同じ種族の人を恨むためには憎しみが足りない」
「ラグ」
「人はどん底に堕ちた時を絶望と言われてるけど、僕に言わせればそれが甘い、どん底に堕ちて、堕ちて堕ちて堕ちて堕ちて、これでもかってほど堕ちて、上がろうだなんて思えない、上がるためのはしごなんて無い、絶つ望みと書いて絶望なんだ、頭を抱えて悲しみ、誰にも言えず悶え苦しんで心に残して、その苦しみを晴らす方法なんて無い、誰かに話した所で薄まる事のない深淵の絶望こそ、真の絶望だと、僕は思うよ」
愛情なんて信じない、すがってるものが地獄の悪魔だって分かってるけどそれにすがるしか道がない、
暗闇の中更に闇の深い道を進んでいて、苦しみにも慣れた痛みにも慣れて来たんだ。
僕が死んだという、ごときで泣いてんじゃないよ僕。
「ラグ! 」
僕が最後まで言い終わると、アルさんがきつく、僕に覆い被さり、優しく抱き締めてくる。
「………すまん」
喉から絞り出すように苦しそうに呟くアルさんに僕は思わず口角をあげる。
なにを言ってるの。
「別に気にする事はないよ? 」
アルさんの事じゃないしひいては僕が体験した事でもないからね……。
「……聞きすぎた」
だからなんで謝る、ん?、抱き締める力がだんだん強くなってない? え、あの、アルギスサン??
えっ、ちょいとアルさん苦しい、背骨ミシミシ言ってる、折れる折れる折れる。
ぐええぇ!!
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