生産チートの流され魔王ののんびり流されライフ

おげんや豆腐

文字の大きさ
85 / 183
五章 そしてまったりと

しおりを挟む
命の錬成。


ホムンクルスや試験管ベイビー、そして現代ではクローン。


錬金術の目指す終着点の一つが、命を0から作ること。


そのために血液や動物の骨を使ったり、惨いことをしたという記録を何処かで見た。


フリーダムライフでは当然錬金術はあり、それが発達して回復薬や爆薬を作れたりする。


ただ、この命の錬成に関してはどういうわけか禁忌とされている。

それは天界や冥界、果ては世界の果てに輪廻の輪が実在しているから、らしい。

だから生きている者が繁殖以外で命を作ることは許されない罰、正しい理由があろうと一発で地獄の釜でグツグツ煮られてしまう、生者が行ってはいけない大罪だ。






まぁでも僕既に死んでるしそう言うの知らない、ちょっと冥王様に怒られる位だ。、


さて、改めて賢者の石は出来上がった、それでオークちゃんを生き返らせる訳だけど。



「お次の素材はオークちゃんと賢者の石だね」

「素材呼びやめろ」

ん?


「別によいでしょ」

「よくない」

口を尖らせた僕はオークちゃんの傍に膝をつき、青く輝く賢者の石をオークちゃんの腹の上に置いた。


賢者の石は奇跡の石、0から1を作ることができ、1から1000まで増やすことかできる。

賢者の石の所有者はその生産力で富を生み、国を造れ、贅沢という贅沢をその身に受ける事が可能だ。


無から命を、0から1を、それは生命に関しても例外ではない。


こちらの世界では様々な動物の要素、背中には翼、足は馬の蹄、顔はライオン、尻尾は蛇とキメラ、その第一号目はどうやらこの賢者の石で造られたらしい。


ただ、その時の石は国同士の戦争に使われた時、無理に使いすぎて壊れたと、僕の家にあった分厚い昔話集の2320ページ辺りに書かれてた。



で、その石の使用法は簡単。


石を置き、ただ願うだけ。




ゆっくりと僕は目を閉じ、手を組んだ。


「死して動く事のなくなったオークの子に、仮初めなる命を与えたまえ…………」

僕がその言葉を紡ぐと日に当たって輝いていた石がほんのりと赤く熱を帯びていく。


なんでこんな中二病臭い言い回しをするかって? それはね。


「…………なんで仮初めなんだ?」

ん?


隣から疑問の声が上がったのを、僕は目を瞑ったまま答える。


「幾ら賢者の石でも、【完成】された命は造れないんだよ」

「なんでだ? 」

なんでって、えーっとそれは多分。


「命は複雑すぎるんだよ」

虫や植物ならともかくこの子のような人の形をした命は複雑に編まれたドレスのみたいに繊細、ほんの砂粒レベルでも間違えてしまえば全く別の生き物が出来上がっちゃう。


だから、仮初めとしてこのオークちゃんに新たな命を持って生き返らせる。



ちゃんとした命は【創生の申し子】で造れないことはないけど、アリムさんみたいに自分で考え、動けるような完成度の高い命を作るには時間も材料も全然足りない。


さぁ、うだうだ考えを巡らせてないでやろう。

特に意味もないけど精神を統一して………。


「さぁ、生き返らせ「にゃァ~」「お? どうしたにゃんこ」」

……………おいこら。




人の台詞に入って来るな。


「あ? 葉っぱ追ってるのか?」

「にゃあ」

いやあんたらなに仲良くなってんの、てか。


視線をオークちゃんから隣のうるさい二匹に移すとなんか空に向かってちょいちょいとしているねこちゃんとそれを悠長に眺めているアルさん…………って。


おいこら。

「もうちょっと静かにして ?」

「おう」

「にゃあ」


「…………じゃあ改めて、生き返らせてって、あぁ、もう始まっちゃってる」

静かにさせた二人からオークちゃんに視線を戻せば僕が決め台詞を終えてないにも関わらず賢者の石から放出された淡い光がオークちゃんを覆い包んでいる所だった。


「ありゃ………」

なんてこと…………。


「………なんかまずいのか?」

なんか光ってるなと呑気に言ってるけどアルさん、地味にショック受けとるのだよ僕は。


「特に不味くはないけど気持ち的に不味いかな………」

なんか中二病的な台詞言いたかったよ


「後で慰めてやろう」

「遠慮しときます」

「何なら今抱き締めてやるぜ?」


ちょいちょいと肩を叩かれて反射的に隣をを見れば腕を広げてスタンバイしているうるさい人。

それを意識して据わらせた目を向け僕は一言。


「やだ」

「そんな事言わずにこいよ、ほれ」

くいくいって手をこっちに向けるんじゃない。


「断る」

「即答すんなって」

「やーよ」

「照れてんのか?」

ニヤリじゃないよお馬鹿。


「照れてたら耳赤くなってるでしょ?、僕の耳赤くなってるかね? 」

ほれ?、と耳をアルさんに見せるようにする動かすと、じーと、食い入るようにして見たアルさん、再度ニヤッと口をあげる。


「…………耳たぶかわいいな」

おいこら。


「見るとこちゃうでしょ」

福耳なのは確かだけど。


「口に入れてもいいか?」

「人の話聞けこら」

「見ればみるほどかわいいなぁ、ラグは」

こらこらこらこら。


「一回生まれ直したらどうかな、僕を見る目変わると思うよ?」

少なくともそんな耳噛ませろとか変態発言はしなくなると思う。


「断る」

「即答しないでよ」

そしてにこってしないで、腕広げないでおいこらカモンじゃねえ聞いてんのか。


「ほれ、俺の胸に飛び込んで来い」


「なに? 飛び蹴りしてほしいの?」

ラグーンスペシャル~!、て感じで………ネーミングセンス皆無だね僕。


「ほお?、できるのか?」

腕を広げるのをやめてニヤリと笑うアルさんは僕を面白そうにみる。。


「飛び蹴りは余裕で出来ると思うよ?、アルさんに向けて助走つければ簡単だしね、でも飛び蹴りしたあとはそのまま地面に落ちると思うけど」


テレビとか漫画だと飛び蹴りしたあと体勢上手く整えて着地するけど、僕の場合あそこまで運動神経ないから尻からおちるね。


おっとアルさん不適な笑み浮かべてら。


「それじゃ俺の腕の中に飛び込むようなものじゃないかよ」

「ならトリプル回転かましながら飛びこんであげようか」

「やれるもんならやって「ニャアー!!!」なんだよにゃんこ、うるせえな」

ぐだぐだと僕達が話していると突然葉っぱで遊んでた筈のねこちゃんから悲鳴があがり、アルさんが不機嫌になる。


アルさんが眉にシワを作りながら悲鳴が聞こえた方を見れば空を見ながら何か慌てているねこちゃん。


「ん? どしたの?」

と僕も空をよく見ると空高く舞い上がったらしい緑色の葉っぱがひらひらとじくざぐに落ちてくる所だった。


「なんだよ、高く上がり過ぎただけかよ、全く………騒ぎやがって」

「にゃあ…………」

遊びたい気持ちはわかるけど葉っぱ落ちてくるの待ってればいいんじゃない?


てかねこちゃんさっきまでこの世の終わりみたいなオーラ出してオークちゃんの所寄り添ってたでしょ、変わり身早くない?


んで、葉っぱだけど、ひらひらおちて来てる。


風に乗って、ひらひら、ひらひら。


おお、僕の所落ちてきて




その葉っぱを取ろうと手を伸ばす。


けどすんでの所でそよ風が吹いて葉っぱが飛ばされてしまう。


「あらら」

「惜しかったな」

「にゃ~」

ねこちゃんから抗議来てるね。


で、葉っぱは何処へ……。


僕とアルさん、そしてねこちゃんの視線が飛ばされた葉っぱに集中する。


風がピタリと止んだために葉っぱはゆっくりと落ちて、舞い落ちていき。



新たな命を作るため光続けている、オークちゃんの体に吸い込まれていった。




「「あ……… 」」




しおりを挟む
感想 181

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新 プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜

春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、 癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!? トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。 彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!? 
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて―― 運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない! 恋愛感情もまだわからない! 
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。 個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!? 
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする 愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ! 月、水、金、日曜日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新) 基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!

義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!

ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。 「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」 なんだか義兄の様子がおかしいのですが…? このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ! ファンタジーラブコメBLです。 平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります。   ※(2025/4/20)第一章終わりました。少しお休みして、プロットが出来上がりましたらまた再開しますね。お付き合い頂き、本当にありがとうございました! えちち話(セルフ二次創作)も反応ありがとうございます。少しお休みするのもあるので、このまま読めるようにしておきますね。   ※♡、ブクマ、エールありがとうございます!すごく嬉しいです! ※表紙作りました!絵は描いた。ロゴをスコシプラス様に作って頂きました。可愛すぎてにこにこです♡ 【登場人物】 攻→ヴィルヘルム 完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが… 受→レイナード 和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。

普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている

迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。 読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)  魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。  ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。  それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。  それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。  勘弁してほしい。  僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、 隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。 しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです… オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が なかたのでした。 本当の花嫁じゃない。 だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

異世界スローライフ希望なのに、女神の過保護が止まらない

葉泪秋
ファンタジー
HOTランキング1位感謝です!(2/3) 「小説家になろう」日間ランキング最高11位!(ハイファンタジー) ブラック企業で過労死した俺、佐久間遼。 神様に願ったのは、ただ「異世界で、畑でも耕しながらのんびり暮らしたい」ということだけ。 そうして手に入れた、辺境の村での穏やかな日々。現状に満足し、今度こそは平穏なスローライフを……と思っていたのだが、俺の妙なスキルと前世の社畜根性が、そうはさせない。 ふとした善意で枯れた井戸を直したことから、堅物の騎士団長やら、過保護な女神やらに目をつけられることになる。 早く穏やかに暮らしたい。 俺は今日も、規格外に育った野菜を手に、皆の姿を眺めている。 【毎日18:00更新】 ※表紙画像はAIを使用しています

処理中です...