生産チートの流され魔王ののんびり流されライフ

おげんや豆腐

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龍の国と死者の番

龍の祖と束ねる王と楽天家な者

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――聖国の古文書に曰く、龍の祖の一角、火山の化身と言われる龍とその番との間に生まれた偉大なる龍は、龍に連なる者全てを束ねる権能に類似する力を持つと語られている――ライブラリより抜粋――






「んん、ルドレウスさんと出会った回数は……2回くらい?  確かにドラゴンさんから兄だぞって紹介はされたし少しだけ会話もしたけど……ほとんど知人レベルで、記憶に無いから、うん、わかんない」
1回火山のドラゴンさんの紹介で会って、2回目もそこでちょっと話したくらい……。


「彼の王はとてもラグ君を求めている様子でしたが……ラグ君からするとそうでもないと?」
「んー……1回目が採掘してたらドラゴンさんに呼ばれて、そこで紹介されたのが初対面で、興味なくて採掘再開してなんやかんやマグマに落ちて」
「は?」
「はい?」
「僕一応体が無くなったら拠点で復活する仕様になってるからそこらへん大丈夫だし、アイテムも影の中に放り込んでるんで無くさないから個人的には落ちちゃった、で済ませれるんですけど、その後ドラゴンさんに遊びにおいでって言われてお土産もっていったら怒ってるルドレウスさんにしばらく捕まってたって言う……ちょっと怖い印象しかない、かなぁ?」

人が少しでもマグマや高い場所に近づこうものなら鬼のような顔で通せんぼしてくる邪魔なひとだし。

詳細は覚えてないけどなんかすっごい怒ってた記憶だけはある。

そのうえ出会ってしばらくは誰だっけと首を傾げるレベルで記憶力のない僕がいる。


「そんな親密な関係を築いてる訳でもないし仲良くなるきっかけもあんまりないから昨日突然現れたとき素で誰だこの人って……なんで来たんだろうあの人」


ルドレウスさんの父、もといドラゴンさんとはしょっちゅう採掘にいく関係で会話はしてるけどそんな……城の一部壊してまでやってこられる覚えは無いと言える、なにかやらかしたかな。


「……なあおい」
「んー?」
「その"ドラゴンさん"の前でなにか事故起こしたりマグマに落ちたりはしたか?」
「拠点までの道のりが長かったから大体マグマにダイブして帰ってた、位?」
「まてまてまて……なにやってんだお前」
「へ?」
「毎回自殺してることになるぞそれ、なにしてんだバカ」
「楽だしデメリットないからつい癖で」
「治さなきゃダメな癖だなそれ、駄目だぞ」
首を動かしてアルさんをみれば真剣な顔をしていらっしゃる。


「大丈夫だよ火山以外じゃやらないから」
「火山に行っても駄目だからな? やらせねえぞ?」
「……まぁ、うん」
「濁すな返事を」
「えー、多分やらないよ」

それやってたときは感覚的にはゲームをプレイしてる感覚だったけど今は復活するか怪しいしリアルな世界に自殺ダイブはしない方向にしよう。



「とういうかあれがあるだろ、シャドーゲート、それ使えよ」
「……あっ」
「おいこら」
そうじゃんそれ使えばいいじゃん、忘れてた。


「……何故彼の王がラグ君を血眼になって探してたか少し……分かりました」
「え」
なんか眉の皺凄いことなってるミネルスさん。


「やっぱ部屋に閉じ込めとくか」
「えぇやだぁ」
突然なに言い出すの。


「んじゃ抱っこ紐でも作って離さねえようにするか……どっちにするか」
「どっちもやだよ、なにやってんのやめい」
「ん? 噛みたくなった」
「いやー」
頭の上の不穏な声にお腹に回る手を叩いて抵抗するとその手を掴まれ上に持ってかれてこの感触は……アルさんの口、やだ噛まれてる。


「たくよぉ、もっと早く会ってれば出来ることがたんまりあったのによぉ……」
「ねぇミネルスさんこの人言ってること怖いです」
「大丈夫ですいざとなれば法で叩けますから、今書き物してるので少しお待ちを」
「叩くころ僕手遅れになってません? 既に監禁完了してない? ねえちょっと」


手元の紙に目を落としてペンを走らせてるミネルスさんに救難信号を送ってみるがまるっきり無視される、かなしい。


「不便はさせねえから安心しろ、な? 俺のテリトリーの中で好きなことを好きなままにしててくれりゃあいい、俺はそれを見ているだけで幸せだ……ちょっかいはかけるが」
「最後のやつと閉じ込める宣言さえ無ければ最高だった」
楽しそうに弾む声とは対照的に僕からはだんだんやる気が消えて脱力していく。


「これでも俺にしてはかなり我慢してるんだぜ? 本当なら今すぐにでも縛りつけて、そうだな、俺無しじゃ呼吸できねえ体にしてえ……が、ラグの心が決まるまで楽しみに堪えてる……そうだよな?」
「なんでそこでわたしに振るんですか、最悪ですよ」

うわぁ、すごい嫌そうな顔してる。


「ラグが引いてるから少しは理解のあるやつに振っといた方がいいだろ」
「勝手に理解してると思われたくないですし、彼は特別引いているわけではないと思いますが、そこのところいかがですかラグ君」
「へ? 引いてるというか反論する労力を惜しんだというか、めんどくせえって思ってるだけなんで大丈夫です」
「なら大丈夫か」
「何処が大丈夫なんですか、これラグ君のものぐさな性格に救われてますけど、もう少し神経質な方だったら逃げられてますよ」
「え? ものぐさ? え? 」
「逃げても、捕まえて逃げられねえようにすっから」
「端的に言って気持ちが悪いです」
「うるせえ」
え、さりげなくディスられた……? 

「気持ち悪いついでに暴露しますが、ラグ君」
「あ、はい」

ぐんにゃりとアルさんの腹筋に背を預けてる僕にミネルスさんはため息をついた。


「そこの気持ちの悪いゴリラ、今でもラグ君にそこそこゲスいことしてますからね」
「えっ"」
「おいやめろ」

書類を仕舞ったミネルスさんがメガネをかけ直し満面の笑みを浮かべて言った瞬間比喩ではなくてリアルに頭から冷気が漂ってくる。

「質問ですがラグ君、……外出は何度されました?」
「ん? 外出?」
「おい余計なこと言うんじゃ」
「黙ってなさい、以前ゴリラやアイデンと出掛けていたようですが、城に来てもうすぐ半年、それらを省いた、外に出た回数等覚えていれば是非」
優しい笑みで聞かれて、少し考える。

「王様と森の家に行ったけど、それ以外……城の中なら散歩とかしてるけど」
「それは省いてください」
「そうすると……記憶に残る限りはないと思う、覚えてないだけかもしれないけど」
ミネルスさんは一体何を伝えようとしてるのか、ちょっと考えないと……んん?

「ラグ君本人が嫌がってない現状のままなら介入はしませんが……そこのゴリラ、後はアイデンも少し協力しているようですので同罪とします」
「もしかして……なんかされてる?」
アルさんの機嫌が大変悪い気もするしミネルスさんはにっこりしてる、ちょっと怖いな。

「ええ、今でも結構な束縛を受けてますよラグ君、確かにゴリラの言う通り我慢はしているようですが見ていて気分が良いかと言われると、ねぇ? 」
……どゆこと?

「……良いじゃねえか、ラグが嫌がってねえんだしよ」
「少しは知る権利はあるでしょう、 貴方が危惧することは無いと断言致しますので、さぁラグ君」
「はいっ」
「そう固くせず、えぇ、なるべく分かりやすく説明致しますので、是非そこのクズの所業を聞いた感想をお教えください」


一瞬ミネルスさんの目が光ったように見えたけど……気のせいだよね? 





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