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第一章 幼少期
第三十話 家族
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「ソーマ……」
「ソーマちゃん……」
僕はビクッと体を震わせる。続くであろう拒絶の言葉を待っていると、不意に体が温かいものに包まれた。
驚いて顔を上げると、父さんと母さんが僕を抱きしめていた。
「ソーマ……よく話してくれた」
父さんはそう言って僕の頭をわしわしと撫でる。
「ソーマちゃん。辛かったわね」
母さんは僕を強く抱き締め、僕の肩に顔をうずめる。
「え……? どうして?」
全く予想していなかった反応に、思わず疑問の声をあげてしまう。
「ソーマ、たとえお前が何者だろうとお前は俺の息子なんだ。俺はお前を拒んだり、気持ち悪がったりなんてしない」
「ソーマちゃん、安心していいのよ。私たち二人は何があってもソーマちゃんの味方だから」
「でも、でもっ、僕は本当は子供じゃないんだよ? 中身はもう大人なんだよ? そんなのが息子だなんて気持ち悪いよね?」
自虐的なことを口走ってしまう僕を、二人は更に強く抱き締める。
「気持ち悪くなんてない。お前は俺達の自慢の息子だ」
「気持ち悪いだなんて言わないで。貴方は私達の愛しい子供なんだから」
目から何か熱い物が流れ出してきた。止めようと思っても止められない。
「ぐすっ、うぅぅ」
喉からも変な声が漏れだしてくる。まるで泣き声みたいな――――あぁ、そうか。僕は泣いているんだ。中身はもう二十歳を過ぎてるのにみっともなく泣いているんだ。……だけど、悪くない気分だね。今まで溜まっていた何かが流れ出していくみたいなんだ。
僕はそのまま、五歳の体が限界を迎え眠りにつくまで泣き続けた。
僕が目を覚ましたのは夜だった。綺麗な二つの三日月がぼんやりと辺りを照らす。食卓の方の明かりがついているので、父さんと母さんはまだ起きているみたいだ。
そんなことをぼんやりと考えていると、僕のお腹が空腹を訴える。そういえば一日半寝てて更にお昼も食べ逃したから、ほとんど二日間何も食べていないことになる。そりゃお腹が減って当然だよね。
何か少しでも食べ物を貰おうと明かりのついている方へ向かうと美味しそうな匂いが漂ってくる。僕は足早にその匂いのもとへと向かう。
「おっ、起きたかソーマ」
「ご飯出来てるわよ~」
父さんと母さんが笑顔で待っていた。テーブルの上には豪華な食べ物がずらりと並んでいる。
「ソーマちゃんが隠し事を話してくれたから、お母さん頑張っちゃったのよ~。あ、ちゃんと消化が良くて胃に優しい物だからソーマちゃんも食べられるからね~」
まる二日何も食べていなかった僕のことを考えてくれたのだろう。母さんの優しさが嬉しい。
「ほら、早く来いよ。温かい内に食わないともったいないだろ?」
父さんが僕を呼ぶ。僕はとたとたと走り、テーブルにつく。
「それじゃ、食べましょうね~」
「あぁ、しっかり食えよ? ソーマ」
「うん!」
そう答えた僕はこの世界に生まれてから一番良い笑顔を浮かべていたに違いない。それはきっと、父さんと母さんに隠し事をしたままだと決して出来なかったことだと思う。
「ソーマちゃん……」
僕はビクッと体を震わせる。続くであろう拒絶の言葉を待っていると、不意に体が温かいものに包まれた。
驚いて顔を上げると、父さんと母さんが僕を抱きしめていた。
「ソーマ……よく話してくれた」
父さんはそう言って僕の頭をわしわしと撫でる。
「ソーマちゃん。辛かったわね」
母さんは僕を強く抱き締め、僕の肩に顔をうずめる。
「え……? どうして?」
全く予想していなかった反応に、思わず疑問の声をあげてしまう。
「ソーマ、たとえお前が何者だろうとお前は俺の息子なんだ。俺はお前を拒んだり、気持ち悪がったりなんてしない」
「ソーマちゃん、安心していいのよ。私たち二人は何があってもソーマちゃんの味方だから」
「でも、でもっ、僕は本当は子供じゃないんだよ? 中身はもう大人なんだよ? そんなのが息子だなんて気持ち悪いよね?」
自虐的なことを口走ってしまう僕を、二人は更に強く抱き締める。
「気持ち悪くなんてない。お前は俺達の自慢の息子だ」
「気持ち悪いだなんて言わないで。貴方は私達の愛しい子供なんだから」
目から何か熱い物が流れ出してきた。止めようと思っても止められない。
「ぐすっ、うぅぅ」
喉からも変な声が漏れだしてくる。まるで泣き声みたいな――――あぁ、そうか。僕は泣いているんだ。中身はもう二十歳を過ぎてるのにみっともなく泣いているんだ。……だけど、悪くない気分だね。今まで溜まっていた何かが流れ出していくみたいなんだ。
僕はそのまま、五歳の体が限界を迎え眠りにつくまで泣き続けた。
僕が目を覚ましたのは夜だった。綺麗な二つの三日月がぼんやりと辺りを照らす。食卓の方の明かりがついているので、父さんと母さんはまだ起きているみたいだ。
そんなことをぼんやりと考えていると、僕のお腹が空腹を訴える。そういえば一日半寝てて更にお昼も食べ逃したから、ほとんど二日間何も食べていないことになる。そりゃお腹が減って当然だよね。
何か少しでも食べ物を貰おうと明かりのついている方へ向かうと美味しそうな匂いが漂ってくる。僕は足早にその匂いのもとへと向かう。
「おっ、起きたかソーマ」
「ご飯出来てるわよ~」
父さんと母さんが笑顔で待っていた。テーブルの上には豪華な食べ物がずらりと並んでいる。
「ソーマちゃんが隠し事を話してくれたから、お母さん頑張っちゃったのよ~。あ、ちゃんと消化が良くて胃に優しい物だからソーマちゃんも食べられるからね~」
まる二日何も食べていなかった僕のことを考えてくれたのだろう。母さんの優しさが嬉しい。
「ほら、早く来いよ。温かい内に食わないともったいないだろ?」
父さんが僕を呼ぶ。僕はとたとたと走り、テーブルにつく。
「それじゃ、食べましょうね~」
「あぁ、しっかり食えよ? ソーマ」
「うん!」
そう答えた僕はこの世界に生まれてから一番良い笑顔を浮かべていたに違いない。それはきっと、父さんと母さんに隠し事をしたままだと決して出来なかったことだと思う。
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