とある少女の異世界奮闘記+α

輝国 飛鷹

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ラサール魔法学校入学編

第1話《女体化は突然に》

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「おい―――――大丈夫かい!?」

「う、うぅん……………」

 誰かが俺の体を揺すってくる。だが視界はまだ真っ暗だ。意識は暗闇のはるか彼方にある。

「きみ、大丈夫かい!?」

「…………んあ?」

 目が…………覚めた。
「君、大丈夫!? ケガないか!?」
「あ、あの…………その…………大丈夫です、たぶん」
 ああ、なんだろう。なんか頭がボーッとして、記憶があやふやだ。一体何があった? 俺の体は歩道に乗り上げていた。
「あの…………俺なんでこんなところで倒れてたんですか?」
「お、………………?」
「どうしました?」
 なんだろう…………相手の男は少し物珍しそうな目付きで俺を見る。………そういえば、俺なんかような…………と、そこで突如襲う強烈な痛み。
「い、いだだだぁ!?」
「ぜ、全然大丈夫じゃないじゃないか!」
 特に腹が痛い。何かが強烈にぶつかったような感じだ。
 俺は事情を知ってそうなこの男に尋ねた。
「あ、あの…………俺、何があったんですか? 何か…………体がスゴく痛いんですけど…………」
「あ、あぁ…………君は私が運転してたトラックに引かれたんだ。道路に忽然と現れて、ホントにビックリしてね…………」
「…………トラックに引かれた…………?」
 男の背後にはトラックが身を潜めていた。たしかにボンネットがボッコリとへこんでいる。あれに俺がぶつかったわけか…………。
「あ、あの…………とりあえず病院に行きます。体は骨折とかしてないけど、もしもの時を考えて…………」
「あぁ、そうした方がいい。………きみ、病院に送るよ」
「いいんですか?」
「私が悪いからな…………何かあれば治療費も出す。だから早く行こう」
 幸い、男が礼儀正しい人であったので、ひき逃げ、として世の中から注目を浴びるようなことはなさそうで安心した。
 俺は促されるまま、トラックの座席に腰をおろした。

 ………………あれ?

 なんだ、このは?

「どうしたの?」
「い、いえ…………なんでも…………」

 トラックは動き出した。
 風が開いた窓からびゅうびゅうと中に入り込んでくる。俺の髪は……………

 ………………あれ?

 なんで俺の? 俺の髪って長くはないぞ。短い方だぞ。
 さっきだってそうだ。座った時に、感じがして……………
「それにしてもなんだか意外だよ」
「え?」
 トラックの運転手はハンドルを握りながら口を開いた。その口ぶりは珍しさに溢れて。
自分の事をって言う人、私は初めて見たよ」
「は?」
 何いってんだこの人?
「いや、別にナンパとか、そういうのじゃなくてね。ホントに見た目がなのに、一人称がとか、、珍しいなぁと思って……………」
「び、美少女…………ズボン…………?」
 この人の目はおかしいんじゃないのか? 俺は男だぞ? ズボンなんて当たり前じゃないか。
「あの…………それってどういう…………」
 そんな俺の質疑を追い越すように、
「あ、あそこの病院でいいかな? ちょうど近場にあってよかった」
 病院に着いて、俺は聞く機会を逃してしまった。
 まぁ、いい。男の発言にものすごく違和感があるが、とにかく今はこの痛い体を何とかしなければ…………。
 トラックから降りたときも、やっぱりがあった。なんだか体が軽い、フワッと浮かぶような…………

「…………トラックに引かれるとこうなるのかな」

 そのまま俺はレンガ造りの病院に入った。
 中はあの病院特有の香りと、音量押さえ目のテレビが静かに独り言を話している。
 俺は受付へと向かい、
「あの、いいですか」
「はい、どうされました?」
 トラックの運転手は言った。
「実は私が誤ってこの子を軽く引いてしまいまして…………骨折は無いようなのですが、念のため診断をお願いできますか?」
「それは…………大変でしたね。分かりました。すぐに準備します。では、ご家族のかたにご連絡いたしますので、電話番号とお名前を伺っても?」
 俺は答えた。
「あ、はい。電話番号は○○○―◇◇◇、名前は福本真地ふくもとしんじです」
「…………真地様…………で間違いありませんか?」
「…………? はい、そうですけど…………どうしましたか?」

 なんだ、なんだ…………? 受付は俺に訝しい視線を送る。真地、なんてそんなに珍しい名前だろうか?

「あの…………何かおかしかったですか?」
「い、いえいえ! ただ…………、と…………」
「………………はいぃ?」
 なんだなんだなんだ? この人たちもトラックの男と同じ事を言うのか?
「あの…………俺、なんですけど」
「……………え? 男――――」
「いやだって、どっからどうみても男で――――」
  
 ―――― ポインポイン

 ………………。
 俺は今胸に感じたことのない擬音語を悟った。重力に引っ張られるこの感覚……………
 そしてそのまま胸板に視線を下げる。

 男にはない、妙に張りつめたがそこにはあった。
 近くに鏡があった。俺は考えるまもなくそこへ駆け寄った。

「…………な、な、――――」


「なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁ!?」


 俺の姿はそこにはない。あったのは、まったく知らない美少女の姿だった。

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