とある少女の異世界奮闘記+α

輝国 飛鷹

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『学生ラグナロク教』編

第30話《授業時間は守れ》

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  あの時はまさか、最低クラスのY組に転入してくるとは思ってもみなかった。
「セリア・マルコフです。セリアと呼んでくださいまし」
  入ってきて自己紹介がこれだ。クラスの女子は彼女の不思議な魅力に取り憑かれた。

「あれからまだ数日。女子はみんなセリアに『様』『様』つけてるのですよ。滑稽こっけいにしては恐怖を覚えてきたのです」
「逆に『様』を付けないと周りから厳しい目で見られるときた。こりゃあ参っちゃうよなぁ」
「アヤノンちゃんは『様』付けないのですか?」
「バカやろう、俺が『様』と付ける相手は好きなアイドルだとすでに決定済みなんだよ」
「私も似たような感じなのです。要は拝もうっていう気がでてこないのですよね~」
「大体拝むものでもないけどな」
  セリアはさぞ嬉しかろう。自分を中心に世界が回っている、この現状が。今でもちらほらとセリアを高く評価する声が上がっているのに、気分を害するわけがない。
  アヤノンは空のガラス屋根を見上げる。
「お嬢様って、みんなあんな感じなのかな」
「まだお嬢様と決まった訳じゃ―――いや、もうほぼ確定なのですよね」
「そりゃあそうだよ。一般庶民はリムジンで学校に来たりしません」
「けどにしては学力は最低レベルなのです」
「そこがまた意外だよな。お嬢様って、何かこう、有名な女学院とか留学とか、とにかく頭が良いイメージあるものな。少し期待はずれっていうか………」
  その発言を、アヤノンは後に後悔した。女子の視線が、彼女一点に集中する。辺りは静まり返った。
  ……………。
「………ヤバくね?」
  アヤノンの顔がひきつる。
「………どうするのですアヤノンちゃん、なんか嫌な展開しか予想できないのですよ………」
  群れの中核がゆっくりとこちらへと移動してくる。セリアお嬢様とその従者である。生物集団コロニーの活動部隊は身をスゥと引いていく。
「あなたたち、今何を話していたのかしら」
  従者の1人―――扇動千波せんどうちなみが黒いオーラを発しつつ言った。
「いや、あの、保湿クリームって間違って食べちゃうことってあるよね~みたいな話を…………な?」
「そう、そうなのですよ! もうアヤノンちゃんったら、吐き気がするくらい味が期待はずれって、そんなの分かりきってるのですよ~!」
「いやまったくそうだよな! は、ははは……………」
「…………………」
「は、…………はは…………やっぱダメか?」
「さっきセリア様の悪口を叩いていましたよね?」
  やはり聞こえていた。
「別に悪口とかじゃねえよ。何て言うかな、第三者目線での評価みたいな」
「それで『期待はずれ』ですか。 あなたの目は節穴ですか?」
「えっと……………」
  マズイ。アヤノンは返す言葉が見つからない。確かにアレは悪口に入ったかもしれない。だがそこでようやく、ことの中心人物が口を開いた。
「もうよしてあげて、チナミさん」
「セリア様! ですが、この節穴野郎は…………」
「口喧嘩からは何も生まれないわ。彼女は私をけなしたいと思って言った訳じゃないのだから」
「し、しかしそれでは気持ちが収まりません! 何かこの女に天罰を…………」
(おいおいコイツ天罰とか言っちゃってるよ)
  扇動千波の崇拝心は莫大なものらしい。この謎のお嬢様のどこに心を預けているのか。
「そうね………なら、これで決着をつけましょう」
  取り出したのは、今日のドッチボールに使うボールである。
「ド、ドッチボール?」
「そうよチナミさん。今はあぐまで授業中。ここでケンカになっては先生にご迷惑よ」
  日傘を差してるお前が言うな―――とアヤノンは腹の底で呟いた。
「どうかしら福本さん。これで決着をつかれては」
「へぇ…………いいのかい」
  アヤノンは立ち上がり、不敵な笑みを浮かべる。
「俺はガチで勝ちにいくぜ。お前でも手加減なしだからな。いいな?」
「もちろんです。こう見えて私、運動はできる方なのですよ」
  今ここに、セリアとアヤノン。二人の少女の間で火花が激しく散った。


      *


「どうりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「ぶ、ふごっ!?」
  アヤノンのボールが、セリアの顔面を凄まじく強打する。転がり落ちるボールの下には、涙目の美少女が。そして前屈みにボンと倒れる。
  セリアチームの完敗であった。
「…………………」
  従者たちは唖然と口を開いたままだ。信じられんとばかりにかぶりを振る。
「勝者、アヤノンチーム!」
「よっしゃあぁぁぁぁぁぁぁ!」
「やったやった! 私たちの勝ちよ!」
「スゴいわ福本さん! あのセリアに躊躇なくボールをぶん投げるなんてっ!」
  福本アヤノン率いるセリア反対勢力は誰1人欠けることなく圧勝した。敵チームの従者たちは外野で呆然と立ち尽くす。
  セリアは倒れたままピクリとも動かない。
「そ、そんな……………そんなまさか!?」
  従者チナミが涙目で悲観する。
「ありえないわ! あのセリア様が、こうもあっさりと………しかもまったくスポーツが出来ない、底辺のド素人みたいなオチで負けるなんてっ………!」
「い、言い過ぎではないかしら、…………チナミさん………」
  地に伏したセリアが泣きそうな声で言う。
  アヤノンの勝利。セリアの敗北。
  それがドッチボールの結果としてまじまじと明らかとなった。
  そもそもお嬢様であろうセリアと、元々男であるアヤノンとでは、体格差と経験差があるのは当然であったのだ。
「勝負が着いたな、セリアさんよ」
「え、えぇ…………そうみたいね…………」
  起き上がったセリアの鼻は、赤く腫れている。
「こ、これは予想外だったわ。私があなたなんかに負けるなんて…………」
「というか、ずっと従者に守らせてもらって、自分はのんきに日傘の下でジュースなんか飲んでっから、こんな結果になるんだよ」
「そ、それは関係ないでしょ!?」
  従者チナミが反論する。
「大体あなた、セリア様の美しいお顔に何てことをするのですかっ。これでは鼻が当分腫れたままです!」
「仕方ないのですよ従者チナミ。それがドッチボールなのですから」
「マリナーラ…………あなたもあなたです。ずっとセリア様を狙って!」
「私はあなたたちがアヤノンちゃんの鎖骨辺りを狙ってくるから、その御返しをしただけなのです」
「あれは普通に怖かったぜ…………俺久しぶりに死を感じたわ」
  従者たちの、アヤノンのみを狙った全員攻撃。ボールが敵に渡る度に殺意を向けられ、鎖骨を破壊しようと豪速球を投げ込む。
  まさに地獄であった。
「けどまぁ、俺ばっかり狙うから、マリナーラや他の奴に目が行き届かなかったんだな」
「くっ…………確かに、それは言えてます…………ギィァァァ、くやしいっ!」
「へっ、言ってろ言ってろ。けどこれで、ケンカは俺の勝ちだな」
「くっ、言わせておけば……………」
「やめなさいチナミさん」
「セ、セリア様!?」
  袖で目を擦るセリアは、微かに泣いているように見えた。
「これ以上は争い事にしたくないわ。私は負けたのだから、それで良いでしょう?」
「ですけど……………」
  チナミの不服そうな顔を払いのけて、セリアはアヤノンと向き直った。
「福本さん」
「おう、どうしたよ」
「今回は私の負けです。これで引き下がることにしますけど…………次は必ず勝ちますからね」
「お、おう。そうか。こっちもあんな事言って悪かったな」
「いえいえ…………それでは」
  セリアは従者とともに校舎へと帰っていった。途中、従者チナミからものすごい憎悪の視線を向けられた時は、背筋が凍る思いをしたが。
  お嬢様御一行が去った後には、気を抜かれたような雰囲気だけが残る。
「…………あれ、ちょっと待ちなさいよ」
  それをぶち壊したのは彼女たちの体操教師。腕時計を覗くと、神妙な顔つきでポツリと一言。

「………まだ授業、終わってないんだけど」

  開始から20分しか経っていなかった。


      2


「…………それでドッチボールで圧勝したってことなんだ」
  アヤノンは帰り道、隣でクスクスと笑う少年に語りかけた。
  少年の名はイコール・ジェンダー。クラスきっての『男の娘』に分類される人物で、今日は一緒に帰っている。
  国道B-1号線に差し掛かると、夕日がちょうど挨拶をしている。アスファルトの車道に伸びる朱色の影が、今日1日の終わりを告げている。
「けど、アヤノンちゃんもその言い方は悪いよ?」
「え、マジでか」
「うん、僕だったらイヤかな。なんか嫌味を言われてる気がしちゃうんだ」
「けどさ、やっぱり不思議だなぁって思わない?」
  セリアという完璧そうなお嬢様が、よりにもよってY組というのが、アヤノンにはどうしても気がかりだったのだ。そんなに成績がいいのなら、きっとさらに上のクラスにだって…………。
「うん…………あの、これは噂なんだけどね」
「セリアに関してか?」
「そうそう…………えっとね、セリアさんは自分から望んでこのクラスに入ったっていう…………」
「自分から? 望んで? 冗談だろ」
「噂ではそうささやかれてるよ。他にも、セリアさんのお父さんは巨大企業の社長さんだとか、本当は学園にスパイとしてやって来たとか…………」
「めちゃくちゃだなぁ。でも、噂ってそんなもんだよなー」
  ただし、「父親が巨大企業の社長」というのも、あながち間違いではないかもしれない。噂といいながらも現実味を帯びている。
「でも僕は、単にY組レベルの勉強しかできなかったと思うんだよね」
「それはイヤミか?」
「ち、違うよアヤノンちゃん!?」
  夕日をバックに、その可憐な顔立ちがよりいっそう深く蠱惑こわく的にしている姿は、やはり少女にしか見えない。
「純粋な考えだよ! お嬢様だからって、誰しもが勉強できるとは限らないってことだよ」
「ああ、そういうことな。確かにそれにも一理あるな」
  だけど――――そう逆接を置いて、アヤノンはジェンダーと並列して歩く。
「基本勉強ってお金があればカバーできる面があるんだよなぁ。もちろん努力も必要だぜ? けど、一級品の勉強って、どうしてもお金がかかってしまうんだよなぁ」
  留学、習い事、名門校、私立、礼儀――――どれを取っても、やはりお金はつきまとってくる。
「そうなるとさ、セリアの親だって勉強にはお金を注ぎ込むと思うわけだよ。なら、俺たちみたいな落ちこぼれにはならないんじゃないかな」
「確かに……………」
「それに。見た感じ、結構プライド高そうじゃん。なら、余計勉強を頑張るんじゃないか、あのお嬢様は」
  気づけば道を大きく外し、国道B-3号線に二人は入っていた。ここからだと何故か、学生の他にサラリーマンや主婦の姿がちらほらと。
「あれ、ここ知らない道だな……………」
  アヤノンはまだ通ったことがない。
「ここは国道B-3号線だよ。途中のカリマ国立図書館を過ぎるとここに着くんだよ」
「てことか大幅に寄り道しちまったな…………そういえば、なんでこの辺りこんなに人がいるんだ?」
「『エアーテイル』だよ」
  聞き慣れぬ専門用語に、アヤノンは首を傾げる。
「エアーテイルっていうのは、空を自由飛行する道具だよ。ほら、あそこ…………」
  指差した先には、デカデカと『エアーテイル着陸場』と、はっきり。そこでは足に装置を付けた人々が自然の空から降り立ってくる。
「うおっ、すげー!」
「ここはそのエアーテイルの着陸場が集まってるんだよ。住宅地が近いからね」
「ジェンダーくんも、もしかしてそこに?」
「うん、僕はこっちなんだ」
  B-3号線の先には広がった近代的住宅地が。
「アヤノンちゃんはどっちだっけ。僕と同じ?」
「いや、俺はB-1号線なんだ。つまりは逆戻りだな」
  道端で別れる前の友人のように、二人はその場で楽しそうに会話を続けた。マリナーラがこの場にいたら、グーパンチで空の彼方に飛ばされたかもしれない。そう考えたら、今頃くしゃみをしている彼女の姿が、アヤノンの目に浮かんだ。
  しかしその一方で――――

「おい、がいつもみたく来たぞ!」
  学生の1人が畏怖した様子で口に出した。それを聞いた周囲の人々、兼ジェンダーは顔を固くした。アヤノンも異変に気づき、何か物音がする方へと視線を移す。
  するとどうだろう―――住宅地の奥から、巨大な旗を持ちあげ掲げた集団が一斉に行進してきたのである。
  


  
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