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魔王さま降臨編
魔王さま、諭す?
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グザファン先生のルーキフェル探索レーダーのお陰で、第二図書室にいる二人を発見した時、ルーキフェルはぷにっ子の状態でテーブルに仰向けとなって縛り付けられていた。
「ルーキフェル!」
私と先生が叫んだのは、ほぼ同時だっただろう。けれどルーキフェルは応えない。
眠っていたりする訳じゃなかった。目は開いているけど、天井を見つめたままでいるのだ。
「おや、困ったことだね。どうしても忠臣殿が来てしまう。おっと、今回は盟約者殿までも。これはまた想定外だね」
沙藤さんがカウンターの奥から姿を見せる。
何故か、さっきは着ていなかった黒い布を頭から被る形で纏っていた。
「一体、どういうことです?」
ルーキフェルの元に駆け寄り、身体中に手を翳して何かを確認していたらしいグザファン先生が、ルーキフェルの手足から布の縛めを解きながら尋ねる。
こちらに目配せされて、意識のはっきりとしない様子のルーキフェルを預り、そっと抱き寄せると、小さな手が私の腕を掴んだ。
「ルーキフェル?」
「…………」
顔を覗き込むと、焦点の合っていない目が彷徨う。
屈んで目線を合わせると、やがて瞬きを繰り返した後に私を真っ直ぐに見つめた。
「……名を。我の、名を……」
「――ルーキフェル」
掠れた声で縋るように言われ、胸を詰まらせながら名前を呼ぶ。
「結菜……」
「ルーキフェル。大丈夫? 何処か、苦しい?」
訊くと、頭を振ってぎゅっと私の首に腕を回して抱きついて来る。
愛おしいような気持ちでいっぱいになると、ルーキフェルが深い吐息をついた。
「結菜。我は、少し自分を過信していたようだ」
身を離しながら言うルーキフェルの声が頬を撫でていく。
再び見詰められ、絡んだ視線が徐々に縮まっていく気配に、私は反射的に目を閉じる。
唇に熱を感じたけれど、触れられることはなく、遠ざかる温もりを追うように目を開けると、ルーキフェルが少年の姿に変化するところだった。
「うむ。やはり我と結菜とは既に切り離せぬものとなっていたようだな。喜べ。我は貴様を一生離さぬ。この先どの様な姿になろうともな」
「……えっ?」
ぷにっ子の時にテーブルの上に立っていたから、そのままだと行儀が悪いからか、空中に腰掛けるように浮いている。
そして、片側の唇の端を軽く上げて悪戯っぽく笑うルーキフェルに、私の思考は忙しなく空回りを始めた。
だって、まるで告白されたみたいで。
告白というより求婚のようで。
更に言うと、来世とかレベルまで傍に置いてくれるかのような。……さすがにそれはないよね?
そっか。恋愛と結び付けちゃうから駄目なんだ。ずっと回復役みたいな感じに違いない。
だって――愛情は僅かな年月で消えてしまうものだもの。
「ああっ、どうして戻っちゃうんだ! せっかく魔力を浪費させて弱らせたというのに、台無しだぞ」
沙藤さんが地団駄を踏んで言うと、グザファン先生が沙藤さんから布を引き剥がし、片手で頭をガシリと掴んで押さえつける。
「弱らせて、何をしようと?」
「あうっ……き、決まっているじゃないか。僕が魔王になる為には、僕の心臓と魔王殿の心臓を交換するしかないというのだ。だから僕は――ギャンッ!」
とんでもない発言に、先生が沙藤さんの頭に拳骨を落とした。
「そのやり方は、これに書かれていたのですか?」
蔑むように、頭を擦りながら涙目になって自分を見上げる沙藤さんを冷たく見下ろし、グザファン先生が白衣のポケットからグリモワールを取り出す。
「それは僕の!」
「あなたの? では、タイトルは何です?」
「タイトル、は……『これで今日から君も魔王だ!』だっ」
……何だろう、その恥ずかしいタイトル。言わされた沙藤さんも恥ずかしそうだ。
「どうやらあなたも魔導書を上手く使いこなせていなかったようですね。どちらで手に入れられたのですか?」
「古書店で五十円で売っていたのだよ。その本は僕に出会うべくして現れたのさ」
五十円。その値段のつけ方も気になるけど、こうなると仕入れた人や売った人、書店の棚に並んでいるのを見掛けた人たちの目に、どんなタイトルが映っていたかが気になる。
「あなたの命の値段は五十円ですか。随分と安いですねえ」
「何だと?」
「先程、あなたの心臓とルーキフェルの心臓を交換する、と言いましたが、確実にあなたは死にますよ?」
「――!」
「わたしたちは心臓を取り出されても、暫く生きていられますけれど、人はそうではありませんからね。あなた自身でどのようにして心臓を抜くつもりだったのです? 出血多量で死ぬかショック死するか……どちらにせよ、相当な精神力をお持ちでなければ出来ないことかと」
「…………」
ちょっと想像してしまって、少しばかり気分が悪くなる。沙藤さんは自分がやろうとしていたことだから、多分私より明確に思い浮かべることが出来てしまったのだろう。可哀想なくらいに怯えた表情になり、腰を抜かしてしまう。
「グザファン、そのくらいにしておけ。結菜まで怯えてしまう。魔導書がどういったものか、我が突き止められなかったのもいけなかったのだからな」
「ルーキフェル。あなたは被害に遭われた身ですよ? 庇う必要はありません」
「だが、そんなものが下界にあること自体がこちらの落ち度だ。悪魔が好む遊戯の一つだからな。魔導書や遺物を通して人に魔力を与え、身を滅ぼす様を眺めるという悪趣味なものが」
「天使が人に与える奇跡の力も、身を滅ぼす結果になることもあります。悪魔の遊戯だけが人にとっての害悪ではありませんよ」
「……貴様は屁理屈ばかり述べるのぅ」
「性分ですので」
にこり、と爽やかに笑う先生に、ルーキフェルは上唇を尖らせてもごもごさせた。
何か言い返したいけど上手い言葉が出てこないのだろう。
「僕には、魔力があるんだ。僕は、特別なんだ。――だから、こんな変な名前つけられたのに!」
…………ん?
沙藤さんの叫びに、何かおかしなものが混じっていたような気がして、思わずルーキフェルとグザファン先生とを見る。二人とも意表を突かれた表情だった。聞き間違えたわけではないようだ。
「沙藤檸檬なんて、レモンの砂糖漬けみたいな名前つけられたら、子供が将来どう思うのか考えなかったのかよ。小学校の時、先生から『自分の名前なんだからちゃんと漢字で書けるようにしましょう』なんて言われて、習字の時にも書かされて。檸檬なんて大人だって書けないじゃん。筆で書いたら字が潰れるじゃん。画数多すぎてすぐに書けないし、たまに本気で書き間違えるし、平仮名だと間抜けだしカタカナだと商品名みたいだし、本名なのに名乗るとふざけてると思われるし……!!」
それから暫く、沙藤さんの名前にまつわる嫌な思い出が語られた。
自分のことまで嫌いになって、違う自分が欲しくて中二病みたいになったところでの魔王さまの登場に、暗黒の力を有する魔神の化身であるという設定の彼女が、世界から肯定されたのだと解釈したらしい。
その上での魔導書との出会いに、魔力らしきものの芽生えが沙藤さんを暴走させてしまったのだ。
「我が魔導書の存在に気付いた時から、それを手にすることしか頭になくなっておった。貴様の意思によって我の力を吸収し、貴様は魔導書の意思に従って我を殺めようとしていたのだな。その機会の悉くをグザファンが潰してくれた訳だが……貴様自身、本当のところは分かっていたのではないか? 自分がしていることの愚かさを」
「……」
「だから、結菜に止めて貰いたくて、魔導書を手放した」
「――っ……もう、自分でも何がしたいのか分からなくて……二重人格者にでもなったみたいで、怖かったんだ……」
私は、気が付くと沙藤さんの傍に座り、泣いている彼女を抱き締めていた。
ルーキフェルに酷いことをしようとしていたのは、いけないことだけど、私が責めることじゃない。
ただ、もしも私があの魔導書を手にしていたら。それを考えると、他人事ではないように感じられた。
もし、魔導書が私の意思に応えてくれたとしたら、私はきっとあの二人を不幸にしてしまったかもしれない、と――。
「ルーキフェル!」
私と先生が叫んだのは、ほぼ同時だっただろう。けれどルーキフェルは応えない。
眠っていたりする訳じゃなかった。目は開いているけど、天井を見つめたままでいるのだ。
「おや、困ったことだね。どうしても忠臣殿が来てしまう。おっと、今回は盟約者殿までも。これはまた想定外だね」
沙藤さんがカウンターの奥から姿を見せる。
何故か、さっきは着ていなかった黒い布を頭から被る形で纏っていた。
「一体、どういうことです?」
ルーキフェルの元に駆け寄り、身体中に手を翳して何かを確認していたらしいグザファン先生が、ルーキフェルの手足から布の縛めを解きながら尋ねる。
こちらに目配せされて、意識のはっきりとしない様子のルーキフェルを預り、そっと抱き寄せると、小さな手が私の腕を掴んだ。
「ルーキフェル?」
「…………」
顔を覗き込むと、焦点の合っていない目が彷徨う。
屈んで目線を合わせると、やがて瞬きを繰り返した後に私を真っ直ぐに見つめた。
「……名を。我の、名を……」
「――ルーキフェル」
掠れた声で縋るように言われ、胸を詰まらせながら名前を呼ぶ。
「結菜……」
「ルーキフェル。大丈夫? 何処か、苦しい?」
訊くと、頭を振ってぎゅっと私の首に腕を回して抱きついて来る。
愛おしいような気持ちでいっぱいになると、ルーキフェルが深い吐息をついた。
「結菜。我は、少し自分を過信していたようだ」
身を離しながら言うルーキフェルの声が頬を撫でていく。
再び見詰められ、絡んだ視線が徐々に縮まっていく気配に、私は反射的に目を閉じる。
唇に熱を感じたけれど、触れられることはなく、遠ざかる温もりを追うように目を開けると、ルーキフェルが少年の姿に変化するところだった。
「うむ。やはり我と結菜とは既に切り離せぬものとなっていたようだな。喜べ。我は貴様を一生離さぬ。この先どの様な姿になろうともな」
「……えっ?」
ぷにっ子の時にテーブルの上に立っていたから、そのままだと行儀が悪いからか、空中に腰掛けるように浮いている。
そして、片側の唇の端を軽く上げて悪戯っぽく笑うルーキフェルに、私の思考は忙しなく空回りを始めた。
だって、まるで告白されたみたいで。
告白というより求婚のようで。
更に言うと、来世とかレベルまで傍に置いてくれるかのような。……さすがにそれはないよね?
そっか。恋愛と結び付けちゃうから駄目なんだ。ずっと回復役みたいな感じに違いない。
だって――愛情は僅かな年月で消えてしまうものだもの。
「ああっ、どうして戻っちゃうんだ! せっかく魔力を浪費させて弱らせたというのに、台無しだぞ」
沙藤さんが地団駄を踏んで言うと、グザファン先生が沙藤さんから布を引き剥がし、片手で頭をガシリと掴んで押さえつける。
「弱らせて、何をしようと?」
「あうっ……き、決まっているじゃないか。僕が魔王になる為には、僕の心臓と魔王殿の心臓を交換するしかないというのだ。だから僕は――ギャンッ!」
とんでもない発言に、先生が沙藤さんの頭に拳骨を落とした。
「そのやり方は、これに書かれていたのですか?」
蔑むように、頭を擦りながら涙目になって自分を見上げる沙藤さんを冷たく見下ろし、グザファン先生が白衣のポケットからグリモワールを取り出す。
「それは僕の!」
「あなたの? では、タイトルは何です?」
「タイトル、は……『これで今日から君も魔王だ!』だっ」
……何だろう、その恥ずかしいタイトル。言わされた沙藤さんも恥ずかしそうだ。
「どうやらあなたも魔導書を上手く使いこなせていなかったようですね。どちらで手に入れられたのですか?」
「古書店で五十円で売っていたのだよ。その本は僕に出会うべくして現れたのさ」
五十円。その値段のつけ方も気になるけど、こうなると仕入れた人や売った人、書店の棚に並んでいるのを見掛けた人たちの目に、どんなタイトルが映っていたかが気になる。
「あなたの命の値段は五十円ですか。随分と安いですねえ」
「何だと?」
「先程、あなたの心臓とルーキフェルの心臓を交換する、と言いましたが、確実にあなたは死にますよ?」
「――!」
「わたしたちは心臓を取り出されても、暫く生きていられますけれど、人はそうではありませんからね。あなた自身でどのようにして心臓を抜くつもりだったのです? 出血多量で死ぬかショック死するか……どちらにせよ、相当な精神力をお持ちでなければ出来ないことかと」
「…………」
ちょっと想像してしまって、少しばかり気分が悪くなる。沙藤さんは自分がやろうとしていたことだから、多分私より明確に思い浮かべることが出来てしまったのだろう。可哀想なくらいに怯えた表情になり、腰を抜かしてしまう。
「グザファン、そのくらいにしておけ。結菜まで怯えてしまう。魔導書がどういったものか、我が突き止められなかったのもいけなかったのだからな」
「ルーキフェル。あなたは被害に遭われた身ですよ? 庇う必要はありません」
「だが、そんなものが下界にあること自体がこちらの落ち度だ。悪魔が好む遊戯の一つだからな。魔導書や遺物を通して人に魔力を与え、身を滅ぼす様を眺めるという悪趣味なものが」
「天使が人に与える奇跡の力も、身を滅ぼす結果になることもあります。悪魔の遊戯だけが人にとっての害悪ではありませんよ」
「……貴様は屁理屈ばかり述べるのぅ」
「性分ですので」
にこり、と爽やかに笑う先生に、ルーキフェルは上唇を尖らせてもごもごさせた。
何か言い返したいけど上手い言葉が出てこないのだろう。
「僕には、魔力があるんだ。僕は、特別なんだ。――だから、こんな変な名前つけられたのに!」
…………ん?
沙藤さんの叫びに、何かおかしなものが混じっていたような気がして、思わずルーキフェルとグザファン先生とを見る。二人とも意表を突かれた表情だった。聞き間違えたわけではないようだ。
「沙藤檸檬なんて、レモンの砂糖漬けみたいな名前つけられたら、子供が将来どう思うのか考えなかったのかよ。小学校の時、先生から『自分の名前なんだからちゃんと漢字で書けるようにしましょう』なんて言われて、習字の時にも書かされて。檸檬なんて大人だって書けないじゃん。筆で書いたら字が潰れるじゃん。画数多すぎてすぐに書けないし、たまに本気で書き間違えるし、平仮名だと間抜けだしカタカナだと商品名みたいだし、本名なのに名乗るとふざけてると思われるし……!!」
それから暫く、沙藤さんの名前にまつわる嫌な思い出が語られた。
自分のことまで嫌いになって、違う自分が欲しくて中二病みたいになったところでの魔王さまの登場に、暗黒の力を有する魔神の化身であるという設定の彼女が、世界から肯定されたのだと解釈したらしい。
その上での魔導書との出会いに、魔力らしきものの芽生えが沙藤さんを暴走させてしまったのだ。
「我が魔導書の存在に気付いた時から、それを手にすることしか頭になくなっておった。貴様の意思によって我の力を吸収し、貴様は魔導書の意思に従って我を殺めようとしていたのだな。その機会の悉くをグザファンが潰してくれた訳だが……貴様自身、本当のところは分かっていたのではないか? 自分がしていることの愚かさを」
「……」
「だから、結菜に止めて貰いたくて、魔導書を手放した」
「――っ……もう、自分でも何がしたいのか分からなくて……二重人格者にでもなったみたいで、怖かったんだ……」
私は、気が付くと沙藤さんの傍に座り、泣いている彼女を抱き締めていた。
ルーキフェルに酷いことをしようとしていたのは、いけないことだけど、私が責めることじゃない。
ただ、もしも私があの魔導書を手にしていたら。それを考えると、他人事ではないように感じられた。
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