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番外編の番外編(R-18あり)
1 親バカになっただけ
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レオとクリスの間に息子が生まれてしばらく年月が経った話。リクエストありがとうございました。しばらく続きます。
ーーーーーーーー
「ユン」
「え、!?え!父上!!」
ポチから剣術を教わっている最中の息子に、サプライズのつもりで気配を消して後ろから現れると、最初は驚いた顔をしたものの、みるみる嬉しそうな笑顔に変わっていき抱きついてきた。
「父上!父上!!お仕事はどうされたのですか?」
「サボられたのです?」
「失礼だな。少し休憩を頂戴してきただけだよ。」
ユンはクリスのように魔法の才能はないらしが、僕のように剣術が苦手というわけでもない。剣を持つことがどうやらかっこよくて好きな上、普通に才能がある。
そこで騎士団から先生役を1人摘出するまでもなく、ポチという物理最強がいるものだから定期的に教えさせているというわけだ。
「王様、良ければ見学していってください。ユンには素晴らしい素質が……」
「…ポチ?僕はなんて呼んで欲しいって言ったっけ?」
「…うっ、…………不敬になりますので。」
「目を合わせて。ほら、」
目を逸らしている彼の頭を優しく掴みこちらと目を合わせさせる。
小さい頃から「殿下」とポチから呼ばれていたので、第二の妻の立場となってもそれが揺るぎないのは慣れだろうと許容していたが、新たな立場になってからの「王様」は他人行儀みたいで嫌だった。
「っ………っ!れ、レオ……さま、」
「ん、よく出来ました。」
「おお!流石父上、ママの顔が赤いです!」
「ッッーーー!!ユン、見てはいけません!」
参考になりますと、頷くユンは僕を真似ようとする節がある。武力は参考にならないのでアレだが、仕草や見た目まで意識しているらしい。可愛らしいからそれはとても嬉しいことだ。
「レオ、ユンまでたらしになってしまったらどうするのですか?」
「クリス!」「お母様!」
まさかクリスまで来るとは思っていなかった………待て、僕がたらし?誰よその男!!!
「私まで来てはいけませんか?」
「そうじゃないけど純粋にびっくりしただけ。」
「3人が集まってるときいて来ちゃいました。」
確かに周囲を見渡すと僕が来た時より警備が明らかに増えて厳重になっている。そりゃ耳にもするだろう。
「クリス様………すみません、見苦しいとこをお見せしました。」
「ふふ、いいえとても可愛らしかったですよ?」
クっと顎クイをして2人は見つめ合うものだから、僕は空気だ。ユンなんか目をキラキラさせてその光景を見守っている。………あの、僕を置いてイチャイチャしないで貰っていいですかね。
「こほん。じゃあユンの腕前を見せてもらおうかな。」
「私も同行します。」
「!……ぼく、緊張してきた。」
「いつも通りで大丈夫ですよ。」
授業参観みたいでいいなとニコニコしながら離れた観覧席に座る。何度かユンがこちらを見て手を振るものだから本当にかわいい。
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「ユン」
「え、!?え!父上!!」
ポチから剣術を教わっている最中の息子に、サプライズのつもりで気配を消して後ろから現れると、最初は驚いた顔をしたものの、みるみる嬉しそうな笑顔に変わっていき抱きついてきた。
「父上!父上!!お仕事はどうされたのですか?」
「サボられたのです?」
「失礼だな。少し休憩を頂戴してきただけだよ。」
ユンはクリスのように魔法の才能はないらしが、僕のように剣術が苦手というわけでもない。剣を持つことがどうやらかっこよくて好きな上、普通に才能がある。
そこで騎士団から先生役を1人摘出するまでもなく、ポチという物理最強がいるものだから定期的に教えさせているというわけだ。
「王様、良ければ見学していってください。ユンには素晴らしい素質が……」
「…ポチ?僕はなんて呼んで欲しいって言ったっけ?」
「…うっ、…………不敬になりますので。」
「目を合わせて。ほら、」
目を逸らしている彼の頭を優しく掴みこちらと目を合わせさせる。
小さい頃から「殿下」とポチから呼ばれていたので、第二の妻の立場となってもそれが揺るぎないのは慣れだろうと許容していたが、新たな立場になってからの「王様」は他人行儀みたいで嫌だった。
「っ………っ!れ、レオ……さま、」
「ん、よく出来ました。」
「おお!流石父上、ママの顔が赤いです!」
「ッッーーー!!ユン、見てはいけません!」
参考になりますと、頷くユンは僕を真似ようとする節がある。武力は参考にならないのでアレだが、仕草や見た目まで意識しているらしい。可愛らしいからそれはとても嬉しいことだ。
「レオ、ユンまでたらしになってしまったらどうするのですか?」
「クリス!」「お母様!」
まさかクリスまで来るとは思っていなかった………待て、僕がたらし?誰よその男!!!
「私まで来てはいけませんか?」
「そうじゃないけど純粋にびっくりしただけ。」
「3人が集まってるときいて来ちゃいました。」
確かに周囲を見渡すと僕が来た時より警備が明らかに増えて厳重になっている。そりゃ耳にもするだろう。
「クリス様………すみません、見苦しいとこをお見せしました。」
「ふふ、いいえとても可愛らしかったですよ?」
クっと顎クイをして2人は見つめ合うものだから、僕は空気だ。ユンなんか目をキラキラさせてその光景を見守っている。………あの、僕を置いてイチャイチャしないで貰っていいですかね。
「こほん。じゃあユンの腕前を見せてもらおうかな。」
「私も同行します。」
「!……ぼく、緊張してきた。」
「いつも通りで大丈夫ですよ。」
授業参観みたいでいいなとニコニコしながら離れた観覧席に座る。何度かユンがこちらを見て手を振るものだから本当にかわいい。
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レオ×ポチ好きなので番外編嬉しいです。
ありがとうございます(๑>◡<๑)
こちらこそ見ていただきありがとうございます✨