ぱられるの部屋

黒はんぺん

文字の大きさ
5 / 12

りょう⑤

しおりを挟む
 ねーちゃんはみんなに訴える。
「この子は、アンモナイトやクジラとかとは違うんだよ!  りょうやあの子たちの友だちなんだ。もう殴らないで」
 ずみちゃんに抱かれていても、まだまだねーちゃん、終わってないのだ。
 パキケも咬むのをやめ、おずおずと下がっていく。棒やライフル振りまわしていたひとたちもとまどったように、得物を下ろし……お互い見交わしたりしている。さすがにねーちゃん・ずみちゃんに襲いかかるほど見境を失ってはいない。
 どういうことなんだ?  みんな疑問と不審感だらけになってるだろうね。
 オレは……オレにはわかっちゃって、力が抜けてきた。みなさんお休みなさい、しそうになった。

 しじみと真智がかたわらにきている。ずみちゃんみたいにオレを抱きしめ泣いたりはしてないけどな。オレもそれはしてもらいたくない。
 オレたちはこのパス子と遊ぶ映像を撮ってねーちゃんに見せたのだった。ほら、このタコのお化け、恐れることなんてないんだよって。怖くないよ、友だちだよ……。
 ねーちゃんはパス子が船の「敵」なんて知らないんだ。オレたちの友だちを助けるために、身体を張ったのだ。そういうことなんだ。そして、ねーちゃんが身体張ってる以上、加勢しないわけにはいかないだろ。
 ガソリン姉妹だって。危険物、取り扱い注意。
 ああ……。
「おい、パス子……」
 オレは呼びかける。
「重い。降りてくれないか」
 オレたち重いってさ。パス子は虎の毛皮の敷物みたいに広がって、オレとねーちゃんとずみちゃんが乗ってるのだ。特にねーちゃん重かろう。
 取り敢えず三人、どいてあげる。
 ところが銀ちゃんが真上から降りてきた。パス子にあぐらをかく。
「ムダな抵抗はよせ。お前は今、完全につぶれている」
「やれやれ」とパス子。
 銀ちゃんはオレたちの顔を見上げる。何も言わなくても彼女の胸の内の「セリフ」はわかるぞ。

 結局どういうことなの?  誰か説明して。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

身体交換

廣瀬純七
SF
大富豪の老人の男性と若い女性が身体を交換する話

与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし

かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし 長屋シリーズ一作目。 第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。 十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。 頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。 一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。

処理中です...