私のスキルが、クエストってどういうこと?

地蔵

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第351話

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「信用できる者のみで固めるということであれば、金狼にも協力してもらったほうがいいんじゃないの」
「私もエミリネットの意見に賛成ね。コウガとナナオは町でなく城内……国王様の護衛にまわってもらったほうがいいですね。それと可能であれば、冒険者ギルド……ギルド本部からオルビスに来てもらったらどうかしら?」

 エミリネットとユーリが、リアムに私見を述べる。

「そうだな。オルビスは冒険者ギルドへの協力要請として、早急に城に来るよう伝えておく」

 過剰だと思うくらいが丁度よいと思いながらも、不安が拭い去れることはできない。

「……コウガに話しておいてくれるか?」

 エミリネットとユーリの顔を見る。

「いやよ」
「私も御免です」
「それは正式に金狼に言うべきだね。確か……騎士団のところへ最終の打ち合わせに来るはずだから、私から伝えておこう」
「頼む」

 二人は即答すると、苦笑いしたクリスパーがフォローをしていた。
 結局、このあとにクリスパーと金狼との話し合いで、金狼の最高戦力であるリーダー三人が城内の警護に回ることで決定した。
 国王が狙われていることは、コウガ達には伝えたうえでの協力要請になるため、優先度が上がったことはコウガ達も理解する。
 当然、本来の王都内の警護を指揮する人物が必要になるが、人材豊富な金狼であれば問題ない。
 それに一線を退いたとはいえ、S級冒険者のオルビスがいれば、王都にいる冒険者の最高実力者を揃えたと言っても過言ではないだろう。

「あ~、兄貴がいればな」

 椅子にもたれ掛かり、天井を見上げてリアムは愚痴をこぼす。

「まだ、体調を崩しているので無理はできないでしょうに。とりあえずは建国祭で王子三人が揃って国民に挨拶ができるよう祈るだけです」
「……だな」

 聞いていいのか分からずに、会話をしていたリアムとユーリの顔をリゼは見ていた。
 すると、そのことに気づいたユーリがリアムに耳打ちをする。

「状況が状況なだけに仕方ないだろう」
「そうですね」

 極秘だということでリアムが兄……第二王子であるシアトム王子について教えてくれた。
 建国祭前、アルカントラ法国へ外交に出かけていた。
 目的はアルカントラ法国との交渉だった。
 アルカントラ法国側から教会の増設及び支援という名目だが、本当の目的は長年要求し続けている“ユキノ教”をエルガレム王国の国教とすることだった。
 宗教国家ではないエルガレム王国にとって、国教などは必要なく女神ユキノだろうが、女神リリアだろうが好きに信仰すればいい。
 強制するものではないというのが一貫しての考えだった。
 近年はリリア聖国が活発に活動していることもあり、アルカントラ法国としては是が非でもエルガレム王国の国教を取り付けたい思いが強い。
 第二王子であれば、押し切ればなんとかなると思っていたアルカントラ法国だったが、見立てが甘く状況が変わることはなかった。
 もともと体が強くはなかったため外交に同行することが少なかったシアトムだったが、建国祭の準備などもあり国王と第一王子マルコムで国外に出られないため、第二王子のシアトムに白羽の矢が立った。
 日程的にも厳しくないようにと配慮されての外交だったが、不運なことに帰国する際は天候に恵まれず、王都到着がかなり遅れた。
 大雨のなか、犯罪集団から襲撃にも遭う。
 王家の紋章が入った馬車での移動だったので、王家を襲ったというだけで失敗しても拍が付くと考える輩が、近年多くなっている。
 今回の件で、外交の際は護衛を増やすことを国王は決定していた。
 気候の変化もあり、シアトムは体調を崩していたので自室で療養となった。
 外傷はないと聞いているが、床に伏せたままのシアトムをリアムたちも心配していた。

「俺たちは行くから、お前たちはリゼの話し相手にでもしていてくれ」

 リアムとビスマルクは、引き続き建国祭準備を見て回ると部屋を出て行った。
 忙しいところに、さらなる問題が発生したので大変なのだろうが、リゼを一人にしておくことも出来ず、女同士ということでエミリネットとユーリが昼までの間、リゼの相手をすることになった。

「ひとつお聞きしていいですか?」
「はい」
「スキルが“クエスト”とおっしゃいましたが、失敗したらなにか罰則などのようなものがあるのですか? 答えにくかったら、答えなくても結構です。私が個人的に気になっているだけですから。」

 ユーリの質問にリゼは答える。
 能力値が下がったり、身体の成長が止まったことや、恋愛感情が無くなったことを話すと、ユーリは申し訳なさそうな表情だった。
 自分が思っていたよりも重い罰則だったことを知ったからだ。

「恋愛感情が無くなったって……恋愛だけが人生じゃないからね」
「そうよ。気を落とさないでね」

 悲しい目をしたエミリネットがリゼを慰めると、ユーリも同調する。
 恋愛というのは、それほど大事なものなのか? と、疑問に感じていると、これ以上の会話はリゼに申し訳ないと思ったのか、話題を変えたユーリの話をしばらく聞いていた。

「インペリアルガードなのですが、どういったものなのでしょうか?」

 話が一区切りしたところで質問をする。
 リアムたちがインペリアルガードということは分かったが、それ以上の説明がなかった。
 今までの行動から、冒険者で例えるとパーティーのようなものなのか? それとも騎士団のようなものなのかと気になっていた。

「分かりやすく言うと、リアムの独立部隊って感じね」
「今と同じだけど、改めて名前を付けたってとこよ。王子自らが、国のために前線に立つ。国に害をなす者すべてに裁きを与えるっていうことかしら」
「崩落王子と揶揄されることもあるけど、本人は気にしていないし、自分に何があっても王子としてよりも国を優先すべきだと……自分が交渉の材料に使われるのであれば、いつでも命を捨てる覚悟があるわけだしね」
「それは私たちも同じだけどね」

 二人から決意の強さが伝わる。

「まぁ、リアムが気になった騎士や冒険者がいれば、独自にスカウトすることも可能らしいわ。もちろん、本人の許可が前提だけどね。可能であれば、金狼のコウガだって誘いたいだろうし、それこそ、クウガ……」

 クウガの名を出し、「しまった!」と後悔する表情で視線を外したエミリネット。
 気を使わせてしまっていることに気付いているリゼは表情を変えずに、気にしない素振りを見せる。
 スカウトになるのだろうが、第三王子のリアムから言われれば、断る騎士はいないだろう。
 それは冒険者でも同じかもしれない。
 光栄なことには違いないし、国家反逆罪という言葉が頭に浮かぶこともあるに違いない。
 スカウトされることなどないことだが、自分が誘われたら断るだろうが、アンジュやジェイドたちは……と考えていた。

「リアム王子と、クウガさんは仲が良かったのですか?」

 自分からクウガの名を出して、先ほどのことは「気にしていない」とアピールする。

「……リアムが身分を隠して、街に出ていた時に意気投合したらしいわ。見た目はお世辞にも善人に見えない二人だし、どこか似た感じでもしていたんじゃないかしら。まぁ、金狼のコウガも同じような感じだけど、リアムとは二人とも仲良かったしね。王子と知った後でも、変に気を遣わず接することがリアムにとっては嬉しかったんじゃないかしら」

 自分の知らないクウガのことを知れた。
 クウガのおかげで、リアムやコウガとも繋がりが出来たことを感謝するとともに、銀翼の看板を汚してはいけないという気持ちが強くなるリゼだった。


――――――――――――――――――――


■リゼの能力値
 『体力:四十八』 
 『魔力:三十三』
 『力:三十三』 
 『防御:二十一』
 『魔法力:二十六』
 『魔力耐性:十三』
 『敏捷:百四十三』
 『回避:五十六』
 『魅力:三十三』
 『運:五十八』
 『万能能力値:零』
 
■メインクエスト
 ・エルガレム王国国王の殺害阻止。期限:建国祭終了
 ・報酬:魅力(五増加)

■サブクエスト
 ・ミコトの捜索。期限:一年
 ・報酬:慧眼けいがんの強化

■シークレットクエスト
 
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