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第352話
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部屋には未発表だがインペリアルガードの面々が揃っている。
その他に呼ばれた者たち……冒険者ギルドからオルビス、金狼からコウガにナナオ、マリックの三人。
そして、リゼを含めた銀翼の三人。
リアムから招集した件について話が始まった。
国王暗殺の可能性について話が進むと誰もが驚くが、すぐに招集された理由を理解する。
騎士の中に暗殺者が潜んでいる可能性もあるため、秘密裏に進めることになる。
リアムは第三王子としての務めがあるため、護衛の割り振りがされた。
国王の傍にはオルビスと金狼の三人が騎士団とともに行動する。
事前に国王と騎士団にはリアムから連絡している。
騎士団を信用していないということでなく、シアトムのこともあるので固定概念に囚われない別の目線で護衛も必要だと説明すると、国王や護衛を任されていた騎士団長も納得した。
リゼたちは先回りをして不審な箇所はないかや、少し離れた場所から国王付近に異変がないか確認する役回りを任された。
実力差で言えば、かなり開きのある銀翼の三人なので仕方がないという思いよりも、国王を守るということに意識を集中するべきなので、余計なことは考える必要はない。
念のため第一王子マルコムと、第二王子シアトムの護衛にはインペリアルガードから二人選出されるそうだ。
用件だけ話し終えると解散し、それぞれ散っていく。
金狼は町の警備に関して連絡網を変更する必要があるので、残って話をしようとするコウガをナナオが無理矢理退室させた。
リアムたちも多忙なため、すぐに去っていった。
部屋にはオルビスとリゼたち三人だけが残る。
「銀翼……活動を再開するそうだな」
「はい。オルビスさんも建国祭が終われば、グラマスになられると聞きましたが?」
「そうだな。現グラマスには相談役として残ってもらうつもりだ」
アンジュとの会話で、オルビスがグラマスになることを知る。
グラマスとは、正式名称“グランドギルドマスター”だが、“グラマス”と略されて呼ばれることが多い。
冒険者ギルドだけでなく、商業ギルドや生産者ギルドにも存在する。
王都のギルマスとは別の存在で、王都内のギルド本部で日々、業務に追われている。
あくまでも冒険者ギルドの代表なので、他の商業ギルドや生産者ギルドの代表とも情報交換や連携をとる必要がある。
近いうちにオルビスが、エルガレム王国冒険者ギルドの最高権力者になる。
「お前たちに言おうと思っていたことがあったし……ちょうどいい機会だな」
オルビスが何を言おうとしているのか、リゼたちには予想がついていた。
二年前に初代銀翼がクエストを失敗した場所に寄ると言っていたことを忘れてはいない。
期待するアンジュとジェイド、結末を知っているリゼとでは温度差があった。
それを顔や態度に出さないようにしていた……が、オルビスが気づく。
だが今、この場で言うことではないと自分の話だけをした。
当然、期待に応えられるような話はなかったが、少しでも情報を得られたとアンジュはオルビスに「有難う御座いました」と頭を下げた。
一呼吸おいてジェイドとリゼも頭を下げる。
「そういえば、金狼と銀翼で申請が出されていたけど、なにか揉めたか?」
申請とは、冒険者ギルド会館内にある訓練場のことだ。
使用者の欄に両クランの名前があったことで、戦って決着をつけるとオルビスは勘違いする。
アンジュは訓練場の使用目的と、金狼の名を記載した理由をオルビスに説明をした。
「そういうことか……時間が合えば、俺も覗かせてもらおう」
王都で最強クランの金狼の実力を間近で見たいのだと、リゼたちは感じていた。
だがオルビスは、アルベルトたちの後を引き継いだ三人の実力を純粋に見たいという好奇心からだった。
冒険者として一線を退いたとはいえ、一日たりとも鍛錬を怠ったことはない。
現グラマスの現役時代を知っている。
その背中に憧れて冒険者を志した。
現グラマスも同じように毎日、見えない相手を想定して剣を振っている。
その姿は相手がいるかのようだ。
「俺が倒れたら冒険者ギルドの名折れだからな」
この一言で、グラマスという役職の重みを感じた。
そして、その役職を近い将来名乗ることになる。
重みに耐えられる男になるために、オルビスも現グラマス同様に毎日毎日、自分自身と戦っている。
自分の一存で天翔旅団を解散した。
そのことで王都にいる冒険者の間で、いろいろと問題が起きていることも耳に入ってきている。
冒険者の間ではオルビスの判断を疑問に感じ、不満を口にする者もいることを知っている。
自分の判断が間違っていたのか? 自問自答するが、天翔旅団を残しても内紛の末、空中分解するだろうという思いが強かった。
かつての仲間たちが争う姿を見たくはない――ならば、自分が立ち上げたクラン天翔旅団を、自分の手で終わらせるのは義務だと考えた。
いずれ、自分の判断が間違いではないという日が来ることを信じて――。
悩みの種は他にもあった。
グラマスは各国に一人で、一年に一度、各国の冒険者ギルドのグラマスが顔を揃える。
建国祭が終わって間もなくして、オルビスは現グラマスと共に、今回の開催国アルドゥルフロスト連邦へと出向く。
フォークオリア法国やリリア聖国、アルカントラ法国など、情勢が大きく変わっている時期なだけに他国に渡って活動する冒険者たちのために……という思いがあった。
――――――――――――――――――――
■リゼの能力値
『体力:四十八』
『魔力:三十三』
『力:三十三』
『防御:二十一』
『魔法力:二十六』
『魔力耐性:十三』
『敏捷:百四十三』
『回避:五十六』
『魅力:三十三』
『運:五十八』
『万能能力値:零』
■メインクエスト
・エルガレム王国国王の殺害阻止。期限:建国祭終了
・報酬:魅力(五増加)
■サブクエスト
・ミコトの捜索。期限:一年
・報酬:慧眼の強化
■シークレットクエスト
その他に呼ばれた者たち……冒険者ギルドからオルビス、金狼からコウガにナナオ、マリックの三人。
そして、リゼを含めた銀翼の三人。
リアムから招集した件について話が始まった。
国王暗殺の可能性について話が進むと誰もが驚くが、すぐに招集された理由を理解する。
騎士の中に暗殺者が潜んでいる可能性もあるため、秘密裏に進めることになる。
リアムは第三王子としての務めがあるため、護衛の割り振りがされた。
国王の傍にはオルビスと金狼の三人が騎士団とともに行動する。
事前に国王と騎士団にはリアムから連絡している。
騎士団を信用していないということでなく、シアトムのこともあるので固定概念に囚われない別の目線で護衛も必要だと説明すると、国王や護衛を任されていた騎士団長も納得した。
リゼたちは先回りをして不審な箇所はないかや、少し離れた場所から国王付近に異変がないか確認する役回りを任された。
実力差で言えば、かなり開きのある銀翼の三人なので仕方がないという思いよりも、国王を守るということに意識を集中するべきなので、余計なことは考える必要はない。
念のため第一王子マルコムと、第二王子シアトムの護衛にはインペリアルガードから二人選出されるそうだ。
用件だけ話し終えると解散し、それぞれ散っていく。
金狼は町の警備に関して連絡網を変更する必要があるので、残って話をしようとするコウガをナナオが無理矢理退室させた。
リアムたちも多忙なため、すぐに去っていった。
部屋にはオルビスとリゼたち三人だけが残る。
「銀翼……活動を再開するそうだな」
「はい。オルビスさんも建国祭が終われば、グラマスになられると聞きましたが?」
「そうだな。現グラマスには相談役として残ってもらうつもりだ」
アンジュとの会話で、オルビスがグラマスになることを知る。
グラマスとは、正式名称“グランドギルドマスター”だが、“グラマス”と略されて呼ばれることが多い。
冒険者ギルドだけでなく、商業ギルドや生産者ギルドにも存在する。
王都のギルマスとは別の存在で、王都内のギルド本部で日々、業務に追われている。
あくまでも冒険者ギルドの代表なので、他の商業ギルドや生産者ギルドの代表とも情報交換や連携をとる必要がある。
近いうちにオルビスが、エルガレム王国冒険者ギルドの最高権力者になる。
「お前たちに言おうと思っていたことがあったし……ちょうどいい機会だな」
オルビスが何を言おうとしているのか、リゼたちには予想がついていた。
二年前に初代銀翼がクエストを失敗した場所に寄ると言っていたことを忘れてはいない。
期待するアンジュとジェイド、結末を知っているリゼとでは温度差があった。
それを顔や態度に出さないようにしていた……が、オルビスが気づく。
だが今、この場で言うことではないと自分の話だけをした。
当然、期待に応えられるような話はなかったが、少しでも情報を得られたとアンジュはオルビスに「有難う御座いました」と頭を下げた。
一呼吸おいてジェイドとリゼも頭を下げる。
「そういえば、金狼と銀翼で申請が出されていたけど、なにか揉めたか?」
申請とは、冒険者ギルド会館内にある訓練場のことだ。
使用者の欄に両クランの名前があったことで、戦って決着をつけるとオルビスは勘違いする。
アンジュは訓練場の使用目的と、金狼の名を記載した理由をオルビスに説明をした。
「そういうことか……時間が合えば、俺も覗かせてもらおう」
王都で最強クランの金狼の実力を間近で見たいのだと、リゼたちは感じていた。
だがオルビスは、アルベルトたちの後を引き継いだ三人の実力を純粋に見たいという好奇心からだった。
冒険者として一線を退いたとはいえ、一日たりとも鍛錬を怠ったことはない。
現グラマスの現役時代を知っている。
その背中に憧れて冒険者を志した。
現グラマスも同じように毎日、見えない相手を想定して剣を振っている。
その姿は相手がいるかのようだ。
「俺が倒れたら冒険者ギルドの名折れだからな」
この一言で、グラマスという役職の重みを感じた。
そして、その役職を近い将来名乗ることになる。
重みに耐えられる男になるために、オルビスも現グラマス同様に毎日毎日、自分自身と戦っている。
自分の一存で天翔旅団を解散した。
そのことで王都にいる冒険者の間で、いろいろと問題が起きていることも耳に入ってきている。
冒険者の間ではオルビスの判断を疑問に感じ、不満を口にする者もいることを知っている。
自分の判断が間違っていたのか? 自問自答するが、天翔旅団を残しても内紛の末、空中分解するだろうという思いが強かった。
かつての仲間たちが争う姿を見たくはない――ならば、自分が立ち上げたクラン天翔旅団を、自分の手で終わらせるのは義務だと考えた。
いずれ、自分の判断が間違いではないという日が来ることを信じて――。
悩みの種は他にもあった。
グラマスは各国に一人で、一年に一度、各国の冒険者ギルドのグラマスが顔を揃える。
建国祭が終わって間もなくして、オルビスは現グラマスと共に、今回の開催国アルドゥルフロスト連邦へと出向く。
フォークオリア法国やリリア聖国、アルカントラ法国など、情勢が大きく変わっている時期なだけに他国に渡って活動する冒険者たちのために……という思いがあった。
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■リゼの能力値
『体力:四十八』
『魔力:三十三』
『力:三十三』
『防御:二十一』
『魔法力:二十六』
『魔力耐性:十三』
『敏捷:百四十三』
『回避:五十六』
『魅力:三十三』
『運:五十八』
『万能能力値:零』
■メインクエスト
・エルガレム王国国王の殺害阻止。期限:建国祭終了
・報酬:魅力(五増加)
■サブクエスト
・ミコトの捜索。期限:一年
・報酬:慧眼の強化
■シークレットクエスト
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