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魔力が上がってた
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「これは驚きました。ご両親、こちらを見てください」
鑑定の儀を終えた神官様は、応接室で両親へ言った。両親はいつの間にか教会に戻ってきてたみたい。
やはり、大幅な魔力量の向上がわかったらしい。
「ぁ……よかった……」
わたしはとりあえずホッとする。
全然力が入った気がしてなかったけど、あれで大丈夫だったんだ……
「これが一年前の記録です。もちろんこれだって同じ年頃の子供たち比べればずっと多い方だったが……今回の記録はけた違いだ。これだけの力を持った子は、長い神官生活でもなかなか見ていませんよ」
「ほお……こいつがね……そーだったか……?」
記帳を見せながら説明してくれる神官様に、それでも疑わし気な目でわたしを見る両親。
一年前は、どうだったっけ?……そーいえばその時は同じ領地の人たちと集団で鑑定を受けたんだった。付き添いとして使用人はいたけど、両親は一緒に来なかったんだ。その時は結果も聞き流された。
「水晶の不具合なんてありませんの?いーえ、教会の力を疑うわけじゃありませんけど、この子は全然そんな素振り見せないんですのよ」
「そうだ、神官様!この……リリアの力を鑑定して下さい!この子は凄かったんだ。生まれた時から計測値の針が大きく振れて……!」
「おほほほほ、そーなんですのよ。それに見てください、この愛くるしいお顔!天使の生まれ変わりじゃないかしら!」
わたしの事なんてどうでもよくて鑑定を疑い、妹の話をしだす両親に神官様はちょっと驚いたように目をパチパチさせた。
妹は希望通り甘いものをたくさん食べたみたい。
お母様の手に抱かれて、気持ち良さそうにすやすや眠ってる。ほんと、天使みたいな寝顔だ。
「申し訳ありません、今日はこの後予定が組まれていて……そちらのお嬢様は一年後に鑑定があると聞きます。その時にお待ちしておりますよ」
「む……そうか、それは仕方ないな……」
「そうね……」
きっと、妹の鑑定を優先させれば良かったって思ってるんだろな。
がっかりした声が響いた。
神官様にお礼とお別れを告げて、教会を後にした。
「大きくなってもしも何かあったら、大教会の方まで来るといいですよ。何か、あなたの力になれる事があるかもしれないから」
「……はぃ。ありがとうございました」
神官様は、わたしだけに聞こえるように、別れ際にそっと話してくれた。
結局鑑定の後も両親からろくに声をかけられなかったから、変な空気だったのが伝わっちゃったかもしれない。何となく恥ずかしくて、小さな声でお礼を言った。
帰りの馬車の中で、お父様とお母様はひそひそと小声で何か話し合ってる。よく聞こえないけど……自分の事を話されてる気がして、ちょっとビクビクしちゃう。
屋敷についた後は、さっさと寝なさいと言われて自分の部屋に戻った。
疲れてしまって、その日は日課の修行もせずにすぐに寝てしまった。
次の日、あんなことが待ってるとも知らずに。
鑑定の儀を終えた神官様は、応接室で両親へ言った。両親はいつの間にか教会に戻ってきてたみたい。
やはり、大幅な魔力量の向上がわかったらしい。
「ぁ……よかった……」
わたしはとりあえずホッとする。
全然力が入った気がしてなかったけど、あれで大丈夫だったんだ……
「これが一年前の記録です。もちろんこれだって同じ年頃の子供たち比べればずっと多い方だったが……今回の記録はけた違いだ。これだけの力を持った子は、長い神官生活でもなかなか見ていませんよ」
「ほお……こいつがね……そーだったか……?」
記帳を見せながら説明してくれる神官様に、それでも疑わし気な目でわたしを見る両親。
一年前は、どうだったっけ?……そーいえばその時は同じ領地の人たちと集団で鑑定を受けたんだった。付き添いとして使用人はいたけど、両親は一緒に来なかったんだ。その時は結果も聞き流された。
「水晶の不具合なんてありませんの?いーえ、教会の力を疑うわけじゃありませんけど、この子は全然そんな素振り見せないんですのよ」
「そうだ、神官様!この……リリアの力を鑑定して下さい!この子は凄かったんだ。生まれた時から計測値の針が大きく振れて……!」
「おほほほほ、そーなんですのよ。それに見てください、この愛くるしいお顔!天使の生まれ変わりじゃないかしら!」
わたしの事なんてどうでもよくて鑑定を疑い、妹の話をしだす両親に神官様はちょっと驚いたように目をパチパチさせた。
妹は希望通り甘いものをたくさん食べたみたい。
お母様の手に抱かれて、気持ち良さそうにすやすや眠ってる。ほんと、天使みたいな寝顔だ。
「申し訳ありません、今日はこの後予定が組まれていて……そちらのお嬢様は一年後に鑑定があると聞きます。その時にお待ちしておりますよ」
「む……そうか、それは仕方ないな……」
「そうね……」
きっと、妹の鑑定を優先させれば良かったって思ってるんだろな。
がっかりした声が響いた。
神官様にお礼とお別れを告げて、教会を後にした。
「大きくなってもしも何かあったら、大教会の方まで来るといいですよ。何か、あなたの力になれる事があるかもしれないから」
「……はぃ。ありがとうございました」
神官様は、わたしだけに聞こえるように、別れ際にそっと話してくれた。
結局鑑定の後も両親からろくに声をかけられなかったから、変な空気だったのが伝わっちゃったかもしれない。何となく恥ずかしくて、小さな声でお礼を言った。
帰りの馬車の中で、お父様とお母様はひそひそと小声で何か話し合ってる。よく聞こえないけど……自分の事を話されてる気がして、ちょっとビクビクしちゃう。
屋敷についた後は、さっさと寝なさいと言われて自分の部屋に戻った。
疲れてしまって、その日は日課の修行もせずにすぐに寝てしまった。
次の日、あんなことが待ってるとも知らずに。
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