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「えっ……それって……」
わたしの驚きの声に、神官様は資料へと向けていた顔を上げる。
「……やはり、奇妙ですね……」
収支報告と数が合わない…………作っていた数よりもあえて少なく報告していた、ということになる。
当然だけど、それは……それも、してはいけないことだ。
それって、わたしも犯罪の片棒……っていうか、メインで担がされていたことに……?
「……いたっ」
無意識にまたローブを握りしめると、手のひらにチクッと刺さる感触に気付く。
ポケットに手を入れて取り出すと、未だ浄化前の魔石が掌の上にあった。
そういえばこれ、入れたままだった……
「……それは」
神官様が眼鏡を持ち上げるように尋ねたので、わたしは立ち上がって彼へとそれを手渡した。
モンスターを倒して核となる原石を加工した、浄化前の魔石。
ものによって大きさは違うけど……これは、コインより少し大きいくらいのサイズ。
深い黒で、光に透かしてよく見ると、向こう側まで透き通るようになっている。
「これが、セスティア家管轄の領地から納めている魔石です。
まだ浄化前ですが……」
闇の力が漏れないように魔力でコーティングをしてあるけど、それがどれぐらいのものか、神官様には分かるんだと思う。
摘み上げた魔石を顔の前で眺めながら、神官様が呟いた。
「見事な加工だ。ですが、これだけでは正直なところ……ありふれているもののようにも見えます。
セスティア家の提出する魔石は、何よりも質が素晴らしいと噂になるほどでしたが……」
「多分、それは……わたしが浄化すると、力が何倍にも加わると、以前言われたことがあります」
「なるほど……」
以前に浄化係をしていた……宿泊どころの店主さんなんかが、驚くように褒めてくれたことを思い出す。
もし、その浄化した魔石の質が教会への……引いては国へ納める報告と関わってるんだったら。
きっと、実物として見せてしまった方が早いはず。
「あの……一晩待っていただければ、浄化できると思います!」
そう思って伝えてみたんだけど……
アストが、机の方まで来て神官様の手元を覗く。
それから、わたしの方を見ると、事もなげに呟いた。
「……そのままでもいけるんじゃないか?」
「そのまま?」
「一晩……夜を待たずとも、今のこの段階で浄化出来るんじゃないか」
わたしの驚きの声に、神官様は資料へと向けていた顔を上げる。
「……やはり、奇妙ですね……」
収支報告と数が合わない…………作っていた数よりもあえて少なく報告していた、ということになる。
当然だけど、それは……それも、してはいけないことだ。
それって、わたしも犯罪の片棒……っていうか、メインで担がされていたことに……?
「……いたっ」
無意識にまたローブを握りしめると、手のひらにチクッと刺さる感触に気付く。
ポケットに手を入れて取り出すと、未だ浄化前の魔石が掌の上にあった。
そういえばこれ、入れたままだった……
「……それは」
神官様が眼鏡を持ち上げるように尋ねたので、わたしは立ち上がって彼へとそれを手渡した。
モンスターを倒して核となる原石を加工した、浄化前の魔石。
ものによって大きさは違うけど……これは、コインより少し大きいくらいのサイズ。
深い黒で、光に透かしてよく見ると、向こう側まで透き通るようになっている。
「これが、セスティア家管轄の領地から納めている魔石です。
まだ浄化前ですが……」
闇の力が漏れないように魔力でコーティングをしてあるけど、それがどれぐらいのものか、神官様には分かるんだと思う。
摘み上げた魔石を顔の前で眺めながら、神官様が呟いた。
「見事な加工だ。ですが、これだけでは正直なところ……ありふれているもののようにも見えます。
セスティア家の提出する魔石は、何よりも質が素晴らしいと噂になるほどでしたが……」
「多分、それは……わたしが浄化すると、力が何倍にも加わると、以前言われたことがあります」
「なるほど……」
以前に浄化係をしていた……宿泊どころの店主さんなんかが、驚くように褒めてくれたことを思い出す。
もし、その浄化した魔石の質が教会への……引いては国へ納める報告と関わってるんだったら。
きっと、実物として見せてしまった方が早いはず。
「あの……一晩待っていただければ、浄化できると思います!」
そう思って伝えてみたんだけど……
アストが、机の方まで来て神官様の手元を覗く。
それから、わたしの方を見ると、事もなげに呟いた。
「……そのままでもいけるんじゃないか?」
「そのまま?」
「一晩……夜を待たずとも、今のこの段階で浄化出来るんじゃないか」
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