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稼業が嫌で逃げたらそこは異世界だった
16.こちらにいましたか勇者様
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「こちらが最終目的地、委員長の屋敷にございます」
「おお、でかいな」
「お城みたーい」
『のじゃーしゅごいのじゃぁああああああ』
「お前ちょっとうるさいから黙れっ」
『うげぇ、痛いのじゃ……』
のじゃロリがうるさすぎたので少し黙らせる。こちらの様子をうかがっていた村長がコクリと頷き、屋敷の門をたたいた。
「すいませーん、宅配便でーす」
「いや違うだろうっ」
村長にいきなり荷物扱いされて困惑し、思わずツッコミを入れた。
村長は再び俺たちを見て、にこりと笑う。え、いや、何なのその笑み。何か裏がありそうな笑みに見えてしまい、背筋がぞっとする。
「かわいい笑みだね」
『にょほほほほほほほほほ、その笑みだけでご飯が三倍いけますぞー、なのじゃ』
仲間が何も感じていない件。もしかして、俺の考えすぎか?
小さく「はぁ」とため息をはいたタイミングで扉が開いた。中から中年の女性が顔を出す。
「はいはい、どなひぃ、そ、村長……。そ、そんなどうして、あの大岩に封印されていたはずじゃ……」
や、やっぱり村長には何かあるというのか。もしかしたら、この村長には大きな秘密があるのかもしれない。
「えっと、あのゴブリン退治の冒険者を連れてきましたー」
驚いた表情をしている女性なんて気にせず、村長は言いたいことを言った。
村長の普通過ぎるその態度がすごく気になる。
「ねぇ村長、もうやめません。毎度このやり取りをしてお客様に唖然とされた表情で見られると、その、ドキドキしてしまいます」
「私はいい趣味してると思うけど。諸刃もそう思うでしょ?」
「いや、俺は、その……」
「あら、そうかしら。あ、お客様方、申し訳ございません。今からご案内いたしますので」
……今のやり取りがネタとか、解せぬ。というか鉄板ネタだったのね。それに引っかかる俺。きっと笑われているだろうと思うと、頭が痛くなってくる。なぜか無性に叫びたくなった。どうして恥をかくと叫びたくなるんだろう……なんてことを思いながら、俺は女性の後についていく。案内された奥の部屋。そこで俺は思いがけない人物と出会った。
「あれ、諸刃。元気してるぅ?」
「………………飛鳥、お前」
「この世界ね、すっごく楽しいの。もうウハウハよ」
「…………さいですか」
召喚的なイベントが起こった際に離れ離れになった飛鳥がいた。なんかすげぇイケメン的な男たちに囲まれている。逆ハーレムってこのことを言うんだねと強く感じた。
飛鳥は、すごくいきいきしていた。きっと俺のことを忘れてしまうぐらい、この世界が楽しいんだろう。まあ、あいつにとってこの世界はゲーム感覚で楽しめる世界なんだろう。ちゃんと現実を見せてあげなければ。
「えっと、飛鳥」
「この世界ね、すごいよ。私の剣が通用するの。今までの修行が無駄じゃなかったって思える。私、ここでならもっと強くなれる気がするわっ!」
「あ、うん、そうですね」
鼻息を荒くして語る飛鳥の気迫に押されて、俺は何も言えなかった。確かに、飛鳥は鬼狩りとして剣術を学んでいない。あくまでうちの道場の生徒だった。裏世界の、鬼狩りのことを知らない一般家庭の人からすれば、あの世界で実践的なことをするなんて二度とないだろう。ぶっちゃけ、練習だけじゃ限界が来る。実勢をして初めてモノになるものもあるからな。そういう意味で考えれば、飛鳥には良い修行の場なんだろうけど……女友達が剣を振り回して「うはぁ! 最高っ」という姿なんて見たくなかったというのが本音。
アレで色々切ってんだろうな、ゴブリンとかゴブリンとかゴブリンとか……。
少し目を逸らしたくなる現実を目の前にしてしまい、笑顔が歪んだ気がした。でも飛鳥には気が付かれなかった。あいつ、興奮すると細かいところに気が付かなくなるからな。
飛鳥のハイテンションにため息をはきたくなるのをぐっと我慢して待機していると、成金みたいな男が部屋の中に入ってきた。
「やあ勇者様方。お待たせ…………誰だ貴様ら」
男が俺たちの方を睨みつけながら、すごく失礼な言い方をしてきた。なので村長を盾にして俺たちは後ろに下がる。のじゃロリとリセが話し出すとめんどくさくなるような気がしたので、黙るように指示を出した。リセは俺の目を真っすぐ見て、コクリと頷く。
「貴様こそ、この方が村長と知っての狼藉かっ」
「ちょ、リセっ」
「大丈夫、任せて諸刃っ」
そう言って、リセが村長の背後に周り、ぐいぐいと前に押す。リセの突然の行動に村長は戸惑いを隠せない。
「あ、どうも、委員長。この方はゴブリン盗伐の依頼を受けてくださった冒険者です。諸刃さん、リセさん、アレがゴブリンです」
「分かったわ、あれを討伐すればいいんだね。行くよ諸刃」
「いやいや、まてまて、あれ、どう見ても人間、人間だから。というか、委員長っていってたよね」
『のじゃー、やってしまうのじゃー』
「煽るなよ、このクソ刀っ」
リセはぐいぐいと前に行き、のじゃロリが煽る。委員長なる人物は、俺たちの行動に狼狽えながら数歩下がった。委員長はすがるように飛鳥達に視線を向かわせる。飛鳥は何もわかっていないようだったが、飛鳥お付きの騎士様方は絶対零度の瞳で委員長を見ていた。
ああ、修羅場の予感。
「これはどういうことかな、イ・インチョウ殿」
「え、あ、その……これは」
あいつの名前イ・インチョウって。ちょっと変な名前だと思った。もしかしたら、リセって名前がおかしくて、ソンやイのような名前が一般的なのかもしれない。
変なことを考えていると、委員長が慌てたようにこちらを指差して言い訳し出した。
「あ、あいつらがいきなり押しかけてきて訳の分からないことをっ。私は悪くないっ」
あろうことか、俺達にすべてを擦り付けようとしてきた。してきたは良いんだけど、俺たちはいったい何を擦り付けられよとしているのだろうか。全く見当もつかん。
まあ、なるようになるだろうし、このまま成り行きを傍観しているのも悪くないかもしれない。
目の前では、委員長が必死に俺たちが悪だと飛鳥達に説明している。そいして俺たちに脅されているから助けてくれ的なことを言い始めた。ちょっとまて、俺達まだ初対面。
飛鳥の額にちょっと青筋が浮かび始めて来た頃になって、村長がようやく事情を説明してくれた。
「僕、象徴村長みたいなもんで、何か問題があった時に首を落とす役割ですが、一応この村のトップです。トップにはそれなりの権限などがあるんですが……。僕の場合、あの委員長にそこら辺のモノすべて取られてしまいまして。ちなみに、村長の利権を脅かす行為は反逆罪で処刑です」
割と重い罪を委員長が犯していた件について。というかその前に、象徴村長って何って感じがするんだけど、まあその辺はツッコまないでおこう。泥沼に入ってしまう気がするし。
委員長と話していた騎士が俺たちの前に立ちふさがる。委員長との話が終わったようだ。
「貴様らを不法侵入者として処刑する。こんなみすぼらしい子供を村長に仕立て上げ、村を脅かす行為を黙って見過ごすわけにはいかん。ここで成敗してくれるっ」
飛鳥のお供は頭が弱かった。まさか委員長に飛鳥の仲間が言いくるめられようとは。
第一俺たちがこの村に来たのは今日だし、村長に案内されてここに来たわけだから……………………考えるのがめんどくさくなった。
「ねぇ諸刃」
「なんだよリセ。今考え事」
「あれ使えば?」
そう言って、リセが指差した方向には、飛鳥がいた。
…………あー、はい、そうですね。
「おい飛鳥」
「なに諸刃? トイレ? それなら部屋を出てつきあたりのほうに……」
「いや、違う、てか反応がリセみたいだな。そうじゃなくて、ちょっとこっちこいこい」
首を傾げながら飛鳥が俺に近寄ってきた。ほかの騎士たちは「危ないですよっ」的な注意をしてくれたが、飛鳥はそんなことなんて気にせず近づいてくる。
俺のそばに来た飛鳥にすべての事情を説明する。その間、委員長の顔色は真っ青になっていた。
悪事はいつかバレるんだから、もうしょうがないだろうに。
「何それっ、絶対に許せないっ! ぶった切ってやるっ」
多少嘘は混ぜたけど、飛鳥がこちらの味方になった。それにより形成が逆転する。委員長を庇うものはもういない。
「おお、でかいな」
「お城みたーい」
『のじゃーしゅごいのじゃぁああああああ』
「お前ちょっとうるさいから黙れっ」
『うげぇ、痛いのじゃ……』
のじゃロリがうるさすぎたので少し黙らせる。こちらの様子をうかがっていた村長がコクリと頷き、屋敷の門をたたいた。
「すいませーん、宅配便でーす」
「いや違うだろうっ」
村長にいきなり荷物扱いされて困惑し、思わずツッコミを入れた。
村長は再び俺たちを見て、にこりと笑う。え、いや、何なのその笑み。何か裏がありそうな笑みに見えてしまい、背筋がぞっとする。
「かわいい笑みだね」
『にょほほほほほほほほほ、その笑みだけでご飯が三倍いけますぞー、なのじゃ』
仲間が何も感じていない件。もしかして、俺の考えすぎか?
小さく「はぁ」とため息をはいたタイミングで扉が開いた。中から中年の女性が顔を出す。
「はいはい、どなひぃ、そ、村長……。そ、そんなどうして、あの大岩に封印されていたはずじゃ……」
や、やっぱり村長には何かあるというのか。もしかしたら、この村長には大きな秘密があるのかもしれない。
「えっと、あのゴブリン退治の冒険者を連れてきましたー」
驚いた表情をしている女性なんて気にせず、村長は言いたいことを言った。
村長の普通過ぎるその態度がすごく気になる。
「ねぇ村長、もうやめません。毎度このやり取りをしてお客様に唖然とされた表情で見られると、その、ドキドキしてしまいます」
「私はいい趣味してると思うけど。諸刃もそう思うでしょ?」
「いや、俺は、その……」
「あら、そうかしら。あ、お客様方、申し訳ございません。今からご案内いたしますので」
……今のやり取りがネタとか、解せぬ。というか鉄板ネタだったのね。それに引っかかる俺。きっと笑われているだろうと思うと、頭が痛くなってくる。なぜか無性に叫びたくなった。どうして恥をかくと叫びたくなるんだろう……なんてことを思いながら、俺は女性の後についていく。案内された奥の部屋。そこで俺は思いがけない人物と出会った。
「あれ、諸刃。元気してるぅ?」
「………………飛鳥、お前」
「この世界ね、すっごく楽しいの。もうウハウハよ」
「…………さいですか」
召喚的なイベントが起こった際に離れ離れになった飛鳥がいた。なんかすげぇイケメン的な男たちに囲まれている。逆ハーレムってこのことを言うんだねと強く感じた。
飛鳥は、すごくいきいきしていた。きっと俺のことを忘れてしまうぐらい、この世界が楽しいんだろう。まあ、あいつにとってこの世界はゲーム感覚で楽しめる世界なんだろう。ちゃんと現実を見せてあげなければ。
「えっと、飛鳥」
「この世界ね、すごいよ。私の剣が通用するの。今までの修行が無駄じゃなかったって思える。私、ここでならもっと強くなれる気がするわっ!」
「あ、うん、そうですね」
鼻息を荒くして語る飛鳥の気迫に押されて、俺は何も言えなかった。確かに、飛鳥は鬼狩りとして剣術を学んでいない。あくまでうちの道場の生徒だった。裏世界の、鬼狩りのことを知らない一般家庭の人からすれば、あの世界で実践的なことをするなんて二度とないだろう。ぶっちゃけ、練習だけじゃ限界が来る。実勢をして初めてモノになるものもあるからな。そういう意味で考えれば、飛鳥には良い修行の場なんだろうけど……女友達が剣を振り回して「うはぁ! 最高っ」という姿なんて見たくなかったというのが本音。
アレで色々切ってんだろうな、ゴブリンとかゴブリンとかゴブリンとか……。
少し目を逸らしたくなる現実を目の前にしてしまい、笑顔が歪んだ気がした。でも飛鳥には気が付かれなかった。あいつ、興奮すると細かいところに気が付かなくなるからな。
飛鳥のハイテンションにため息をはきたくなるのをぐっと我慢して待機していると、成金みたいな男が部屋の中に入ってきた。
「やあ勇者様方。お待たせ…………誰だ貴様ら」
男が俺たちの方を睨みつけながら、すごく失礼な言い方をしてきた。なので村長を盾にして俺たちは後ろに下がる。のじゃロリとリセが話し出すとめんどくさくなるような気がしたので、黙るように指示を出した。リセは俺の目を真っすぐ見て、コクリと頷く。
「貴様こそ、この方が村長と知っての狼藉かっ」
「ちょ、リセっ」
「大丈夫、任せて諸刃っ」
そう言って、リセが村長の背後に周り、ぐいぐいと前に押す。リセの突然の行動に村長は戸惑いを隠せない。
「あ、どうも、委員長。この方はゴブリン盗伐の依頼を受けてくださった冒険者です。諸刃さん、リセさん、アレがゴブリンです」
「分かったわ、あれを討伐すればいいんだね。行くよ諸刃」
「いやいや、まてまて、あれ、どう見ても人間、人間だから。というか、委員長っていってたよね」
『のじゃー、やってしまうのじゃー』
「煽るなよ、このクソ刀っ」
リセはぐいぐいと前に行き、のじゃロリが煽る。委員長なる人物は、俺たちの行動に狼狽えながら数歩下がった。委員長はすがるように飛鳥達に視線を向かわせる。飛鳥は何もわかっていないようだったが、飛鳥お付きの騎士様方は絶対零度の瞳で委員長を見ていた。
ああ、修羅場の予感。
「これはどういうことかな、イ・インチョウ殿」
「え、あ、その……これは」
あいつの名前イ・インチョウって。ちょっと変な名前だと思った。もしかしたら、リセって名前がおかしくて、ソンやイのような名前が一般的なのかもしれない。
変なことを考えていると、委員長が慌てたようにこちらを指差して言い訳し出した。
「あ、あいつらがいきなり押しかけてきて訳の分からないことをっ。私は悪くないっ」
あろうことか、俺達にすべてを擦り付けようとしてきた。してきたは良いんだけど、俺たちはいったい何を擦り付けられよとしているのだろうか。全く見当もつかん。
まあ、なるようになるだろうし、このまま成り行きを傍観しているのも悪くないかもしれない。
目の前では、委員長が必死に俺たちが悪だと飛鳥達に説明している。そいして俺たちに脅されているから助けてくれ的なことを言い始めた。ちょっとまて、俺達まだ初対面。
飛鳥の額にちょっと青筋が浮かび始めて来た頃になって、村長がようやく事情を説明してくれた。
「僕、象徴村長みたいなもんで、何か問題があった時に首を落とす役割ですが、一応この村のトップです。トップにはそれなりの権限などがあるんですが……。僕の場合、あの委員長にそこら辺のモノすべて取られてしまいまして。ちなみに、村長の利権を脅かす行為は反逆罪で処刑です」
割と重い罪を委員長が犯していた件について。というかその前に、象徴村長って何って感じがするんだけど、まあその辺はツッコまないでおこう。泥沼に入ってしまう気がするし。
委員長と話していた騎士が俺たちの前に立ちふさがる。委員長との話が終わったようだ。
「貴様らを不法侵入者として処刑する。こんなみすぼらしい子供を村長に仕立て上げ、村を脅かす行為を黙って見過ごすわけにはいかん。ここで成敗してくれるっ」
飛鳥のお供は頭が弱かった。まさか委員長に飛鳥の仲間が言いくるめられようとは。
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「ねぇ諸刃」
「なんだよリセ。今考え事」
「あれ使えば?」
そう言って、リセが指差した方向には、飛鳥がいた。
…………あー、はい、そうですね。
「おい飛鳥」
「なに諸刃? トイレ? それなら部屋を出てつきあたりのほうに……」
「いや、違う、てか反応がリセみたいだな。そうじゃなくて、ちょっとこっちこいこい」
首を傾げながら飛鳥が俺に近寄ってきた。ほかの騎士たちは「危ないですよっ」的な注意をしてくれたが、飛鳥はそんなことなんて気にせず近づいてくる。
俺のそばに来た飛鳥にすべての事情を説明する。その間、委員長の顔色は真っ青になっていた。
悪事はいつかバレるんだから、もうしょうがないだろうに。
「何それっ、絶対に許せないっ! ぶった切ってやるっ」
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