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公爵家ご令嬢は悪役になりたい!
18.悪役令嬢を学びましょう
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俺がシンシアの面倒を見るようになり、数日がたった。修行は順調に進んでおり、シンシアは移動しながら魔法を使うどころかある程度戦える剣術まで身に着けた。育てて思うことは、この子は凄い才能を持っているということだ。教えたことはどんどん吸収していく。一度教えたことは自分で反復練習をして、次見せてくれる時にはかなりいい練度になっている。シンシアは控えめに言って素晴らしい生徒だった。
そんなシンシアが、俺に相談しに来た。何か悩み事でもあるのだろうか。
「あの先生、3日後のことなんですけど、少し相談したいことがありまして」
「ん、なんだ、相談したいことって」
3日後、例の実地演習がある。郊外にあるとある場所に向かってそこでパーティーを組んで実際の闘いを監視がいる中で対応する。
お貴族様は有事に迅速に対応できるよう権力を持っている。その時に的確な指示が出せるよう指揮官として必要なことを学んでいる。けどそれだけでなく民を護るために自信もある程度戦うだけの力が必要、戦いを体験しておくのは大事だよね! ということで行なう実地演習。そこには魔物やら魔物やら魔物が出てくるらしい。
俺は基本的にゴブリンしか相手にしたことがない。というか俺がこの世界に転移して冒険者を始めた時、魔王軍幹部、今は元幹部だけど、が暗躍してゴブリンを大量に増やしていたことが原因だ。
そのせいでほかの魔物に会う機会があまりなかった。いや、アッシュは鬼人なのでちょっと違うかもしれないけど。
とにかく、もうすぐ大事た演習があるのだ。それについてシンシアはいったい何を相談したいのだろうか。
「私、今まで先生の授業を受けてある程度動けるようになったと思います」
これはあれか? 私は結構強くなったと思うので基礎を卒業して技を教えてくださいというパターンなのだろうか。
俺は自分の道場のこと以外知らないので、本当にこんなパターンがあるのか分からない。
でも、漫画とかだと、弟子が「僕はいつ基礎トレーニングを卒業できるのでしょうか」というシーンがよくある。
基礎は武術の基盤。基礎トレーニングをやめることはない! ここはビシッと言ってやらないと。
「でも私、悪役令嬢の為の訓練をまだ何もやってません! このままでは、本番がやばいですっ!」
「基礎は……はえ? 悪役令嬢……」
悪役令嬢……悪役令嬢! そういえば、この子は悪役令嬢を目指しているのだった。才能のある子を教えていたせいか、教えるのが楽しくなってしまった。これは、どうしよう。
「お困りのようね、諸刃!」
「どうやら私たちの出番のようですね、主殿?」
リセとイリーナがワクワクした表情を浮かべながらやってきた。そういえば最近放置気味だったからな。心なしか嬉しそうだ。
「おう、いまどうしようかって思っていたところだったんだけど、そうだな…………相手役にでもなってくれ」
ふと思いついたことを言ってみた。
イリーナとリセは、お手伝いができるのだと最初は喜んでいたが、俺の言葉で首を傾げる。相手役の意味がよく分かっていないようだ。
「ねえ諸刃? どういうこと。私は何をやればいいの!」
「ちょ、リセ! 抜け駆けはずるいですよ。主殿、私は何をすればいいですか」
我先にと俺の前にグイッと出てくる。別にそんな出て来なくてもいい。むしろシンシアが何事かと驚いている。
おかしなことをするつもりはない。悪役令嬢と言うからには、それっぽい発言や仕草ができるようになればいいと思っているだけだ。そして、その仕草をするのにやられる側の役を果たしてくれる人手が欲しいと思った。そこでこいつらにやらせようと思ったけど……。
「ふん、この程度も出来ないのかしら。しょうがないから私がやってあげるわね」
「ああ、すごい、すごいよーーーー」
「ワレワレハウチュウジン」
シンシアの言動は、こう、口は悪いけど親切な人にしか見えないし、イリーナは棒読みですごいしか言わない、リセに至ってはウチュウジンって……なんだよそれ。
演技も出来ない彼女たちは、なんか漫才師みたいな感じになってきている。あ、イリーナがツッコミを入れた。
ほほえましい姿に、運動場に来ているほかの生徒たちは優しい笑みを浮かべた。何だろう、皆シンシアのことを、ちょっとヘンテコでかわいい子のように思っているのではないだろうか。周りの人たちの笑顔が、我が子を見守る母親のそれに近い。
「どうです先生。立派な悪役令嬢にみえますか!」
素直な感想を言うと、全く悪役令嬢に見えなかったが、本人に言ってもいいのだろうか? 言ったら精進しなければとか言ってもっと頑張りそう。
でも性格的に悪役令嬢に向いていないのか、どうしても親切な人になってしまう。
だからちゃんと言ってあげた。
「シンシア、君はそこで列を作って頑張って餌を運んでいるアリさんを潰すことができるか?」
「なんてこと言うんですか先生! そんなこと……できるわけないじゃないですか。アリさん可哀そう」
「悪役令嬢っていうのはな、そういうのができる奴のことを言うんだ」
「そ、そんな…………そんなのって…………」
暗い表情を浮かべるシンシアの肩をそっと叩く。
「大丈夫だ。悪役令嬢の形だって一つじゃない。シンシアならできる」
「しぇんしぇい……」
シンシアは何か感動した様子で俺を見つめていた。そんな俺たちの間に、リセとイリーナが割り込んでくる。
「いい雰囲気がして駄目! 悪役令嬢には私達がなんとか、諸刃は何もしなくていいの!」
「そうですよ主殿。私たちの仕事、取らないでください」
リセとイリーナが真面目に仕事しようとしている! 俺はそれに少し感動した。何だろう、この雰囲気。
まあでも、やる気になってくれたことは素直にうれしい。それに今回の仕事内容はシンシアを教育するのであって、別に魔物と戦うことじゃない。回復魔法しか使えないリセにもこなせる仕事だと思う。
「いい、女神な私をよく見なさい。悪役令嬢、いいえ、悪っていうのはね、こういうことをするのよ!」
そう言って、リセは怪しげな教団服を取り出して、羽織った。両手を空に掲げ、濁った眼でぶつぶつと何かを呟き始める。そして、ポケットから石のようなものを取り出し、両手で大切そいうにもちながら、供物を捧げるかのように、また空に掲げた。
石のようなもの、と表現したのは、それが石であるかどうか分からなかったからだ。
形は石なのに、少し赤い。石の表面のざらつきが、なぜか幾何学的な模様に見える。太陽の光が当たっているせいか、微かに光っているようにも見えた。
石に興味がない俺でも、なぜか美しいと思ってしまう石の光沢が、逆に俺を不安に陥れた。太陽に手を当ててすかして見るように、その石が太陽の光によって表面こそ輝いているものの、すかして見えてしまったその中身には冒涜的で混沌とした得体のしれない何かが、小さく鼓動しているように見えた。
いったいどこからそんなものを手に入れたのか、俺には見当がつかない。
しかもなぜこのタイミングでそんなものを出すのだろうか。リセには何かわかっているのだろうが、何も分からない、俺を含めた全員が冒涜的で混沌とした石のような何かを見つめ、ごくりと唾を飲んだ。
リセはゆっくりと息を吐く。
「うごら! すにてぃか=ろじぇ! まちぇにか! てる・ぽら! あう! あう! にちぇら・ぱもねか! 深淵に沈みし大いなる者よ。 てぃるら、え、まるてぃるせいあ…………」
「ちょっと待てっ! お前一体何を召喚しようとしてやがるっ!」
「うわぁ、ちょ、待ってよ。今儀式の途中なの。これからすごいことが起こるんだから!」
「儀式? 儀式! それにすごいことって何だよ! 怖いよ。てかその手に持っているモノ、一体何?」
「えっと、これ? これはね、悪魔の心臓っていう商品でね、昔裏路地の怪しいお店で買ったの。大道芸の道具って聞いてたけど、つかったら、なんかこう、うねうねしていて、悪役! って感じがする女性的で固定の形を持たない概念的な獅子の体を持った黒髪美人が現れてね。すごいの。ザ・悪って感じで」
「ねえそれ、悪魔か何か召喚してない? 本当に大丈夫なの?」
シンシアや、イリーナでさえ俺の言葉にうなずいた。余程怪しくて、不可解で、胸の内から湧き上がる不安のようなものを感じ取ったのか、胸元の服をぎゅっと握りしめていた。
「大丈夫よ。私の…………にんげんではない友達の一人だから……。それに、悪役令嬢になるんだったら、本物の悪っぽいのに聞いたほうがいいでしょう!」
「それはそうだけど……」
リセが召喚魔法を使えた……いや、あの得体のしれない石の力だろうな。それで悪魔的な何かを呼び寄せて悪役令嬢を学ばせようって……。やる気になっているのは良いんだけど、なんか不安だ。本当に大丈夫なのだろうか。
そんなシンシアが、俺に相談しに来た。何か悩み事でもあるのだろうか。
「あの先生、3日後のことなんですけど、少し相談したいことがありまして」
「ん、なんだ、相談したいことって」
3日後、例の実地演習がある。郊外にあるとある場所に向かってそこでパーティーを組んで実際の闘いを監視がいる中で対応する。
お貴族様は有事に迅速に対応できるよう権力を持っている。その時に的確な指示が出せるよう指揮官として必要なことを学んでいる。けどそれだけでなく民を護るために自信もある程度戦うだけの力が必要、戦いを体験しておくのは大事だよね! ということで行なう実地演習。そこには魔物やら魔物やら魔物が出てくるらしい。
俺は基本的にゴブリンしか相手にしたことがない。というか俺がこの世界に転移して冒険者を始めた時、魔王軍幹部、今は元幹部だけど、が暗躍してゴブリンを大量に増やしていたことが原因だ。
そのせいでほかの魔物に会う機会があまりなかった。いや、アッシュは鬼人なのでちょっと違うかもしれないけど。
とにかく、もうすぐ大事た演習があるのだ。それについてシンシアはいったい何を相談したいのだろうか。
「私、今まで先生の授業を受けてある程度動けるようになったと思います」
これはあれか? 私は結構強くなったと思うので基礎を卒業して技を教えてくださいというパターンなのだろうか。
俺は自分の道場のこと以外知らないので、本当にこんなパターンがあるのか分からない。
でも、漫画とかだと、弟子が「僕はいつ基礎トレーニングを卒業できるのでしょうか」というシーンがよくある。
基礎は武術の基盤。基礎トレーニングをやめることはない! ここはビシッと言ってやらないと。
「でも私、悪役令嬢の為の訓練をまだ何もやってません! このままでは、本番がやばいですっ!」
「基礎は……はえ? 悪役令嬢……」
悪役令嬢……悪役令嬢! そういえば、この子は悪役令嬢を目指しているのだった。才能のある子を教えていたせいか、教えるのが楽しくなってしまった。これは、どうしよう。
「お困りのようね、諸刃!」
「どうやら私たちの出番のようですね、主殿?」
リセとイリーナがワクワクした表情を浮かべながらやってきた。そういえば最近放置気味だったからな。心なしか嬉しそうだ。
「おう、いまどうしようかって思っていたところだったんだけど、そうだな…………相手役にでもなってくれ」
ふと思いついたことを言ってみた。
イリーナとリセは、お手伝いができるのだと最初は喜んでいたが、俺の言葉で首を傾げる。相手役の意味がよく分かっていないようだ。
「ねえ諸刃? どういうこと。私は何をやればいいの!」
「ちょ、リセ! 抜け駆けはずるいですよ。主殿、私は何をすればいいですか」
我先にと俺の前にグイッと出てくる。別にそんな出て来なくてもいい。むしろシンシアが何事かと驚いている。
おかしなことをするつもりはない。悪役令嬢と言うからには、それっぽい発言や仕草ができるようになればいいと思っているだけだ。そして、その仕草をするのにやられる側の役を果たしてくれる人手が欲しいと思った。そこでこいつらにやらせようと思ったけど……。
「ふん、この程度も出来ないのかしら。しょうがないから私がやってあげるわね」
「ああ、すごい、すごいよーーーー」
「ワレワレハウチュウジン」
シンシアの言動は、こう、口は悪いけど親切な人にしか見えないし、イリーナは棒読みですごいしか言わない、リセに至ってはウチュウジンって……なんだよそれ。
演技も出来ない彼女たちは、なんか漫才師みたいな感じになってきている。あ、イリーナがツッコミを入れた。
ほほえましい姿に、運動場に来ているほかの生徒たちは優しい笑みを浮かべた。何だろう、皆シンシアのことを、ちょっとヘンテコでかわいい子のように思っているのではないだろうか。周りの人たちの笑顔が、我が子を見守る母親のそれに近い。
「どうです先生。立派な悪役令嬢にみえますか!」
素直な感想を言うと、全く悪役令嬢に見えなかったが、本人に言ってもいいのだろうか? 言ったら精進しなければとか言ってもっと頑張りそう。
でも性格的に悪役令嬢に向いていないのか、どうしても親切な人になってしまう。
だからちゃんと言ってあげた。
「シンシア、君はそこで列を作って頑張って餌を運んでいるアリさんを潰すことができるか?」
「なんてこと言うんですか先生! そんなこと……できるわけないじゃないですか。アリさん可哀そう」
「悪役令嬢っていうのはな、そういうのができる奴のことを言うんだ」
「そ、そんな…………そんなのって…………」
暗い表情を浮かべるシンシアの肩をそっと叩く。
「大丈夫だ。悪役令嬢の形だって一つじゃない。シンシアならできる」
「しぇんしぇい……」
シンシアは何か感動した様子で俺を見つめていた。そんな俺たちの間に、リセとイリーナが割り込んでくる。
「いい雰囲気がして駄目! 悪役令嬢には私達がなんとか、諸刃は何もしなくていいの!」
「そうですよ主殿。私たちの仕事、取らないでください」
リセとイリーナが真面目に仕事しようとしている! 俺はそれに少し感動した。何だろう、この雰囲気。
まあでも、やる気になってくれたことは素直にうれしい。それに今回の仕事内容はシンシアを教育するのであって、別に魔物と戦うことじゃない。回復魔法しか使えないリセにもこなせる仕事だと思う。
「いい、女神な私をよく見なさい。悪役令嬢、いいえ、悪っていうのはね、こういうことをするのよ!」
そう言って、リセは怪しげな教団服を取り出して、羽織った。両手を空に掲げ、濁った眼でぶつぶつと何かを呟き始める。そして、ポケットから石のようなものを取り出し、両手で大切そいうにもちながら、供物を捧げるかのように、また空に掲げた。
石のようなもの、と表現したのは、それが石であるかどうか分からなかったからだ。
形は石なのに、少し赤い。石の表面のざらつきが、なぜか幾何学的な模様に見える。太陽の光が当たっているせいか、微かに光っているようにも見えた。
石に興味がない俺でも、なぜか美しいと思ってしまう石の光沢が、逆に俺を不安に陥れた。太陽に手を当ててすかして見るように、その石が太陽の光によって表面こそ輝いているものの、すかして見えてしまったその中身には冒涜的で混沌とした得体のしれない何かが、小さく鼓動しているように見えた。
いったいどこからそんなものを手に入れたのか、俺には見当がつかない。
しかもなぜこのタイミングでそんなものを出すのだろうか。リセには何かわかっているのだろうが、何も分からない、俺を含めた全員が冒涜的で混沌とした石のような何かを見つめ、ごくりと唾を飲んだ。
リセはゆっくりと息を吐く。
「うごら! すにてぃか=ろじぇ! まちぇにか! てる・ぽら! あう! あう! にちぇら・ぱもねか! 深淵に沈みし大いなる者よ。 てぃるら、え、まるてぃるせいあ…………」
「ちょっと待てっ! お前一体何を召喚しようとしてやがるっ!」
「うわぁ、ちょ、待ってよ。今儀式の途中なの。これからすごいことが起こるんだから!」
「儀式? 儀式! それにすごいことって何だよ! 怖いよ。てかその手に持っているモノ、一体何?」
「えっと、これ? これはね、悪魔の心臓っていう商品でね、昔裏路地の怪しいお店で買ったの。大道芸の道具って聞いてたけど、つかったら、なんかこう、うねうねしていて、悪役! って感じがする女性的で固定の形を持たない概念的な獅子の体を持った黒髪美人が現れてね。すごいの。ザ・悪って感じで」
「ねえそれ、悪魔か何か召喚してない? 本当に大丈夫なの?」
シンシアや、イリーナでさえ俺の言葉にうなずいた。余程怪しくて、不可解で、胸の内から湧き上がる不安のようなものを感じ取ったのか、胸元の服をぎゅっと握りしめていた。
「大丈夫よ。私の…………にんげんではない友達の一人だから……。それに、悪役令嬢になるんだったら、本物の悪っぽいのに聞いたほうがいいでしょう!」
「それはそうだけど……」
リセが召喚魔法を使えた……いや、あの得体のしれない石の力だろうな。それで悪魔的な何かを呼び寄せて悪役令嬢を学ばせようって……。やる気になっているのは良いんだけど、なんか不安だ。本当に大丈夫なのだろうか。
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