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第2章 制服と征服
過ち
しおりを挟む瞬の中に挿し入れた指に温かい瞬の内壁が纏わりついてくる。
キュンと榊の指を締め付け可愛らしい白いお尻がガクガクと揺れていた。
もうさすがに極限を迎えているのが指先にも伝わってくる。
薄い手術用の手袋をつけた榊の指先には瞬の便がコロコロと触れていた。
それを手繰るように指を動かせば瞬が榊の名前をまた呼んでしまった。
あとでこれはお尻をいっぱい叩く事になってしまうなと榊は思う。
過ちを冒した時には体罰を与えてもいい事になっていた。
特に従順な子供ほどその効果はてきめんに現れる。
ここでは過ちを冒した子にはその罪を悔い改める為に体罰もある事は、入所したその日に施設長である有栖川から瞬にも伝えられていた。
瞬の主人との罰の取り決めは、瞬が過ちを冒したら瞬のお尻を叩いてくれとの要望があった。
主人も瞬のお尻が赤く腫れあがるのを見るのを心待ちにしている事だろうと思った。
お仕置きはまだ使われていない勉強机に腹を付けさせ、突き出させた可愛い白桃を紅く完熟した水蜜桃にしてあげる事にしようと思う。
そんな榊の策略めいた思考を瞬は知るはずもなく、早く中のモノを出させて欲しいと全身で哀願していた。
「さあそろそろいいですよ。
ゆっくり力を抜いてください。
逆にいきんではいけませんよ!
今息むとその肛門が飛び出してしまいますから、ゆっくりと力を抜くだけで輸液と一緒に便が吐き出されますから。
瞬、浣腸は小さなものよりこっちの方が出すのに楽なんですよ。
入れるのは大変ですけど、息む必要がなく中までしっかり綺麗にしてくれますからね。
ここはお父様の元に帰った時、瞬をいっぱい可愛がってくださる場所だと思ってください。
今はここをこうして日々綺麗に保ち、お父様に可愛がっていただくその日まで大切に扱わなければならないのですよ。
瞬もお父様にいっぱい可愛がっていただきたいですよね?」
「はぁはぁ…お父さまにいっぱい可愛がって…欲しいです」
「瞬は本当に頑張屋さんでいい子ですね。
ここでの頑張りは毎日お父様にご報告していますよ」
「おと…さまに?」
もはやまともな言葉も出せない程の産みの苦しみの最中にあろうと瞬は榊の問いかけに素直に反応を示す。
そんな瞬が可愛いとつい榊らしくもなく思ってしまう。
だがここは自分の感情など挟むべき場所ではない事は、ベテランの躾士は重々承知していた。
実際、ここでの瞬の可愛らしさは逐一主人である堂島に報告している事は本当の事であった。
鏡の裏にある隠しカメラでも躾の現場は常に確認は出来るが、堂島にだって日常はある。
四六時中いくら可愛い子供の躾を見ていたくとも、そればかりに見惚れている訳にもいかない。
だから日報として瞬の躾の一日の流れを報告し、その各項目のハイライト映像を添付して送る、それが榊の仕事の一つでもあった。
「そうです。瞬のおしっこをしている姿も、こうして頑張って毎日排便している姿も、全部お父さまにはご報告させていただいています。
お父様もそれを見て瞬が頑張っているのをとてもお悦びになっていらっしゃいましたよ。
…ですが瞬。
今日はそれに対し残念な報告を付け加えなければなりませんね」
「残念な報告?」
「そうです。あなたは二つだけやってはいけない過ちをおかしました」
「過ち?」
訳がわからず瞬はぽかんとしている。
これだけ頑張ったのに何の過ちを冒したというのだろうと、必死に自分の行いを振り返ってみた。
だがどうしても恥ずかしい姿を晒して泣き叫んでしまった事しか思い浮かばない。
「僕がやめてって言ったから?」
「それは違います。やめてやイヤイヤというのは別に生理的なものなのでそこは多目に見ています」
「じゃあ、何が?」
「瞬は先ほど誰に許しを請いましたか?」
「お父さま…です」
「そうです。ですが最後に二回も私の名前に許しを請いました。
それはお父様に対する重大な背徳行為です。
なので後でこの事はお父さまにご報告しなければなりません」
そう言われて瞬の顔色がサッと青ざめていくのを榊は鏡の向こうに向かってニヤリと目配せするのだった。
「ごめんなさい!許してください!」
「誰に許してもらいたいのですか?」
「おとう…さまにです」
「そうですね。
ここでは悪い事をしたら体罰もあると言われていましたよね?
瞬が悪い事をしたと思うなら罰を受けなければなりません」
「ばつ…?」
「そうです。瞬がきちんと罰を受けて罪を償えばお父様も可愛い瞬の事をきっと許してくださいます。
瞬は罰を受けられますか?」
瞬は震えながらも榊に言った。
「受けられます」
ようやく排泄の許しがもらえたというのに、今の瞬はその腸が吐き出したいと蠢く痛みすら忘れてしまう程に、榊の『過ち』という言葉が重くのしかかっていた。
「お父さま…許して…僕を嫌いにならないで…」
瞬は極限まで高められた排泄感に苛まれ、下腹の痛みに耐えながらも、顔が見えない父親に向かって涙を流し、何度も許しを請い続けていた。
榊はそんな瞬のお腹を優しくさすりながら、早くその中のものが綺麗に吐き出せるように手伝ってやる。
言葉で煽っても結局榊は瞬には甘いのだ。
他の子供の時にはもっと鬼のような躾だってするのに、瞬に関しては結局いつも手助けをしてしまう。
「わかりました。
瞬もう泣かなくても大丈夫ですよ。
きちんと罪を償えばお父様は瞬を嫌いになんてなりません。
瞬は堂島様にとってこんなにも大切にしている可愛い子供なのに、それを本気で嫌うわけがないじゃないですか」
その榊の優しい声が瞬の耳に響いて来ると、泣きじゃくっていた瞬もやがて落ち着いて来るのだった。
瞬はいつも榊によって泣かされて、また榊によってなぐさめられる。
痛い事、苦しい事の後には榊が優しくあやしてくれる。
それだから瞬の目の輝きも愛らしさも何度となく再生され、いつまでも穢れを知らないままでいられるのだった。
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