神様へと祈りを込めて

暦海

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一つだけ分かったこと

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 そう、朗らかな声音で告げる。……依月、神社……うん、やっぱり聞いたことがない。まあ、それはともあれ――


「……えっと、初めまして。僕は、霧崎きりさき陶夜とうやです。えっと、高校一年生です」
「……陶夜くん、か。うん、宜しくね陶夜くん!」

 すると、僕の名前を呟きそう言い放つ依月さん。……えっと、名前? 苗字じゃなくて? いや、もちろん嫌なわけじゃないけど、流石にちょっと驚いて。だって、初対面でいきなり……いや、それともこれが普通なのかな? 最近の若い人達はとっては。


 ……まあ、それはそれとして――

「……あの、依月いづきさ――」
「あっ、風奈ふうなでいいよ。私と陶夜くんの仲なんだし」
「どんな仲!?」

 思いも寄らぬ依月さんの言葉に、思わずツッコミを入れる僕。……そう言えば、初めてかも。ツッコミを入れたのなんて。いや、でも実際それくらい驚愕で……えっと、初対面……ですよね? そもそも、彼女自身初めましてって言ってたし。……まあ、それはともあれ。

「……あの依月さ…………あの、風奈さん。その、以前からありました? こちらの神社」

 そう、躊躇いつつ尋ねる。ちなみに、言い直したのはお名前――苗字の方で呼ぶ最中さなか、あからさまにプイと顔を背けたから。そして、もしやと思い緊張……本当に緊張しつつお名前――名前の方で呼ぶと、やれやれ仕方ないといった笑顔で再びこちらを向いてくれて……うん、まあ、その方が良いなら良いんだけど……うん、やっぱり恥ずか――


「……ふふっ、よく気付いたね陶夜くん。何を隠そうこの神社、私が呪文でちゃちゃっと出しちゃったんだよ」
「…………ん?」

 ふと、思いも寄らない返答が届く。見ると、いつの間にやらその手には可愛らしいステッキが。そして、戸惑う僕を余所に再び口を開いて――


「――巫女とは、世を忍ぶ仮の姿。その正体は……なんと、地球を救うべくこの時代へとやって来た魔法少女なのです!」

 そう、何とも晴れやかな笑顔で告げる。うん、結局ほぼ何も分からない。だけど、そんな中で一つだけ分かったことは――


「――あ、すみませんお邪魔しました」
「ドン引きの笑顔で立ち去ろうとしないで!!」




 


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