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待望
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「……どうかな? 深影さん」
「……はい、とても気持ち良いです。……その、鈴珠さんは如何でしょう? 僕などでは、力不足であることは承知していますが……」
「……ううん、力不足なんかじゃない。その……すっごく、気持ちいい」
「……そ、そうですか。それなら、良かったです」
それから、ほどなくして。
お部屋にて、吐息の絡まる距離にてそんなやり取りを交わす私達。ところで、彼の方から聞かれたのは初めてだけど……だけど、ずっと気にしてくれてはいたのだろう。でも、自信がなくて聞くに聞けなかった、という感じかな。まあ、きっと今もないんだろうけど。
……あっ、ちなみにもうそういう――お客さまと遊女の関係ではないので、代金のやり取りは一切なく……まあ、言うまでもないよね。
……ただ、それはともあれ……確かに、以前より気持ちは伝わる。本当に気持ちいいと感じてくれていることは、今はきちんと伝わる。……でも、やっぱりまだ――
「…………あっ」
「……へっ?」
刹那、思考が止まる。……あれ、今、もしかして――
「……今、声出した?」
「……その……はい」
そう尋ねると、さっと顔を逸らし呟く深影さん。……うん、今なら分かる。今までずっと色々と耐えてきたのは、きっと奥さんへの罪悪の念から。そして、今もきっと……だけど――
「……ふふっ、ふふっ……」
「……鈴珠さん……?」
「……そんなに、気持ちよかったんだ?」
「……その……はい」
思わず、声が洩れる。我ながら、何とも気持ちの悪い声が。……いや、だって……やっと、出してくれたんだし。ずっと……ずっと聞きたかった、私みたいないやらしい声を。
その後、控えめにこちらを顔を戻す深影さん。そんな彼の頬にそっと手を添え、何とも意地の悪いであろう笑顔を浮かべて告げる。
「――まだまだ、これからだよね? 深影さん」
「……はい、とても気持ち良いです。……その、鈴珠さんは如何でしょう? 僕などでは、力不足であることは承知していますが……」
「……ううん、力不足なんかじゃない。その……すっごく、気持ちいい」
「……そ、そうですか。それなら、良かったです」
それから、ほどなくして。
お部屋にて、吐息の絡まる距離にてそんなやり取りを交わす私達。ところで、彼の方から聞かれたのは初めてだけど……だけど、ずっと気にしてくれてはいたのだろう。でも、自信がなくて聞くに聞けなかった、という感じかな。まあ、きっと今もないんだろうけど。
……あっ、ちなみにもうそういう――お客さまと遊女の関係ではないので、代金のやり取りは一切なく……まあ、言うまでもないよね。
……ただ、それはともあれ……確かに、以前より気持ちは伝わる。本当に気持ちいいと感じてくれていることは、今はきちんと伝わる。……でも、やっぱりまだ――
「…………あっ」
「……へっ?」
刹那、思考が止まる。……あれ、今、もしかして――
「……今、声出した?」
「……その……はい」
そう尋ねると、さっと顔を逸らし呟く深影さん。……うん、今なら分かる。今までずっと色々と耐えてきたのは、きっと奥さんへの罪悪の念から。そして、今もきっと……だけど――
「……ふふっ、ふふっ……」
「……鈴珠さん……?」
「……そんなに、気持ちよかったんだ?」
「……その……はい」
思わず、声が洩れる。我ながら、何とも気持ちの悪い声が。……いや、だって……やっと、出してくれたんだし。ずっと……ずっと聞きたかった、私みたいないやらしい声を。
その後、控えめにこちらを顔を戻す深影さん。そんな彼の頬にそっと手を添え、何とも意地の悪いであろう笑顔を浮かべて告げる。
「――まだまだ、これからだよね? 深影さん」
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