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04 お宅訪問!
3 屋敷の管理は大変なんです
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「言い訳させて」
どうぞ。
「お、思ったよりもその、屋敷の状態が悪くてね。放ったらかしにしてた魔道具とか魔道書とかの対処に手を焼いてしまって……」
「なるほど?」
「その後、まずは庭をなんとかしないとなぁって思って、魔法で庭を直していたら想像以上に疲れちゃって……」
「それで寝ちゃった、ってところですか」
「……あはは」
苦笑を浮かべる先生。いや、もう私来ちゃったし笑うしかないのはそうなんだけどね。
「ともかく、お掃除しましょ? 私も手伝いますから」
「いやっ、僕が招いたわけだし、アリスはゆっくりしてて……」
確かに私はお客さんだけれど、正直その言葉に甘えるのには少し躊躇いがある。
だって、先生や。
「私がゆっくりできる部屋ってあるんですか?」
「あっ……」
気づいてしまいましたか。
先生が寝ていたこの部屋はまだ綺麗だ。といっても本棚の方はところどころ埃が残っているし、何よりこの書斎には結構本が床に置いてあったりする。どこか圧迫感を覚えるここでじっとしているよりは、掃除を手伝うついでに身体を動かした方がいい。
「っていうか、お庭は魔法で直したって、すごいですね!」
「あー、うん。雑草とか、とにかく凄くて」
「庭師さんとか雇わなかったんですか?」
雑草ぼーぼーの庭を任される庭師も、想像してみると同情してしまうが。お金に困ってなかったのなら、何人か雇ってもよかったような気もする。
そんな普通の質問をすれば、先生はまたもや困った顔をする。
「人を雇ったことはないなぁ。全部魔法で片付けられたからね」
「そうなんですか」
そりゃあすごい、と思う反面、少し寂しいような気もする。
こんなに広い屋敷なのに、一緒に生活するような人がいなかったなんて。いくらぼっち耐性が高い私でも、心細さで死んでしまうかもしれない。
というか、こんだけ広かったら夜とか絶対に怖い。オバケとか出そう。
「まぁでも、アリスが魔法での掃除を見たいって言うのなら、派手なパフォーマンスをお見せしようかな」
「おおっ! あ、でも、お疲れなんじゃ……?」
「大丈夫。ちょっと寝過ぎたし……」
ということは先生は寝坊したのか。
いつもは隙を見せない先生が寝坊したと思うと、そのギャップできゅんと来てしまう。
「(節操なしオタク、なかなかに重症だ)」
「それじゃあ、始めようか」
手を差し伸べてくる先生の手を取る。触れた瞬間、床にばらばらと崩れ落ちていた本が、一人でに本棚へと入っていく。それと同時にカーテンが開き、窓が大きく開け放たれた。そこからふわりと風が吹いたかと思えば、外の清々しい空気が入ってくる。
「次に行こう」
書斎の扉が開くと同時に先生に手を引かれる。そのまま廊下に出れば、リズム良くカーテンと窓が開き、埃やら何やらが剥がされて床や壁が本来の色を取り戻していく。
「わー……!」
一気に屋内に日が差し込み、明るくなる。放られていたものは綺麗に収納され、空っぽの花瓶にはどこからともなく花が現れ、調度品も何もかもがピカピカと光っているように見えた。
映画やアニメとかでしか見たことがない、ファンタジックな光景。それに私は大はしゃぎしていた。
「すっごい! あんなに汚かったのに!」
埃も蜘蛛の巣も、ものの数分でどこにも見えなくなる。あんなにどんよりと、廃墟です、みたいな見た目だった屋敷が、ここまで様変わりするとは思っていなかった。
「さすがハッター先生、最優の魔法使い!」
「喜んでもらえたようでなによりだよ」
いつもの営業スマイルを浮かべたのも一瞬だけで、先生はすぐに疲れたような顔をする。
「はぁ……やっぱ大きい屋敷ってのは不便だな」
どうやら普通に疲れてしまったらしい。
それもそうだ。こんだけ広い屋敷の掃除を、魔法を使ってとはいえ一瞬で済ませたのだ。いくら先生といえども疲れてしまうだろう。
しかし細かいところを見ればまだところどころ汚れは残っている。仕上げは手でやった方が良さそうだ。
「じゃあ細かい場所は手で頑張りましょう! お手伝いします」
「え、いやいや、大丈夫だよ。残りもさっさと済ませるから」
「魔法の使いすぎで疲れて掃除終わった後、先生寝ちゃうかもしれないじゃないですか。せっかく遊びに来たんですから、私に構う体力は残しておいてください、ってことで」
「え……」
驚いたような顔をした先生は不思議そうに目を瞬かせる。
何か変なこと言いましたか、私。
「せんせ?」
「……いや」
意味深な笑みを浮かべて、先生は少し強めに私の手を握る。その視線にどこか、あの夜のことを思い出してしまった私は、なんだか顔が熱くなる。
「お言葉に甘えようかな。僕も、アリスとの時間を大切にしたいから、ね?」
終わったらいっぱい構ってあげる、なんて、危うい言葉が聞こえてきた。
どうぞ。
「お、思ったよりもその、屋敷の状態が悪くてね。放ったらかしにしてた魔道具とか魔道書とかの対処に手を焼いてしまって……」
「なるほど?」
「その後、まずは庭をなんとかしないとなぁって思って、魔法で庭を直していたら想像以上に疲れちゃって……」
「それで寝ちゃった、ってところですか」
「……あはは」
苦笑を浮かべる先生。いや、もう私来ちゃったし笑うしかないのはそうなんだけどね。
「ともかく、お掃除しましょ? 私も手伝いますから」
「いやっ、僕が招いたわけだし、アリスはゆっくりしてて……」
確かに私はお客さんだけれど、正直その言葉に甘えるのには少し躊躇いがある。
だって、先生や。
「私がゆっくりできる部屋ってあるんですか?」
「あっ……」
気づいてしまいましたか。
先生が寝ていたこの部屋はまだ綺麗だ。といっても本棚の方はところどころ埃が残っているし、何よりこの書斎には結構本が床に置いてあったりする。どこか圧迫感を覚えるここでじっとしているよりは、掃除を手伝うついでに身体を動かした方がいい。
「っていうか、お庭は魔法で直したって、すごいですね!」
「あー、うん。雑草とか、とにかく凄くて」
「庭師さんとか雇わなかったんですか?」
雑草ぼーぼーの庭を任される庭師も、想像してみると同情してしまうが。お金に困ってなかったのなら、何人か雇ってもよかったような気もする。
そんな普通の質問をすれば、先生はまたもや困った顔をする。
「人を雇ったことはないなぁ。全部魔法で片付けられたからね」
「そうなんですか」
そりゃあすごい、と思う反面、少し寂しいような気もする。
こんなに広い屋敷なのに、一緒に生活するような人がいなかったなんて。いくらぼっち耐性が高い私でも、心細さで死んでしまうかもしれない。
というか、こんだけ広かったら夜とか絶対に怖い。オバケとか出そう。
「まぁでも、アリスが魔法での掃除を見たいって言うのなら、派手なパフォーマンスをお見せしようかな」
「おおっ! あ、でも、お疲れなんじゃ……?」
「大丈夫。ちょっと寝過ぎたし……」
ということは先生は寝坊したのか。
いつもは隙を見せない先生が寝坊したと思うと、そのギャップできゅんと来てしまう。
「(節操なしオタク、なかなかに重症だ)」
「それじゃあ、始めようか」
手を差し伸べてくる先生の手を取る。触れた瞬間、床にばらばらと崩れ落ちていた本が、一人でに本棚へと入っていく。それと同時にカーテンが開き、窓が大きく開け放たれた。そこからふわりと風が吹いたかと思えば、外の清々しい空気が入ってくる。
「次に行こう」
書斎の扉が開くと同時に先生に手を引かれる。そのまま廊下に出れば、リズム良くカーテンと窓が開き、埃やら何やらが剥がされて床や壁が本来の色を取り戻していく。
「わー……!」
一気に屋内に日が差し込み、明るくなる。放られていたものは綺麗に収納され、空っぽの花瓶にはどこからともなく花が現れ、調度品も何もかもがピカピカと光っているように見えた。
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「すっごい! あんなに汚かったのに!」
埃も蜘蛛の巣も、ものの数分でどこにも見えなくなる。あんなにどんよりと、廃墟です、みたいな見た目だった屋敷が、ここまで様変わりするとは思っていなかった。
「さすがハッター先生、最優の魔法使い!」
「喜んでもらえたようでなによりだよ」
いつもの営業スマイルを浮かべたのも一瞬だけで、先生はすぐに疲れたような顔をする。
「はぁ……やっぱ大きい屋敷ってのは不便だな」
どうやら普通に疲れてしまったらしい。
それもそうだ。こんだけ広い屋敷の掃除を、魔法を使ってとはいえ一瞬で済ませたのだ。いくら先生といえども疲れてしまうだろう。
しかし細かいところを見ればまだところどころ汚れは残っている。仕上げは手でやった方が良さそうだ。
「じゃあ細かい場所は手で頑張りましょう! お手伝いします」
「え、いやいや、大丈夫だよ。残りもさっさと済ませるから」
「魔法の使いすぎで疲れて掃除終わった後、先生寝ちゃうかもしれないじゃないですか。せっかく遊びに来たんですから、私に構う体力は残しておいてください、ってことで」
「え……」
驚いたような顔をした先生は不思議そうに目を瞬かせる。
何か変なこと言いましたか、私。
「せんせ?」
「……いや」
意味深な笑みを浮かべて、先生は少し強めに私の手を握る。その視線にどこか、あの夜のことを思い出してしまった私は、なんだか顔が熱くなる。
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