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今夜、迎えに行きます……。黒猫のモグ、僕の友達。
強くなりたい
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学校の帰り道、あの地震のあった日から昌子ちゃん、まどかちゃん、美穂ちゃんと一緒に帰る事が当たり前のようになった。
彼女達は皆それぞれが可愛らしくてクラスの人気者であった。彼女達と連れだって帰る僕に男子生徒からの若干のやっかみ、嫉妬があるようであったがそれは気にしない事にする。
「前ピー帰ろ!」昌子ちゃんが声をかけてくれる。ここ最近、彼女達は僕の事をそう呼ぶようになった。
「うん、ちょっと待ってね」慌てて教科書を鞄の中に突っ込み教室を飛び出る。
「来た来た!帰ろう!」昌子ちゃんはがに股で先頭をきって歩く。聞いた話では彼女は空手とか武術をやっているらしくて、男子生徒達も一目置いているそうだ。学校の問題児達も彼女が通ると道を開けるという。
「ちょっと、昌子ちゃん。そんな歩き方していたらお嫁さんに行けなくなるよ」まどかちゃんが呆れた顔をしながら注意する。
「大丈夫、私はまどかと結婚する予定だから」彼女は豪快に笑った。
「もう、いつもこの調子なんだから……」となりの美穂ちゃんも苦笑いしていた。
「でも、私は思うんだけどケンカとか中途半端に強いとか、勉強出来る奴よりも、いざっていうときに女の子を守れる男の子がやっぱり一番カッコいいと思うんだ、ねえ前ピー?」昌子ちゃんがいきなり僕に話題を振ってくる。
「えっ?」どういう意味かよく解らなかった。
「この間の地震の時の前ピーはカッコ良くて、私でもキュンとしたよ」昌子ちゃんは、ウインクをして見せた。
「えっ、いや、あの時は突然で訳が解らなかったから……」僕の顔は真っ赤になっているだろう。
「だから、そういう時に人間の本性が出るんだよ。君は自信をもっていいよ。あっちなみに地震と自信をかけた訳じゃないからね。」
「もう!昌子ちゃん、面白くない!」まどかちゃんはまた呆れ顔をした。
「ナハハハハ!」彼女は豪快に笑った。
「あっ、あれ、また黒猫が!」美穂ちゃんが指差した先の塀の上で黒い猫が寝ている。モグに似ているような気がしたがよく解らない。
「また、不吉な……」昌子ちゃんが口にした瞬間、道路の角からトラックが暴走してくる。そのトラックが昌子ちゃんに向かって一直線にぶつかりそうな勢いだった。
「危ない!」僕は咄嗟に彼女の体を弾き飛ばした。そのまま彼女は転がり道端へ!今度は僕の目の前にトラックが近づいてくる。とても避ける事が出来ない。僕は両目を強く瞑った。
トラックが電柱にぶつかり激しい激突音が響いた。
「あっ、あれ僕は怪我をしていない……」体に痛みは無い。何かに抱き抱えられているような感覚だった。ゆっくりと目を開くと、そこには端正な顔をした青年の姿があった。
「あっ、ありがとうございます」僕は反射的にお礼を言った。
「気を付けんとあかんで!いつ車が出てくるかわからんし、喋りながら真ん中歩いとったらまた、車にはねられるで!」男の人は関西弁で僕達をたしなめた。
「すいません」四人並んで謝った。
「解ればいいんや。姉ちゃん達も気を付けや」そう言うと彼は颯爽《さっそう》と姿を消した。
「凄い人だね」まどかちゃんは驚いて口を開いたままだった。
「あーん、前ピー!助けてくれてありがとう!惚れちゃうかも!」昌子ちゃんが僕の体に飛びついてきた。
「いやいや……、そんな……、あの人がいなかったら」昌子ちゃんにその言葉を返しながら、心の中で、あの男の人みたいに僕も強い男になりたいと思っていた。
彼女達は皆それぞれが可愛らしくてクラスの人気者であった。彼女達と連れだって帰る僕に男子生徒からの若干のやっかみ、嫉妬があるようであったがそれは気にしない事にする。
「前ピー帰ろ!」昌子ちゃんが声をかけてくれる。ここ最近、彼女達は僕の事をそう呼ぶようになった。
「うん、ちょっと待ってね」慌てて教科書を鞄の中に突っ込み教室を飛び出る。
「来た来た!帰ろう!」昌子ちゃんはがに股で先頭をきって歩く。聞いた話では彼女は空手とか武術をやっているらしくて、男子生徒達も一目置いているそうだ。学校の問題児達も彼女が通ると道を開けるという。
「ちょっと、昌子ちゃん。そんな歩き方していたらお嫁さんに行けなくなるよ」まどかちゃんが呆れた顔をしながら注意する。
「大丈夫、私はまどかと結婚する予定だから」彼女は豪快に笑った。
「もう、いつもこの調子なんだから……」となりの美穂ちゃんも苦笑いしていた。
「でも、私は思うんだけどケンカとか中途半端に強いとか、勉強出来る奴よりも、いざっていうときに女の子を守れる男の子がやっぱり一番カッコいいと思うんだ、ねえ前ピー?」昌子ちゃんがいきなり僕に話題を振ってくる。
「えっ?」どういう意味かよく解らなかった。
「この間の地震の時の前ピーはカッコ良くて、私でもキュンとしたよ」昌子ちゃんは、ウインクをして見せた。
「えっ、いや、あの時は突然で訳が解らなかったから……」僕の顔は真っ赤になっているだろう。
「だから、そういう時に人間の本性が出るんだよ。君は自信をもっていいよ。あっちなみに地震と自信をかけた訳じゃないからね。」
「もう!昌子ちゃん、面白くない!」まどかちゃんはまた呆れ顔をした。
「ナハハハハ!」彼女は豪快に笑った。
「あっ、あれ、また黒猫が!」美穂ちゃんが指差した先の塀の上で黒い猫が寝ている。モグに似ているような気がしたがよく解らない。
「また、不吉な……」昌子ちゃんが口にした瞬間、道路の角からトラックが暴走してくる。そのトラックが昌子ちゃんに向かって一直線にぶつかりそうな勢いだった。
「危ない!」僕は咄嗟に彼女の体を弾き飛ばした。そのまま彼女は転がり道端へ!今度は僕の目の前にトラックが近づいてくる。とても避ける事が出来ない。僕は両目を強く瞑った。
トラックが電柱にぶつかり激しい激突音が響いた。
「あっ、あれ僕は怪我をしていない……」体に痛みは無い。何かに抱き抱えられているような感覚だった。ゆっくりと目を開くと、そこには端正な顔をした青年の姿があった。
「あっ、ありがとうございます」僕は反射的にお礼を言った。
「気を付けんとあかんで!いつ車が出てくるかわからんし、喋りながら真ん中歩いとったらまた、車にはねられるで!」男の人は関西弁で僕達をたしなめた。
「すいません」四人並んで謝った。
「解ればいいんや。姉ちゃん達も気を付けや」そう言うと彼は颯爽《さっそう》と姿を消した。
「凄い人だね」まどかちゃんは驚いて口を開いたままだった。
「あーん、前ピー!助けてくれてありがとう!惚れちゃうかも!」昌子ちゃんが僕の体に飛びついてきた。
「いやいや……、そんな……、あの人がいなかったら」昌子ちゃんにその言葉を返しながら、心の中で、あの男の人みたいに僕も強い男になりたいと思っていた。
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