20 / 24
二十話
しおりを挟む「まぁいいわ。うるさいし仮面姿の者に連れられるままについて行くと大きな部屋に到着した。そこは一般的な学校の体育館くらいの大きさの部屋で奇妙なことに仮面姿の者に連れられるままについて行くと大きな部屋に到着した。そこは一般的な学校の体育館くらいの大きさの部屋で奇妙なことに窓から差している光は全てが紅く染まっていて、部屋全体が紅い光によって包まれている。そして奥の玉座のような場所には豪華なドレスを纏った女性が座っていた。彼女が三日月の母親である宵月という吸血鬼だろう。
「三日月、また会えてとても嬉しいわ。」
宵月は妖艶な笑みを浮かべながら言った。
「私はもう二度と会いたくなかったわ。」
三日月はキッと睨みつけ、宵月に毒づいた。
「あらあら、そんなに興奮しちゃって…それはそうと私の可愛い三日月の隣にいるその小汚い人間は何なの?目障りよ!」
「そうですか…それじゃあ俺はしばらくどこかに行ってますね。」
俺はその場から立ち去ろうとしたが、宵月の言葉によって遮られてしまった。
「その必要はないわ。なぜならあなたにはもうここで消えてもらうからよ。」
そういって宵月は不気味に笑うと、血晶でできたナイフのようなものを俺に向けて投げつけてきた。俺は突然のことに恐怖と驚きで体が緊張して動かなくなってしまった。それに対して頭の方は冷静に動いていて、ナイフの軌跡やどのように俺に命中するかなどを瞬時に分析していた。そしてそれはこのままいけば俺の左胸、つまり心臓に命中することや、今から俺が回避運動をとっても避けることのできないことを理解していた。
ナイフの刃先が俺に命中しようとしたその時、三日月が俺に体当たりして、俺を突き飛ばした。三日月もとっさのことで力加減ができなかったようで、俺は数メートルほど先の床に投げ出された。
「あなた、大丈夫?けがはないかしら?」
「俺は大丈夫ですけど…」
ナイフは三日月の右肩に深々と刺さっていた。三日月はナイフが刺さっている右肩を左手で抑えてかばっている。
「私は大丈夫だから気にしないで頂戴。」
そうは言いながらも肩から血は流れていて、三日月自身もハァハァと肩で呼吸をしている。俺に心配を掛けないように強がっているのだろう。
「なんであなたは人間なんかをかばっているの?何を考えているの?」
「あなたみたいな吸血鬼の風上にも置けないような者には彼の魅力は分からないわ。」
「き、吸血鬼の風上にも置けないですって?その言葉撤回しなさい!私は誇り高き吸血鬼よ!」
先程までの余裕が嘘のように宵月は怒り始めた。プライドが高いのか自分の誇りをこけにされたのかがよほど気に食わなかったらしい。
「あなたたち、ちょっと三日月に痛い目を見せてあげなさい!」
宵月が合図すると、仮面姿の半吸血鬼の集団が一斉に三日月に襲い掛かった。
「み、三日月さん!」
三日月の方へと駆け寄ろうとしたが、後ろから何かひも状のものが俺に巻き付いてそれを阻止した。ひもは宵月が握っていて、宵月によって操られている。
「あなたは私とゆっくりお話ししましょうね。」
ひもによって宵月のすぐそばまで引っ張られた。
「離せ!そして三日月さんを解放しろ!」
俺は宵月を威嚇するように叫んだ。
「あらあら怖いわね。人間のくせに私の可愛い三日月に手を出すなんて許さない。でもね三日月があなたを求めた理由も気になるの。」
「クソ!この縄を解け!」
「あなたは馬鹿なの?縄を解けって言われたからって解くと思う?人間の世界ならといてあげるのかもしれないけどここは吸血鬼の世界。そんなに甘くないわよ。」
宵月は俺を見下して馬鹿にするように言った。
「まぁいいわ。うるさいし意識を落としてあげるわ。それじゃあ目覚めたときゆっくりお話ししましょうね。」
ガツン!
後頭部に鈍い衝撃が走ったと思うと意識が吹き飛んでいった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
前世の記憶しかない元侯爵令嬢は、訳あり大公殿下のお気に入り。(注:期間限定)
miy
恋愛
(※長編なため、少しネタバレを含みます)
ある日目覚めたら、そこは見たことも聞いたこともない…異国でした。
ここは、どうやら転生後の人生。
私は大貴族の令嬢レティシア17歳…らしいのですが…全く記憶にございません。
有り難いことに言葉は理解できるし、読み書きも問題なし。
でも、見知らぬ世界で貴族生活?いやいや…私は平凡な日本人のようですよ?…無理です。
“前世の記憶”として目覚めた私は、現世の“レティシアの身体”で…静かな庶民生活を始める。
そんな私の前に、一人の貴族男性が現れた。
ちょっと?訳ありな彼が、私を…自分の『唯一の女性』であると誤解してしまったことから、庶民生活が一変してしまう。
高い身分の彼に関わってしまった私は、元いた国を飛び出して魔法の国で暮らすことになるのです。
大公殿下、大魔術師、聖女や神獣…等など…いろんな人との出会いを経て『レティシア』が自分らしく生きていく。
という、少々…長いお話です。
鈍感なレティシアが、大公殿下からの熱い眼差しに気付くのはいつなのでしょうか…?
※安定のご都合主義、独自の世界観です。お許し下さい。
※ストーリーの進度は遅めかと思われます。
※現在、不定期にて公開中です。よろしくお願い致します。
公開予定日を最新話に記載しておりますが、長期休載の場合はこちらでもお知らせをさせて頂きます。
※ド素人の書いた3作目です。まだまだ優しい目で見て頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。
※初公開から2年が過ぎました。少しでも良い作品に、読みやすく…と、時間があれば順次手直し(改稿)をしていく予定でおります。(現在、146話辺りまで手直し作業中)
※章の区切りを変更致しました。(9/22更新)
死に戻ったら、私だけ幼児化していた件について
えくれあ
恋愛
セラフィーナは6歳の時に王太子となるアルバートとの婚約が決まって以降、ずっと王家のために身を粉にして努力を続けてきたつもりだった。
しかしながら、いつしか悪女と呼ばれるようになり、18歳の時にアルバートから婚約解消を告げられてしまう。
その後、死を迎えたはずのセラフィーナは、目を覚ますと2年前に戻っていた。だが、周囲の人間はセラフィーナが死ぬ2年前の姿と相違ないのに、セラフィーナだけは同じ年齢だったはずのアルバートより10歳も幼い6歳の姿だった。
死を迎える前と同じこともあれば、年齢が異なるが故に違うこともある。
戸惑いを覚えながらも、死んでしまったためにできなかったことを今度こそ、とセラフィーナは心に誓うのだった。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
ブラック企業で倒れた私を、ネトゲ仲間の社長が強制保護して溺愛しています
紅 与一
恋愛
過労で倒れた私を救ったのは、
ネトゲ仲間――そしてIT企業の若き社長。
「もう君は、僕の管理下だよ」
退院と同時に退職手続きは完了。
住む場所も、生活も、すべて彼に囲われた。
外出制限、健康管理、過保護な独占欲。
甘くて危険な“保護生活”の中で、
私は少しずつ彼に心を奪われていく――。
元社畜OL×執着気味の溺愛社長
囲い込み同棲ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる