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神人と人間
25.死なないゾンビーズ
しおりを挟むここは宇宙にある小さな星。前は砂漠の黄色い星でしたが、今は海が一面覆う青い星です。
美しいその星を眺めるのが大好きな私は、引き目でずーっと見ていました。
青い地球が懐かしい。それこそ宇宙から見たことはないけれど。「地球は青かった」と、過去形で私は思うのでした。
しかし問題は起こっている最中です。
“まだ死にませんか?”
“はい。平気そうですね”
私の問いかけに言神さんは答えます。私がサボタージュしている間、ずっと彼は地上の状況を見ていてくれています。
およそ六年ぶりに私も地上を見てみることにしました。激流に流れる海の星。大地なんてものはありません。
“……楽しそうですね”
その大海原に無数のゾンビさんたちが浮遊していました。
みんな常に笑顔なので、なんだか遊んでいるかのようです。
彼らは不死身です。食べ飲みしなくても生き長らえた。欲望を失えば、ただただ生きていられた。
幸せかどうかは分かりません。ただし全員がすっごく笑顔です。
私は愛神さんに助けを求めました。すると愛神さんは二つ返事で答えました。OKでした。
“よいしょー!”
と、掛け声を出す。
すると。海がピカッと光り、ゾンビさんは電撃を受けたかのように痺れて動かなくなる。
ついさっきまで水遊びをしていたみたいな可愛くも困ったゾンビさんたち。それが今はぷっかり浮いた死体です。
愛を司る力は、奪うことに使えば恐ろしいですね。
“死んだんですか……?”
愛神さんは、きゃぴっとウインクで答えました。
しかし死体をどうしたら良いのやら。あんまり見ていたくないですよね……。
“愛神さん……”
“おっけー!”
そして海の底にある大地が割れます。あわや、あわや。死体を運ぶ大海原は、渦を巻いてその割れ目に入っていきました。
ゾンビさんたちも巻き込まれて流されます。
こ、これは……。
“トイレみたい”
水洗式です。
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