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第1章
父
しおりを挟む―ブランの部屋―
部屋に戻り、カール料理長からもらったパンを食べる。
ジューシーなソーセージが挟まっていて、ブランにとっては豪華な朝ごはんだ。
(美味しい。早く食べなきゃ。アイツらが来る前に――)
美味しいパンを噛みしめる時間はない。メイドたちが早朝の紅茶を運んでいったということは、すぐにあの二人がブランの部屋に来るはずだ――。
まともに噛む暇もなく最後の一口を飲みこむ。
その時、廊下の奥から声が聞こえてきた。
「さっさと起きなさいよ!奴隷風情が私を待たせるんじゃないの!」
「おら、出てこい悪魔ァ」
耳に響く金切り声だ。
ドスドスと足音をわざと響かせて近づいてきて、扉が蹴り開けられた。
そこにいたのは顔のよく似た金髪の少年少女。侯爵家長男のデレクと双子の姉レイチェルだ。二人はブランと違って美しい顔立ちで汚れ一つ見当たらない。身にまとっている物もいつだって新品で高級である。
「相変わらず汚ないし臭ぇ部屋だな。でも良かったじゃねぇか、お前。卑しい身分にも関わらず、お父様の寛大なお心でこの屋敷に住まわせてもらえて」
髪を乱暴に掴まれて床に叩きつけられる。
「そんで?まだ挨拶聞いてないけど」
デレクの足がブランの背中に乗せられる。ブランが身体を起こそうとするとその足に力が入る。体格差で遊んでいるのだ。
どん、と踏みつけられブランは一瞬息ができなくなった。扇子で口元を隠しながらレイチェルが言う。
「さぁ、なんていうの?」
ブランは呼吸をなんとか整え、か細い声で言った。
「おはようございます。お兄様、お姉様」
その瞬間、腹部に重い衝撃と電気がはしる。
ブランの小さな体は壁まで吹っ飛び、背中を打ち付けて咳き込んだ。足に電流を纏ったデレクがゴミを見る目でブランを見ていた。
「ぐはっ……、ごほごほっ!」
(体が痺れる……。雷魔法?)
「本当うざいやつ」
デレクが一瞬で目の前に現れ、もう一度ブランを蹴ろうとした時、レイチェルの声が制止した。
「デレク、おやめなさい」
「でも、姉さん」
「それ以上は死んでしまうわ」
レイチェルは扇子をたたむとブランにゆっくり近づいてくる。
まだ起き上がれないブランと同じ目線にしゃがみ込むと、頬に手を添えてほほ笑んだ。
「二度と家族面しないで。吐き気がするわ」
その瞬間、電流が脳を駆け抜け、ブランが絶叫した。
「あああああ!」
(痛い!熱い。痛い!)
ブランが頭を抱えてジタバタと暴れる。
双子はその様子を見て「蛆虫みたい」と嗤っていた。
目を閉じて痛みに耐えていると、脳裏に新聞記事が浮かんだ。一面を飾った美しい英雄。
(お願い、助けて。もうこんな苦しい毎日は嫌だ。――助けて“英雄”)
国民の危機に訪れるという英雄。
ブランは薄れゆく意識の中で英雄の名を呼び続けた。
次に目が覚めた時、ブランは今朝と同じく小さな部屋にいた。
そこにはもう双子の姿はなかった。
時計を見ると、あれから1時間ほど経っているようだった。
「……もうこんな時間。はやく薪を割らなきゃ」
午前中までにこの屋敷を温めるための薪を割らなければならない。100本以上割らないといけないのに、今日はいつもより遅くなってしまった。
もし倉庫の薪が切れたら、今度は双子に蹴られるだけじゃすまないだろう。
(暴力もお父様が任務から帰るまでの辛抱だ……)
侯爵家当主バルドロイが軍の長期任務で屋敷を離れて3年が経つ。
この帝国で唯一、ブランを息子と呼んでくれる人。ブランをバルカから帝国につれて帰った張本人であり、戦争の英雄と呼ばれている男だ。
バルドロイが屋敷にいる時の暴力はここまでひどくはなかった。双子も父親には逆らえず、ブランを虐めているのがバレると酷く叱られた。
しかし今、父親は遠く離れた地で駐屯しており双子や母親を止める者は誰もいない。一見害のないように見える使用人の半分も、ブランの肌や髪の色を忌み嫌っている。
ブランにとっての味方は執事長のアルフレッド、女官長のメアリー、料理長のカールだけであった。この三人はバルドロイに忠誠を誓っているため、ブランに良くしてくれる。
(お屋敷の外には成不さんもいるから……僕は一人じゃないな。まだ頑張れる……)
ブランはどれだけ身体や心に傷が付こうとそれは仕方のないことだと受け入れてきた。
こうして泣き言を吐きそうになるときは大切な人を指折り数えて正気を保つのだ。
ブランは片手で埋まった大切な人を思い、震える体に鞭を打って歩きだした。
―倉庫―
倉庫にはまだ薪が残っていた。今日は天気がいいからあまり暖炉を使っていないのかもしれない。
「よかった。まだ間に合いそう」
早速作業に取り掛かる。
しかし、斧を持ちあげた瞬間、腹部に激痛が走った。さっきのデレクの蹴りで肋骨にヒビが入ってしまったのだ。
(痛い……。でも、今朝の傷は成不さんに治してもらったから、これぐらいは大丈夫だ)
「……よいっしょ」
ブランが薪を置いて斧を振りかぶる。
コンッ
コンッ
カンッ
薪が割れる。また新しいものを用意して振りかぶる。この作業の繰り返し。
腕を振り上げるたびに脇腹が痛くて痛くてしょうがないけれど、痛がっていても時間は過ぎていくばかりだ。
カンッ
腕を振り上げる。
(早く終わらせなきゃ。早く――)
「お前。この時間まで何をしているの?」
突然後ろから掛かった声にブランは息をのんだ。
この声は――――。
「お、奥様」
この人はあの双子の母親。——つまり、ブランの義母にあたるミランダ侯爵夫人だ。
「私の聞いたことに答えなさい。いつもならもう薪割を終えている時間よね。――ダラダラ仕事をして、怠け癖がついてしまったのかしら」
「……すいません。すぐに終わらせます」
「勝手に話を終わらせないでくれる?」
ミランダがブランの顎をつかんで上を向かせる。
「バルドロイの気まぐれでこの侯爵家に名を連ねたのが間違いだったのね。そうでなければ、こんなに醜い肌の奴隷風情が私の城を我が物顔で歩くなんてことにはならなかったのに」
ブランは目を合わせない様に下を見ていた。ミランダの長い爪が頬に食い込む。
「……っ」
「あの人が戦場から帰る前に殺してしまおうか。事故に見せれば納得するでしょう」
冷えるような声色だった。
「え……?」
ブランは思わずミランダの顔を見て驚いた。
(な、にを言っているんだ、この人は……!)
ミランダには怒りと憎悪といろいろな感情が渦巻いていたが、その目には殺意だけがはっきりと宿っていた。
ブランはその瞳を何度も見てきた。何度経験しても恐ろしくて見慣れない、人間ではなく家畜か虫を見る目と同じ。
「いいこと。お前のその薄汚い肌と煤のように黒い髪は悪魔に魂を売った国民の証なの。呪われた血脈。存在そのものが犯罪。最強たる帝国に歯向かったばかりでなく、敗戦国して植民地となった負け犬の血筋なの!」
ブランはこの3年でこの言葉をよく聞かされていた。
最初はなぜ自分の肌と髪が黒いのかわからなかったが、両親の実の子供ではないことと、孤児にしても普通の孤児ではなく15年前の敗戦国の戦争孤児だということを叩きこまれた。
本当の両親の名は聞かされていない。バルドロイは知っているようだったが、ブランの出生について頑なに話そうとしなかった。
「さぁ、自分で言ってみなさい。“自分は穢れた悪魔の血筋だ”と」
「……」
ギリッ。
ミランダが手に力を入れる。爪が頬の皮膚に食い込み血が流れる。
ブランは慌てて口を開いた。
「……ぼ、“僕は穢れた、悪魔の血筋”です」
「そう。そして“敗戦国の奴隷”でもある」
「“僕は、敗戦国の奴隷”です……」
ミランダは「ふふふ」と笑って手の力を少しだけ緩めた。
ブランは思う。
(どうして僕はここにいるんだろう)
奴隷として買われたならまだしも、バルドロイはブランを養子として引き取った。敗戦国の人間が帝国で侯爵家の一員として同等に扱われる。ミランダや双子にとってはそれが許せないことだった。
帝国ではバルカ出身の人間をこう例える。
――肌が黒いのは神に逆らい地獄の炎に焼かれたから。太陽の光を反射しない黒髪は人権が無い証。
そして氷のように薄い水色の瞳は――。
「悪魔の瞳。それを持つ者は生きているだけで大罪。お前たちの先祖が帝国に歯向かったのだからお前たちも当然その罰を受けるのよ」
理不尽な言葉にブランが思わず目を合わせると、ミランダの手が頬を叩いた。
パァン!
その時の手に魔力が込められていて顔中に熱が広がる。
「うっ!(熱いッ!火魔法だ……)」
「その汚らわしい瞳を私に向けるんじゃないッ!」
パシッ!
何度も何度も叩かれる。
ミランダは軍人ではないが魔力を持った貴族だ。それに双子と違って魔力も熟成していてコントロールがうまい。ブランの顔が焼き爛れない程度に何度も熱を与えて打った。
パシッ!
「この帝国の土地を、お前のような悪魔が踏み荒らすなんて許されないのよ! 汚らわしい! 愚かな家畜! お前なんかがなんで私の屋敷に!」
パシッ!
ミランダはその美しい顔を怒りに歪めていた。
(怖い。この人の目は本当に僕が嫌いなんだ)
ブランの瞳からぽろぽろと涙がこぼれてきた。
(――お父様。お父様、助けて!)
パシッ!
「お前のせいで私たちは社交界で恥さらしよ!どうしてくれるの! 奴隷風情を養子に向かえたなんて、誰が美談とするものですか! 気が狂ったのかと嗤われているわ!」
パシッ!
ミランダが殺意を向けてくるたびにブランの心が酷く軋んだ。
(どうして僕を息子にしたの?どうして僕を拾ったの?)
パシッ!
「なんで生まれてきたのよ! なんであの人に拾われてきたのよ! あの戦場で母親諸共死んでしまえばよかったのに!」
「うっ、うぅ。ごめ、ごめんな、さい……っ」
(どうして僕は……)
胸が痛い。
体中が悲鳴を上げているのに、その中でも一番痛いのは心臓のもっと奥の方。
どれだけ頑張っても、愛されようとしても報われない現実の冷たさに、希望や愛や何かが失われていく感覚がする。
ブランは壊れた機械のように「ごめんなさい」を繰り返していた。
それはブランがこの屋敷で生き残るために覚えた最初の言葉だった。
(なんで僕は毎日殴られるんだろう。なんで僕は生きていることを望まれないんだろう)
「この寄生虫め!」
バシッ!
ミランダがブランの顔から手を離した。
その勢いのまま地面に倒れるブラン。その体は14歳にしてはあまりにも小さく、細すぎる。
「ごめ、……さい。ごめん、なさい」
砂利と木くずで汚れたまま、ブランは必死に指折り数えていた。
(お父様、アルフレッドさん、メアリーさん、カールさん、成不さん……)
ブランの大切な人。ブランを大切に思ってくれる人。
たった5人であるため、何度も何度も繰り返した。辛い現実でも死んでしまわない様に、自分に言い聞かせながら5人の名前を呟く。
「……汚らわしい」
ミランダは地に這いつくばるブランを見下ろし、手をかざした。
その手に魔力が集まり、バチバチと火花を散らす。
「――そういえば。今日は午後から雷雨だそうよ。外で遊んでたアンタは“運悪く”落雷に巻き込まれて死んでしまうのね」
ブランは腫れた頬で必死に名前を呟いていた。
頭上に雷光が集まっていることも理解していたが、殺されることを理解したくなかった。
(死にたくない)
ポロポロと涙が落ちる。
(殺されたくない)
何度数えても名前は片手の数を越えない。
口の中に血の味が広がる。
(僕たち、血は繋がってなくても、“家族”でしょう……?)
「……どうして」
「消えて」
ブランが見上げた時、ミランダが酷くゆがんだ笑みを浮かべていた。
(――ああ。この人は僕の死を喜んでいる)
ブランは泣くのをやめた。
何をしても無駄だと理解したからだ。
手が振り下ろされるまでの数秒でブランはたくさんのことを考えた。
(なんでこんなに胸が痛いんだろう。なんでこの人は僕の本当のお母さんじゃなかったんだろう。どうして僕はみんなと違うんだろう。どうして僕は愛されないんだろう……)
どうして日々の暴力が辛いのか。なぜ辛いのに耐えていたのか。
(わからない。頑張ったけど……ダメだったよ、英雄)
視界が真っ白に染まるほど大きな光と、地面を揺らす落雷の轟音。
ブランは息をのんだ。
ドォォン!
ブランは鼓膜が破けるかと思った。思わず両耳を抑えて縮こまる。
そして気づいた。
(痛く、ない……?)
「……な、に?」
ミランダの困惑した声からしてブランはどうやら生きているようだった。
恐る恐る目を開き、ミランダを見上げる。
ミランダは2、3歩後ろへ下がった。
「なんなの、今の光は……?」
(雷魔法は……失敗したの?)
二人の間に沈黙が訪れる。
やがて空を覆う雲から雨粒が落ちてきた。
ザァァ――。
雨はバケツをひっくり返したかのように大量に降り注ぎ、雲の間で雷がゴロゴロと唸っている。ミランダが先ほど言った通り、午後からは雷雨になるようだ。
普段は風で髪型が崩れるだけでヒステリックになるというのに、雨でドレスが濡れていてもミランダはその場から動けずにいた。
「まさか、今の光は神聖力……?いや、こんな小僧が使いこなせる光ではなかった……」
ミランダがぶつぶつと何かを呟いている。
ブランは体に残る冷たい力を感じていた。その感覚には覚えがある。
(――成不さんの魔法に似てる)
ブランは今朝の出来事を思い出した。
(あの時、成不さんは“お祈り”をしてくれた——)
そう。
ブランは気づかなかったが、神官の祈りには加護の力がある。
ミランダがいくら三級の貴族であっても神聖力によって付与された加護は突破できない。
「どうしてお前がこれほどまでの加護を——ッ!」
加護によって自分の魔法が失敗したことを理解したミランダは再びブランに近づいた。
怒りのままに手を上げる。
「次は失敗しないわ」
バチバチィ。
手にまとう雷が先ほどよりも大きく弾けている。
(また打たれる——ッ!)
ブランが逃げようとした時、屋敷の裏口から声が聞こえてきた。
それは大雨の音にかき消されそうだったが、ミランダとブランの動きを止めるに十分な声量だった。
男性とそれを引き留める女性の声だ。
「いけません旦那様!雨でお身体が冷えてしまいます!」
「何があったか確認するだけだ」
「旦那様!」
二人はその声をよく知っていた。
ボナパルト侯爵家現当主、バルドロイ・シリウス・ボナパルトの声である。
「バルド、ですって?」
ミランダが焦ったように呟いた。
こんな豪雨の中、倉庫にいるのは普段は雨に濡れることもないミランダと泥と傷にまみれたブランだけ。
ブランはバルドロイの声を聴いて全身の力が抜けた。
涙があふれだし、名前を叫びたいのに嗚咽で体が震える。体からたくさんの感情があふれ出しそうだった。
(お父様——!!)
メイドの腕を振り払ってバルドロイが倉庫のほうへ向かってくる。
「そこにいるのは誰だ?」
バルドロイの背後にはミランダの直属メイドと執事長のアルフレッドがいる。
アルフレッドはバルドロイに傘を差しながら、ブランの姿を見つけて目を見開いた。
「なんと……っ!旦那様、あちらに坊ちゃんが!」
「ブラン!」
バルドロイも地べたで泣いているブランを見つけたようだ。
雨も気にせず走り出し、バルドロイはブランを抱きしめた。
(お父様だ。本物のお父様……!)
「っぅあ、……!っうぅ!」
「ブラン……!なんでこんな雨の中外にいるんだ」
ブランは泣きじゃくるあまり嗚咽で話せない。その代わり、バルドロイの背中に手を回し強く強く抱きしめ返した。
小さな体が震えている。バルドロイはブランを抱き上げ、その細さ、軽さに絶句した。
ミランダが恐る恐る声をかける。
「あなた、任務から戻ったの……?戻りはあと半年先になる予定じゃ——」
「ミランダ!!」
バルドロイが吠え、ミランダは肩を震わせた。
「この3年、ブランに何をした!」
「わ、私は何も……!この子が外で遊んでたから様子を見に来ただけよ!」
「……」
バルドロイはまるで敵を見るようにミランダを睨んだ。
その怒りが手の力を伝ってブランにも届く。
「(遊んでいた?……そんなわけないだろう)」
「……正直に話してくれたなら、許す余地があったかもしれないのに」
バルドロイは大きくため息をついた。
ミランダはその言葉に歯を噛みしめる。
「おと、さま……。いたい……さむ、い」
「旦那様、まずはブラン坊ちゃんの手当を」
アルフレッドがバルドロイとブランに傘を指す。
ミランダはバルドロイの見えない角度でメイドに鬼のような形相をしていた。
おそらくブランを殺そうとする時に、誰も倉庫へ近寄らせないよう命じていたのだろう。
「そうだな。——アル、すぐに神官を呼んでくれ。それから暖かいスープを。私の部屋に暖炉も頼む」
「かしこまりました」
バルドロイは出来るかぎりブランを揺らさないように気を付けながら歩いた。と言ってもバルドロイほどの鍛えられた軍人ならば、早歩きしてもブランは殆ど揺れなかった。
屋敷に入る瞬間、背後で雷の音がした。
その数秒後、怒りに顔をゆがめたミランダが屋敷に入る。その背後には黒焦げになったメイドの死体が落ちていた。
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