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かん子という人間
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籐乃かん子は24歳。身長154センチ、中肉中背だと本人は思っている。
色は白いほう、髪は肩まであり家系なのか茶色くてカラーいらず、瞳も茶色くて大きい。顔が小さいせいか、鼻と口も小さくこじんまりとしている。周りからは、話さなければもてるだろうにといわれている。そのせいか大学の時から、コンパには客寄せ代わりに使われることが多かった。
しかも残念な人であるから、みんなの嫉妬にもあわずある意味人気者であった。
かん子は、父親・母親・兄の4人家族。父親は大学教授、母親は趣味の人、兄は国家公務員、しかも曲者であった。
かん子がはからずも、こういう性格になったのも、元をただせば兄のせいかもしれない。
兄は昔から目立っていた。顔よし、頭よし、スポーツよし、外向的には性格よしときている。運よくマイペース型の父親・母親のおかげで、兄と比べられずに育った。
ただ兄は、おもしろい動くおもちゃ代わりにかん子を扱った。雑用はもとより、かん子がやることすべてに口を出した。しかも思いやりというより面白がって。
かん子も小学校まではそんな兄を慕っていたが、年をとるにつれ兄が変な奴だとわかってきた。けれど兄の、完璧なまでの猫かぶりのおかげで、友人には誰一人わかってもらえずしかも反対にうらやましがられる始末。
おかげでかん子は、外見や外から見える性格はあてにはならないということを嫌というほど学んだ。男の子を見る目も自然に厳しくなり、彼氏いない歴イコール年齢となってしまった。
しかも出会える場所である高校、大学は、悲しくも女子校だった。
きっともっと数多くの男の子達と自然に触れ合うことができたなら、男の子の中には兄のような存在ばかりではなく、素敵な子もいるという事実に出会えただろうに。
日曜の夕方、部屋でベッドでころころしていると、ノックもなしに兄の俊史が入ってきて言った。
「かん子~。明日さ~、飲み会あるから、電話したら迎え来て」
「えー!またぁ~。タクシー使えばいいじゃん」
「へえ~。いいの?かん子の分際で、そんな強気発言しちゃって」
かん子は兄に逆らえない。ある弱みがあるのだ。
「わかったょ。あんまり遅くならないでよ。私だって次の日、学校あるんだからね」
「はじめから素直に、うんと言えばいいのに。素直じゃないなあ」
悪魔のほほえみをはりつけながら、兄は部屋を出て行った。
(明日またか~。いったいいつまで続くのよ~)
かん子は声にならない叫びをあげて、そばにあったくまのぬいぐるみに当たった。それは兄からの誕生プレゼントであり、今では兄の代わりとしてかわいそうなことにサンドバック状態となっている。
弱み。
それはかん子が就職活動をはじめて一か月。ままならない就職活動に、心が折れる日々が続いたある日、ふと目にした雑誌の広告。
[これで あなたも英語がすぐ話せるようになる]
自分に自信がなくなり、何か特技がほしいと思っっていたちょうどその時、目に止まってしまった。しかも悪いことに気づいたら教材を注文いていた、自分がいた。
しまったと思いながら、考えることをやめてしまってから数日後それはきた。
父親も母親もいない土曜日、いつものようにリビングでテレビを見ていると玄関のチャイムが鳴った。
かん子が出ると、何やら大きい段ボールを抱えた宅急便屋さん。
かん子はずっしりと重い荷物をその腕に感じた。それと同時にその重さに比例するように心にも重い重石がのしかかった。
色は白いほう、髪は肩まであり家系なのか茶色くてカラーいらず、瞳も茶色くて大きい。顔が小さいせいか、鼻と口も小さくこじんまりとしている。周りからは、話さなければもてるだろうにといわれている。そのせいか大学の時から、コンパには客寄せ代わりに使われることが多かった。
しかも残念な人であるから、みんなの嫉妬にもあわずある意味人気者であった。
かん子は、父親・母親・兄の4人家族。父親は大学教授、母親は趣味の人、兄は国家公務員、しかも曲者であった。
かん子がはからずも、こういう性格になったのも、元をただせば兄のせいかもしれない。
兄は昔から目立っていた。顔よし、頭よし、スポーツよし、外向的には性格よしときている。運よくマイペース型の父親・母親のおかげで、兄と比べられずに育った。
ただ兄は、おもしろい動くおもちゃ代わりにかん子を扱った。雑用はもとより、かん子がやることすべてに口を出した。しかも思いやりというより面白がって。
かん子も小学校まではそんな兄を慕っていたが、年をとるにつれ兄が変な奴だとわかってきた。けれど兄の、完璧なまでの猫かぶりのおかげで、友人には誰一人わかってもらえずしかも反対にうらやましがられる始末。
おかげでかん子は、外見や外から見える性格はあてにはならないということを嫌というほど学んだ。男の子を見る目も自然に厳しくなり、彼氏いない歴イコール年齢となってしまった。
しかも出会える場所である高校、大学は、悲しくも女子校だった。
きっともっと数多くの男の子達と自然に触れ合うことができたなら、男の子の中には兄のような存在ばかりではなく、素敵な子もいるという事実に出会えただろうに。
日曜の夕方、部屋でベッドでころころしていると、ノックもなしに兄の俊史が入ってきて言った。
「かん子~。明日さ~、飲み会あるから、電話したら迎え来て」
「えー!またぁ~。タクシー使えばいいじゃん」
「へえ~。いいの?かん子の分際で、そんな強気発言しちゃって」
かん子は兄に逆らえない。ある弱みがあるのだ。
「わかったょ。あんまり遅くならないでよ。私だって次の日、学校あるんだからね」
「はじめから素直に、うんと言えばいいのに。素直じゃないなあ」
悪魔のほほえみをはりつけながら、兄は部屋を出て行った。
(明日またか~。いったいいつまで続くのよ~)
かん子は声にならない叫びをあげて、そばにあったくまのぬいぐるみに当たった。それは兄からの誕生プレゼントであり、今では兄の代わりとしてかわいそうなことにサンドバック状態となっている。
弱み。
それはかん子が就職活動をはじめて一か月。ままならない就職活動に、心が折れる日々が続いたある日、ふと目にした雑誌の広告。
[これで あなたも英語がすぐ話せるようになる]
自分に自信がなくなり、何か特技がほしいと思っっていたちょうどその時、目に止まってしまった。しかも悪いことに気づいたら教材を注文いていた、自分がいた。
しまったと思いながら、考えることをやめてしまってから数日後それはきた。
父親も母親もいない土曜日、いつものようにリビングでテレビを見ていると玄関のチャイムが鳴った。
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