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かん子の弱み
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かん子の元に、ダンボールが届いた。
送り主は____そう、あの英語教材会社。この段ボールの中身は、英語教材に間違いない!しかも請求書つき。
(いったいいくらだったっけ)
思い出そうとしても、脳が半分ショートしているのか思い出せない。全力で脳が阻止しているらしい。そうやって考えているうちにどれくらい時間が経ってしまったのか。
背中に視線を感じた。視線の主はわかっている。わかりたくない。
「かん子~、何それ?」
かん子は、声のするほうをむこうとしてぎちぎちと首を回した。
そこには、やっぱりいてほしくないと願っていた兄、俊史がいた。
(ひえ~、一番いやな奴に見られてしまった)
「やけに大きい箱だねえ。何が入っているの?今、箱を見つめたまま放心してなかった?」
兄俊史はわかっているんだというようにいって、箱を奪い取り床に置くと送り主を見た。それから悪魔のようなほほえみをかん子に見せたのだ。
「かん子これいくらするの~?まだお金払ってないよね~」
兄俊史は、勝手に箱を開封していく。呆然とその様子を見ていたかん子にも商品の上に鎮座した請求書が見えた。
かん子はすぐにその請求書をとろうとしたが、いち早く兄の俊史に奪い取られてしまった。
俊史は金額を見て、さも面白そうにヒュ~と、口笛を鳴らした。
「あ~あ、かん子!30万円だって!こんなに払うお金あるの?オヤジやオフクロには、いってないよね~」
かん子の耳に痛いことをずばずば言っていく。かん子の頭の中に、兄俊史がいった30万円!~30万円!~という言葉が、リフレインされている。
かん子は貯金がない。24歳、この年になってアルバイトをしたことがない。俊史が親に、あることないこと言っているのか、アルバイトをしようとしたかん子だがずいぶん反対されてあきらめた。
かん子も地味な性格のせいか、洋服がほしいとかあまりほしいものがなかったせいで、特別お金を必要としていなかった。少ないながらおこずかいがあったし、お年玉もためてあった。
しかしである。この夏休み、かん子は大学の仲間達5人と旅行に行ったのだ。
大学の仲間には、大学院に言っているかん子とは違い、もう働いている子が何人かいた。5人そろって行くにためには、スケジュールをあわせる日数が限られてしまい結局国内の北海道になった。
その分贅沢しようということになり、かん子もなけなしの貯金をはたいた。
久しぶりに会う仲間と楽しく過ごせて後悔はなかったのだが、いかんせん貯金が無くなってしまった。
(どうしよう~)
ひとり悩んでいたため、俊史がいたことをすっかり忘れてしまっていた。しかも顔を赤くしたり青くしたり、しかっめつっらしたり、百面相していたのだろう。
かん子がやっとそばにいた俊史に気づいた。俊史はかん子と目が合うと、こらえていたのか肩をひくひくさせながら大笑いをはじめた。
「ヒイイッ~!ハハハァ~!いいものをみせてもらったよ。なかなかここまで、面白い顔を見ることはないからね」
そう言いながらも、まだ笑っている。あんまり笑いすぎたのだろう。とうとう息が苦しくなったのか、息をするたびにヒューヒュー音がする。
かん子は、ここまで笑うかと呆れながら俊史をにらんだ。
兄俊史は、やっと笑いが収まったのかかん子に笑顔をむけた。
「かん子~!このお金、出してあげてもいいよ」
「え~、いいの?でも利子とかすごく高くしない?」
かん子は半ば藁にでもすがる気持ちで聞いた。
「何言ってるんだよ。かわいい妹のため、利子なんて取らないし、かん子次第ではあげてもいいんだよ」
まさしく夢のような提案をした俊史だが、先ほどの大笑いや日ごろの行いを見ているかん子はつい疑ってしまう。
「かん子が、僕の言うことをいろいろ聞いてくれたらいいさ」
「いろいろって、たとえばどんなことよ?」
「飲み会の時の迎えとか、彼女のふりとかだよ。飲み会はそうそうないし、彼女のふりだって例えばだからすぐにはいらないしね」
そう、俊史は性格は残念だが、これはかん子の前でだけであって対外的にはいい人という猫を被っている。しかも顔も、無駄にいいときているからよく狙われる。
しかも今では、エリートという肩書までついた。女の子たちがほっておくわけがない。
以前にも俊史と買い物をしていた時、俊史の知り合いらしい女の人から、勝手に彼女だと思われたこともあった。
(このくらいならいいかも。前にもあったし)
かん子はつい甘い考えを出してしまう。
「じゃあ、それで手を打つ」
かん子に見えないように、後ろを向いた俊史のこわ~い微笑みに、かん子が気づくことはなかった...。
送り主は____そう、あの英語教材会社。この段ボールの中身は、英語教材に間違いない!しかも請求書つき。
(いったいいくらだったっけ)
思い出そうとしても、脳が半分ショートしているのか思い出せない。全力で脳が阻止しているらしい。そうやって考えているうちにどれくらい時間が経ってしまったのか。
背中に視線を感じた。視線の主はわかっている。わかりたくない。
「かん子~、何それ?」
かん子は、声のするほうをむこうとしてぎちぎちと首を回した。
そこには、やっぱりいてほしくないと願っていた兄、俊史がいた。
(ひえ~、一番いやな奴に見られてしまった)
「やけに大きい箱だねえ。何が入っているの?今、箱を見つめたまま放心してなかった?」
兄俊史はわかっているんだというようにいって、箱を奪い取り床に置くと送り主を見た。それから悪魔のようなほほえみをかん子に見せたのだ。
「かん子これいくらするの~?まだお金払ってないよね~」
兄俊史は、勝手に箱を開封していく。呆然とその様子を見ていたかん子にも商品の上に鎮座した請求書が見えた。
かん子はすぐにその請求書をとろうとしたが、いち早く兄の俊史に奪い取られてしまった。
俊史は金額を見て、さも面白そうにヒュ~と、口笛を鳴らした。
「あ~あ、かん子!30万円だって!こんなに払うお金あるの?オヤジやオフクロには、いってないよね~」
かん子の耳に痛いことをずばずば言っていく。かん子の頭の中に、兄俊史がいった30万円!~30万円!~という言葉が、リフレインされている。
かん子は貯金がない。24歳、この年になってアルバイトをしたことがない。俊史が親に、あることないこと言っているのか、アルバイトをしようとしたかん子だがずいぶん反対されてあきらめた。
かん子も地味な性格のせいか、洋服がほしいとかあまりほしいものがなかったせいで、特別お金を必要としていなかった。少ないながらおこずかいがあったし、お年玉もためてあった。
しかしである。この夏休み、かん子は大学の仲間達5人と旅行に行ったのだ。
大学の仲間には、大学院に言っているかん子とは違い、もう働いている子が何人かいた。5人そろって行くにためには、スケジュールをあわせる日数が限られてしまい結局国内の北海道になった。
その分贅沢しようということになり、かん子もなけなしの貯金をはたいた。
久しぶりに会う仲間と楽しく過ごせて後悔はなかったのだが、いかんせん貯金が無くなってしまった。
(どうしよう~)
ひとり悩んでいたため、俊史がいたことをすっかり忘れてしまっていた。しかも顔を赤くしたり青くしたり、しかっめつっらしたり、百面相していたのだろう。
かん子がやっとそばにいた俊史に気づいた。俊史はかん子と目が合うと、こらえていたのか肩をひくひくさせながら大笑いをはじめた。
「ヒイイッ~!ハハハァ~!いいものをみせてもらったよ。なかなかここまで、面白い顔を見ることはないからね」
そう言いながらも、まだ笑っている。あんまり笑いすぎたのだろう。とうとう息が苦しくなったのか、息をするたびにヒューヒュー音がする。
かん子は、ここまで笑うかと呆れながら俊史をにらんだ。
兄俊史は、やっと笑いが収まったのかかん子に笑顔をむけた。
「かん子~!このお金、出してあげてもいいよ」
「え~、いいの?でも利子とかすごく高くしない?」
かん子は半ば藁にでもすがる気持ちで聞いた。
「何言ってるんだよ。かわいい妹のため、利子なんて取らないし、かん子次第ではあげてもいいんだよ」
まさしく夢のような提案をした俊史だが、先ほどの大笑いや日ごろの行いを見ているかん子はつい疑ってしまう。
「かん子が、僕の言うことをいろいろ聞いてくれたらいいさ」
「いろいろって、たとえばどんなことよ?」
「飲み会の時の迎えとか、彼女のふりとかだよ。飲み会はそうそうないし、彼女のふりだって例えばだからすぐにはいらないしね」
そう、俊史は性格は残念だが、これはかん子の前でだけであって対外的にはいい人という猫を被っている。しかも顔も、無駄にいいときているからよく狙われる。
しかも今では、エリートという肩書までついた。女の子たちがほっておくわけがない。
以前にも俊史と買い物をしていた時、俊史の知り合いらしい女の人から、勝手に彼女だと思われたこともあった。
(このくらいならいいかも。前にもあったし)
かん子はつい甘い考えを出してしまう。
「じゃあ、それで手を打つ」
かん子に見えないように、後ろを向いた俊史のこわ~い微笑みに、かん子が気づくことはなかった...。
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