なぜか水に好かれてしまいました

にいるず

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20 家族でショッピングしました

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「 いつまでも、うじうじしてるのって、みっともないよぁ~。 」

「 そんなことないよ。誰だって、悩むよきっと。その人を深く思っていた時間だけ、忘れる時間も長いんだって。ごめんね、漫画の受け売りなんだけど、そうなのかなあって思ってね。 」

「 いい言葉だね。そうか、じゃあ今こうなってるのもしょうがないってことなんだな。 」

「 そうだよ。いいんだよ、人間は思いわずらって一生をすごすってね。 」

「 それも漫画から? 」

「 ごめん、これは、今考えてみた。でも私なんか一生いろいろ悩んですごしそうだからね。 」 

「 そうかなあ。滝村さんて前しか向いてない感じ?に見えるよ。 」

「 なんだか林君から見た私って、何にも考えてないお気楽な人みたいじゃない。 」

「 一応ほめ言葉として受け取ってよ~。 」

「 えっ~~~。これってほめ言葉なの? 」

思わず敦子は、笑いだした。それにつられて林も笑いだす。

「 また帰ってきたときは、みんなで会おうよ。 」

「 そうだね、また帰ってきたらね。会おうね。 」

「 じゃあ。」

そういって敦子は、また電動自転車に乗って帰ることにした。




家に帰ると、誰もいなかった。

しかしどこからか声がする。
敦子が、声のする方に行ってみると、なぜか家の裏にあるお蔵の前に、父と母そして弟の聡がいた。

「 どうしたの? 」

「 お蔵の中にあるものを見ようと思ったんだけど、いろいろ入ってるから、整理しなくちゃあねって言ってたとこ。 」

「 三人でやろうとしてたの? 」

「 いえね、最初お父さんがお蔵に行ったんだけど、聡を呼びに来てね。二人なかなか帰ってこないから、見に来たのよ。 」

敦子が、三人を見ると、三人が三人とも手が埃で真っ黒になっている。

「 お父さん、何しようとしてたのよ。 」

「 いやあ~、昨日のあの水柱のことが、何かわからないかと思ってな。お蔵の中にある神社にまつわる資料を探そうかと思ったんだよ。参ったよ、しばらくほっておいたから。 」

「 そうだよ、おやじ。一度、中に入ってる物全部出してみないと、これじゃあ何がどこにあるのかさっぱりわからないよ。俺、体かゆくなった。シャワー浴びてこよ。 」

「 今日は、やめておいたら。 」

敦子は、手伝わされたら大変とばかりに、二人にいった。

父と母もお蔵の中の雑然とした様子を見て、整理する気がなくなったのだろう。
三人で、家に戻った。

母がもうすぐお昼だというので敦子も手伝った。シャワーから出てきてさっぱりした聡も入れてお昼にした。

「 ねえ母さん、今から買い物行かない? 」

「 いいわねえ。ねえ聡、車出して。 」

「 へえへえ、わかったよ。 」 

「 お父さんは? 」

「 俺はいい。 」



そうして母と弟の聡、敦子と三人んで、大型ショッピングセンターに行った。

ジャージを見るという聡と別れ、敦子と母は二人で洋服を見ることにした。

「 敦子、お洋服買ったら。なんだかいつも地味な色合いじゃない?たまには明るい色を買ったら。 」

「 お母さんこそ、年々派手な色になってない? 」

「 派手な色のほうが、顔映りがいいってテレビでやってたわよ。」

「 ふ~ん、そういうものなの? 」

敦子も母につられて、いつもなら絶対に選ばない色の洋服を手に取っていた。

結局あ~でもない、こ~でもないと二人で、悩みに悩んで買った洋服たちを持って聡との待ち合わせ場所に行った。

聡はとみれば聡もずいぶんな買い物をしたようで、大きな袋を持っていた。

「 遅いよ~。俺なんてあんまり遅いから、本屋さんにまで行ってたんだぜ。 」

「 聡、何買ったのよ。ちょっと見せて。 」

敦子は、勝手に聡の買った袋を覗き込んだ。

「 ジャージ? 高~い! 」

値段のタグを見れば、結構なお値段だった。それが、上下セットが二着。

「 下っ端は、いろいろ雑用が多いんだよ。 」

聡は、自分でも散財しすぎたのを、ちょっと気にしたのか、敦子がのぞき込んでいた袋を奪い取っていった。

「 ねえちゃんたちこそ、どうなんだよ。 」

聡が、敦子や母親の持っている袋をにらみつけた。

「 いいの。最近買ってなかったから、ね~母さん。 」

「 そうよ~、最近買ってないもの。 」

敦子と母親は、そういうそそくさと歩いた。

三人は、夕食のおかずを買って帰ろうということになり、いろいろ買って帰った。



家に着くと、敦子は部屋に帰って、袋から買った洋服を取り出してみた。

いつもなら絶対に選ばない華やかな色のブラウスにスカート。

これを着ていったときには、みんなが興味深々であれこれ聞き出す場面まで思い浮かんでしまい自然に苦笑いが出た。
これを買うときにふと思い浮かんでしまった玉山さんの顔、いまさらながら意識しすぎて一人身もだえる敦子だった。

そうこうして夕飯を終え、みんなでテレビを見ていた時に、ちょうどスマホが鳴った。


『 明日は、何時にこちらに戻りますか? ちょうど○○駅まで行く予定があるので、一緒に帰りませんか。 』


敦子は、スマホを見て思い切り顔が緩んでしまった。

視線を感じて、視線の先を見ると、父、母、弟の家族全員が敦子のほうをじっと見ていた。

「 なに? 」 

敦子は、緩む頬を抑えながら、三人に聞いた。

「 ねえちゃんが、急にだらしない顔したからさ。 」

後の二人が、無言でうなずいている。

「 何の連絡だったの? 」

代表して母親が、聞いてきた。

「 アパートのお隣さんが、明日ちょうど○○駅に行く予定があるから、家まで送ってってくれるって。 」

「 へえ~~~~。 あの玉山さんがねぇ。 」

唯一顔を知っている聡が、訳知り顔にいってきた。

「 お返事しなさいよ。 よかったわねえ。 」

母の顔もなぜか緩んでいる。



あまりに三人にみられるので、敦子は部屋に戻って玉山に連絡することにしたのだった。

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