7 / 11
1章、お嬢様になっちゃった?
6.ささやかれました
しおりを挟む
目の前に突然現れた謎の警告画面に呆然としていると、漁師さんが心配そうな顔で覗き込んできた。
「お嬢、やっぱり怖くなっちまいましたかい?」
「え、違うよ! じゃなかった、違いますわ。これ、これ見て!海グモの上になにか出てるの!」
慌てて画面を指さすが、漁師さんはどこを見たらいいのかわからない様子。
もしかしてこの、パソコンとかでエラーが起きた時みたいな警告画面って、ほかの人には見えてないってこと!?
「お父様、どうしましょう、あたしにしか見えないものが見えちゃってるみたい!怖いよ!」
「自分にしか、か…ふむ。」
少し考えこんだお父様がはっと顔を上げた。
「アリン、ちょっとパパの右手を見ていて。 【みんなに見えるようにステータスの一部を表示】。」
ブゥン!
「もしかして、こんなのが見えているのかい?」
「!! そうです、似てます!」
*****ステータス*****
名前:グローヴ・サバイヴ
種族:丸耳人族
職業:サバイヴ領領主 下級侯爵位ソウロウコウ
年齢:35
レベル:41
魔法:生活魔法、水の心得9、火の心得5、風の心得9、土の心得8、木の心得7
スキル:毒鑑定特大、解毒特大(自・他)、鑑定眼中級
以降非表示。
***************
あたしのは警告だからか赤っぽいけど、お父様のは青い画面だ。
ん?種族が人間って表示されてない。
人間って言い方をしないのかな、それか人間が別にいるのか?
まあいいか。
まずは警告画面だ!
「いいかい?既に表示されている場合はその板のようなもの…パネルをさわって【みんなに見えるように表示】だ。いいね?」
「はい!【みんなに見えるように表示】!」
ブゥン! ッディッドン!!
「「!?」」 ビックーン!
ああ、さっきのあたしと同じだ、みんな音にびっくりしてる。
お父様まで目が真ん丸だ。
お。画面が少し濃い赤に変わった。みんなにも見えるようにすると色が濃くなるわけか。
*****警告*****
この食品は、強いアレルギー反応を引き起こす恐れがあります。
摂食を中止し、アレルギーテスト(!)を行ってください。
************
「こ、れはいったい…」
「領主様、なんですかいこりゃぁ?」
「わからん、赤いステータスパネルなんて見たことがない。それ以前に明らかにステータスパネルじゃない!」
「お父様、とりあえず【警告】って書いてるから警告パネルと呼ぶことにしますね。 このアレルギー反応というやつなのですが…」
「まってアリン!読めるのかい?!」
「え、はい。」
「なんてことだ…!アリン、よく聞きなさい。これはおそらく【神々のささやき】だ。 アリンにしか読めず、我々には読めないということは、アリンを守るために神々が危険を知らせてくれているということなんだろう。」
「え、は!?!」
【神々のささやき】
おとぎ話によく出てくるワードだ。
危機の迫った人を助けるために、「言葉」だったり「発想」、「知識」などが突然頭の中に響いてくるといわれている。
誰にでも必ず起きるわけではなく、そのささやきを受け取ることができたとしても上手に使えなければ結局は助からないし、悪いことに使えば破滅する。
つまり…
「【摂食を中止】するように書いてあります。 ここまで明確に文字として表示したってことは…この場であたしを含めて誰か、死んでしまうかもしれなかったということですね…」
「そんな!じゃあ、これは毒だったのか!?私の毒鑑定をすり抜けるなんてありえない…アリンも領民たちも、みなを危険にさらしてしまったなんて…そんな…ああ…」
「あああああまってまって、ちがうの!いま、みんなに見えるようにするからちゃんと見て!なんとなくやり方分かったから! あーーーーまってー!捨てちゃダメもったいない!」
毒と聞いて慌てて鍋やお皿の海グモと海ムカデをぶちまけようとするみなさんを慌てて止めて、ぜいぜいと息切れしながらもう一度赤い警告パネルに向き合う。
ゆっくりよく見ればわかる、これは日本語だ。ならばこうすればいい。
「【みんなに読むことができる文字で、音無しで、みんなに見えるように再表示】!」
ブゥン!
*****警告*****
この食品は、強いアレルギー反応を引き起こす恐れがあります。
摂食を中止し、アレルギーテスト(!)を行ってください。
************
よし、今度こそできた!
「おお、読める! …あれるぎー反応? それにテストを行えとはどういうことだ…」
「よかった、読めていますね。えーと…あたしたち人の体には、害となるものを排除する機能が備わっています。病気になっても軽いものなら栄養のあるものを食べてゆっくり休めば元気になりますよね。それが免疫です。この【免疫】機能が過剰な防衛反応を起こすことをアレルギー反応と呼ぶようです。 えーと、症状は吐き気、痛み、発赤、じんま…ぶつぶつが口の周りに出る、唇が腫れる、目の充血…いっぱいあるな、このへんは後でいっか。」
アレルギーと書いてある部分をタッチすると別のパネルにアレルギーについての解説が出てくる。
なんとなく前世の知識で知ったつもりだったけど、こうしてよく読むとちゃんとわかってなかったんだなーと反省。
このパネル、保存できないのかな…お、できたできた。
ステータスパネルも使えるようになったみたい。そこから呼び出しができるんだね。警告パネルも保存しておこう。
本当にパソコンみたいだ、使いやすい。
「通常は体の栄養となる食べ物が消化され吸収されても反応しないが、免疫機能や消化吸収機能になんらかの問題があると、吸収された食べ物を害のある異物とみなし排除しようとし、そのために多くの症状がおこる、のだそうです。 体側の異常だからこの海グモと海ムカデが毒物なわけじゃないんです。お父様の毒鑑定では認識できないのは仕方なかったのですね。」
「そ、そうか…んんっ 詳しいことは王都から学者を呼んでアリンから再び説明してもらおう。これはすべての国民が知っておかなければならない問題だ。できるね?」
「はい。この警告パネルを保存することができるようなので、のちほど詳しく調べていきます。」
お嬢様すげー みたいな声があっちこっちで聞こえる。
やばい、ちょっと10歳にしては饒舌すぎたか? まあもうやっちまったモンは仕方ない。
あれだ、【神々のささやき】の効果で急にお勉強できるようになったちょっと賢い子を装おう。そうしよう。
「えーとこの辺のパネルは保存していったん消して…アレルギーテストの項目を見ていきますね。」
(!)マークがついてるってことはここを開けば検査方法が見れるはず…できた!
(ちょっと長くなりすぎたので続く。)
「お嬢、やっぱり怖くなっちまいましたかい?」
「え、違うよ! じゃなかった、違いますわ。これ、これ見て!海グモの上になにか出てるの!」
慌てて画面を指さすが、漁師さんはどこを見たらいいのかわからない様子。
もしかしてこの、パソコンとかでエラーが起きた時みたいな警告画面って、ほかの人には見えてないってこと!?
「お父様、どうしましょう、あたしにしか見えないものが見えちゃってるみたい!怖いよ!」
「自分にしか、か…ふむ。」
少し考えこんだお父様がはっと顔を上げた。
「アリン、ちょっとパパの右手を見ていて。 【みんなに見えるようにステータスの一部を表示】。」
ブゥン!
「もしかして、こんなのが見えているのかい?」
「!! そうです、似てます!」
*****ステータス*****
名前:グローヴ・サバイヴ
種族:丸耳人族
職業:サバイヴ領領主 下級侯爵位ソウロウコウ
年齢:35
レベル:41
魔法:生活魔法、水の心得9、火の心得5、風の心得9、土の心得8、木の心得7
スキル:毒鑑定特大、解毒特大(自・他)、鑑定眼中級
以降非表示。
***************
あたしのは警告だからか赤っぽいけど、お父様のは青い画面だ。
ん?種族が人間って表示されてない。
人間って言い方をしないのかな、それか人間が別にいるのか?
まあいいか。
まずは警告画面だ!
「いいかい?既に表示されている場合はその板のようなもの…パネルをさわって【みんなに見えるように表示】だ。いいね?」
「はい!【みんなに見えるように表示】!」
ブゥン! ッディッドン!!
「「!?」」 ビックーン!
ああ、さっきのあたしと同じだ、みんな音にびっくりしてる。
お父様まで目が真ん丸だ。
お。画面が少し濃い赤に変わった。みんなにも見えるようにすると色が濃くなるわけか。
*****警告*****
この食品は、強いアレルギー反応を引き起こす恐れがあります。
摂食を中止し、アレルギーテスト(!)を行ってください。
************
「こ、れはいったい…」
「領主様、なんですかいこりゃぁ?」
「わからん、赤いステータスパネルなんて見たことがない。それ以前に明らかにステータスパネルじゃない!」
「お父様、とりあえず【警告】って書いてるから警告パネルと呼ぶことにしますね。 このアレルギー反応というやつなのですが…」
「まってアリン!読めるのかい?!」
「え、はい。」
「なんてことだ…!アリン、よく聞きなさい。これはおそらく【神々のささやき】だ。 アリンにしか読めず、我々には読めないということは、アリンを守るために神々が危険を知らせてくれているということなんだろう。」
「え、は!?!」
【神々のささやき】
おとぎ話によく出てくるワードだ。
危機の迫った人を助けるために、「言葉」だったり「発想」、「知識」などが突然頭の中に響いてくるといわれている。
誰にでも必ず起きるわけではなく、そのささやきを受け取ることができたとしても上手に使えなければ結局は助からないし、悪いことに使えば破滅する。
つまり…
「【摂食を中止】するように書いてあります。 ここまで明確に文字として表示したってことは…この場であたしを含めて誰か、死んでしまうかもしれなかったということですね…」
「そんな!じゃあ、これは毒だったのか!?私の毒鑑定をすり抜けるなんてありえない…アリンも領民たちも、みなを危険にさらしてしまったなんて…そんな…ああ…」
「あああああまってまって、ちがうの!いま、みんなに見えるようにするからちゃんと見て!なんとなくやり方分かったから! あーーーーまってー!捨てちゃダメもったいない!」
毒と聞いて慌てて鍋やお皿の海グモと海ムカデをぶちまけようとするみなさんを慌てて止めて、ぜいぜいと息切れしながらもう一度赤い警告パネルに向き合う。
ゆっくりよく見ればわかる、これは日本語だ。ならばこうすればいい。
「【みんなに読むことができる文字で、音無しで、みんなに見えるように再表示】!」
ブゥン!
*****警告*****
この食品は、強いアレルギー反応を引き起こす恐れがあります。
摂食を中止し、アレルギーテスト(!)を行ってください。
************
よし、今度こそできた!
「おお、読める! …あれるぎー反応? それにテストを行えとはどういうことだ…」
「よかった、読めていますね。えーと…あたしたち人の体には、害となるものを排除する機能が備わっています。病気になっても軽いものなら栄養のあるものを食べてゆっくり休めば元気になりますよね。それが免疫です。この【免疫】機能が過剰な防衛反応を起こすことをアレルギー反応と呼ぶようです。 えーと、症状は吐き気、痛み、発赤、じんま…ぶつぶつが口の周りに出る、唇が腫れる、目の充血…いっぱいあるな、このへんは後でいっか。」
アレルギーと書いてある部分をタッチすると別のパネルにアレルギーについての解説が出てくる。
なんとなく前世の知識で知ったつもりだったけど、こうしてよく読むとちゃんとわかってなかったんだなーと反省。
このパネル、保存できないのかな…お、できたできた。
ステータスパネルも使えるようになったみたい。そこから呼び出しができるんだね。警告パネルも保存しておこう。
本当にパソコンみたいだ、使いやすい。
「通常は体の栄養となる食べ物が消化され吸収されても反応しないが、免疫機能や消化吸収機能になんらかの問題があると、吸収された食べ物を害のある異物とみなし排除しようとし、そのために多くの症状がおこる、のだそうです。 体側の異常だからこの海グモと海ムカデが毒物なわけじゃないんです。お父様の毒鑑定では認識できないのは仕方なかったのですね。」
「そ、そうか…んんっ 詳しいことは王都から学者を呼んでアリンから再び説明してもらおう。これはすべての国民が知っておかなければならない問題だ。できるね?」
「はい。この警告パネルを保存することができるようなので、のちほど詳しく調べていきます。」
お嬢様すげー みたいな声があっちこっちで聞こえる。
やばい、ちょっと10歳にしては饒舌すぎたか? まあもうやっちまったモンは仕方ない。
あれだ、【神々のささやき】の効果で急にお勉強できるようになったちょっと賢い子を装おう。そうしよう。
「えーとこの辺のパネルは保存していったん消して…アレルギーテストの項目を見ていきますね。」
(!)マークがついてるってことはここを開けば検査方法が見れるはず…できた!
(ちょっと長くなりすぎたので続く。)
0
あなたにおすすめの小説
わがままな婚約者はお嫌いらしいので婚約解消を提案してあげたのに、反応が思っていたのと違うんですが
水谷繭
恋愛
公爵令嬢のリリアーヌは、婚約者のジェラール王子を追いかけてはいつも冷たくあしらわれていた。
王子の態度に落ち込んだリリアーヌが公園を散策していると、転んで頭を打ってしまう。
数日間寝込むはめになったリリアーヌ。眠っている間に前世の記憶が流れ込み、リリアーヌは今自分がいるのは前世で読んでいたWeb漫画の世界だったことに気づく。
記憶を思い出してみると冷静になり、あれだけ執着していた王子をどうしてそこまで好きだったのかわからなくなる。
リリアーヌは王子と婚約解消して、新しい人生を歩むことを決意するが……
◆表紙はGirly Drop様からお借りしました
◇小説家になろうにも掲載しています
メインをはれない私は、普通に令嬢やってます
かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール
けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・
だから、この世界での普通の令嬢になります!
↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・
ねえ、今どんな気持ち?
かぜかおる
ファンタジー
アンナという1人の少女によって、私は第三王子の婚約者という地位も聖女の称号も奪われた
彼女はこの世界がゲームの世界と知っていて、裏ルートの攻略のために第三王子とその側近達を落としたみたい。
でも、あなたは真実を知らないみたいね
ふんわり設定、口調迷子は許してください・・・
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
ご令嬢は一人だけ別ゲーだったようです
バイオベース
恋愛
魔法が有り、魔物がいる。
そんな世界で生きる公爵家のご令嬢エレノアには欠点が一つあった。
それは強さの証である『レベル』が上がらないという事。
そんなある日、エレノアは身に覚えの無い罪で王子との婚約を破棄される。
同じ学院に通う平民の娘が『聖女』であり、王子はそれと結ばれるというのだ。
エレノアは『聖女』を害した悪女として、貴族籍をはく奪されて開拓村へと追いやられたのだった。
しかし当の本人はどこ吹く風。
エレノアは前世の記憶を持つ転生者だった。
そして『ここがゲームの世界』だという記憶の他にも、特別な力を一つ持っている。
それは『こことは違うゲームの世界の力』。
前世で遊び倒した農業系シミュレーションゲームの不思議な力だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる