悪役令嬢(未遂)による魔法ありきの防災訓練。

Taka多可 (お米)

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1章、お嬢様になっちゃった?

6.ささやかれました

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目の前に突然現れた謎の警告画面に呆然としていると、漁師さんが心配そうな顔で覗き込んできた。

「お嬢、やっぱり怖くなっちまいましたかい?」
「え、違うよ! じゃなかった、違いますわ。これ、これ見て!海グモの上になにか出てるの!」

慌てて画面を指さすが、漁師さんはどこを見たらいいのかわからない様子。
もしかしてこの、パソコンとかでエラーが起きた時みたいな警告画面って、ほかの人には見えてないってこと!?

「お父様、どうしましょう、あたしにしか見えないものが見えちゃってるみたい!怖いよ!」
「自分にしか、か…ふむ。」

少し考えこんだお父様がはっと顔を上げた。

「アリン、ちょっとパパの右手を見ていて。 【みんなに見えるようにステータスの一部を表示】。」

  ブゥン!

「もしかして、こんなのが見えているのかい?」
「!! そうです、似てます!」


     *****ステータス*****
名前:グローヴ・サバイヴ
種族:丸耳人族
職業:サバイヴ領領主 下級侯爵位ソウロウコウ
年齢:35
レベル:41
魔法:生活魔法、水の心得9、火の心得5、風の心得9、土の心得8、木の心得7
スキル:毒鑑定特大、解毒特大(自・他)、鑑定眼中級
 以降非表示。
     ***************

あたしのは警告だからか赤っぽいけど、お父様のは青い画面だ。
ん?種族が人間って表示されてない。
人間って言い方をしないのかな、それか人間が別にいるのか?
まあいいか。
まずは警告画面だ!

「いいかい?既に表示されている場合はその板のようなもの…パネルをさわって【みんなに見えるように表示】だ。いいね?」
「はい!【みんなに見えるように表示】!」

  ブゥン!  ッディッドン!!

「「!?」」 ビックーン!

ああ、さっきのあたしと同じだ、みんな音にびっくりしてる。
お父様まで目が真ん丸だ。
お。画面が少し濃い赤に変わった。みんなにも見えるようにすると色が濃くなるわけか。


     *****警告*****
この食品は、強いアレルギー反応を引き起こす恐れがあります。
摂食を中止し、アレルギーテスト(!)を行ってください。
     ************


「こ、れはいったい…」
「領主様、なんですかいこりゃぁ?」
「わからん、赤いステータスパネルなんて見たことがない。それ以前に明らかにステータスパネルじゃない!」
「お父様、とりあえず【警告】って書いてるから警告パネルと呼ぶことにしますね。 このアレルギー反応というやつなのですが…」
「まってアリン!読めるのかい?!」
「え、はい。」
「なんてことだ…!アリン、よく聞きなさい。これはおそらく【神々のささやき】だ。 アリンにしか読めず、我々には読めないということは、アリンを守るために神々が危険を知らせてくれているということなんだろう。」
「え、は!?!」

【神々のささやき】

おとぎ話によく出てくるワードだ。
危機の迫った人を助けるために、「言葉」だったり「発想」、「知識」などが突然頭の中に響いてくるといわれている。
誰にでも必ず起きるわけではなく、そのささやきを受け取ることができたとしても上手に使えなければ結局は助からないし、悪いことに使えば破滅する。
つまり…

「【摂食を中止】するように書いてあります。 ここまで明確に文字として表示したってことは…この場であたしを含めて誰か、死んでしまうかもしれなかったということですね…」
「そんな!じゃあ、これは毒だったのか!?私の毒鑑定をすり抜けるなんてありえない…アリンも領民たちも、みなを危険にさらしてしまったなんて…そんな…ああ…」
「あああああまってまって、ちがうの!いま、みんなに見えるようにするからちゃんと見て!なんとなくやり方分かったから! あーーーーまってー!捨てちゃダメもったいない!」

毒と聞いて慌てて鍋やお皿の海グモと海ムカデをぶちまけようとするみなさんを慌てて止めて、ぜいぜいと息切れしながらもう一度赤い警告パネルに向き合う。
ゆっくりよく見ればわかる、これは日本語だ。ならばこうすればいい。

「【みんなに読むことができる文字で、音無しで、みんなに見えるように再表示】!」

  ブゥン!

     *****警告*****
この食品は、強いアレルギー反応を引き起こす恐れがあります。
摂食を中止し、アレルギーテスト(!)を行ってください。
     ************


よし、今度こそできた!

「おお、読める! …あれるぎー反応? それにテストを行えとはどういうことだ…」
「よかった、読めていますね。えーと…あたしたち人の体には、害となるものを排除する機能が備わっています。病気になっても軽いものなら栄養のあるものを食べてゆっくり休めば元気になりますよね。それが免疫です。この【免疫】機能が過剰な防衛反応を起こすことをアレルギー反応と呼ぶようです。 えーと、症状は吐き気、痛み、発赤、じんま…ぶつぶつが口の周りに出る、唇が腫れる、目の充血…いっぱいあるな、このへんは後でいっか。」

アレルギーと書いてある部分をタッチすると別のパネルにアレルギーについての解説が出てくる。
なんとなく前世の知識で知ったつもりだったけど、こうしてよく読むとちゃんとわかってなかったんだなーと反省。
このパネル、保存できないのかな…お、できたできた。
ステータスパネルも使えるようになったみたい。そこから呼び出しができるんだね。警告パネルも保存しておこう。
本当にパソコンみたいだ、使いやすい。

「通常は体の栄養となる食べ物が消化され吸収されても反応しないが、免疫機能や消化吸収機能になんらかの問題があると、吸収された食べ物を害のある異物とみなし排除しようとし、そのために多くの症状がおこる、のだそうです。 体側の異常だからこの海グモと海ムカデが毒物なわけじゃないんです。お父様の毒鑑定では認識できないのは仕方なかったのですね。」
「そ、そうか…んんっ 詳しいことは王都から学者を呼んでアリンから再び説明してもらおう。これはすべての国民が知っておかなければならない問題だ。できるね?」
「はい。この警告パネルを保存することができるようなので、のちほど詳しく調べていきます。」

お嬢様すげー みたいな声があっちこっちで聞こえる。
やばい、ちょっと10歳にしては饒舌すぎたか? まあもうやっちまったモンは仕方ない。
あれだ、【神々のささやき】の効果で急にお勉強できるようになったちょっと賢い子を装おう。そうしよう。

「えーとこの辺のパネルは保存していったん消して…アレルギーテストの項目を見ていきますね。」

(!)マークがついてるってことはここを開けば検査方法が見れるはず…できた!





(ちょっと長くなりすぎたので続く。)
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