九九式双発艦上攻撃機

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中部太平洋攻勢

接敵

「敵艦隊が出てきた。攻撃隊は至急発進せよ」
南雲の命令は7隻の空母に伝わり、すぐに攻撃隊は出撃していく。
零戦228機と九九式艦攻108機の計336機だ。
敵艦隊が首尾よく400海里付近に現れたため、アウトレンジ戦法がはまり直掩になる予定だった零戦も出撃させることが出来たのである。
それでもなお7隻の空母艦上は大忙しである。
攻撃隊が出撃していったのと呼応するようにミッドウェー攻撃隊が帰投し始めたのである。
「あとは、敵空母を叩くのみ」
もはや敵艦隊は及び腰になっているため、この一撃で終わるのは確実だった。


日本海軍に発見されたことでスプールアンス艦隊は俄かに警戒を強めた。
「ウェーク沖海戦の情報によりますと敵双発爆撃は急降下爆撃も可能で、速度も恐ろしく早いとのことです!」
資料を漁っていたブローニングははなんとか見つけてきた情報を読み上げる。
「やはり厄介な敵に違いないな」
スプールアンスは先の空戦で敵の偵察機を撃墜できなかったことから敵攻撃機は”かなり頑強かつ高速である”ことを思い知らされた。
そればかりか迎撃に向かったF4Fが1機撃墜されてしまっている。
パイロットは無事救助されたが戦力は低下した。
スプールアンス艦隊は344機の艦載機を保持しているが、F4Fは撃墜された機体を加えて144機である。
向かってくる日本軍攻撃隊の直掩戦闘機が少ないことを祈るばかりだが、ウェーク沖海戦では敵攻撃隊は無数の戦闘機に守られていたと言われる。
もし、今回もそうであるならば直掩戦闘機には過度な期待は出来ない。
すでに日本海軍の主力戦闘機である零戦は手強い相手であることは連合軍も認知し始めていた。
そうなると、おそらくF4Fは敵戦闘機に封殺されて手も足も出ないに違いなかった。
「艦隊の対空火力に祈るしかありません…」
ブローニングは珍しく威勢に欠けていた。
スプールアンスとしては何か言葉をかけてやりたかったが、この状況では何を言っても意味がないと理解して静かにすることとした。
艦隊は28ノットに及ぶ高速でハワイに向かっている。
これは随伴するノースカロライナ級戦艦の最大速力である。
それでも2時間後に来るべきものが来た。
「レーダーに反応!数は400機!」
スプールアンスは間髪入れずに命令を下した。
「直掩戦闘機は全機出撃せよ!また、SBDも時間があれば出撃させる!」
SBDは武装もあり準戦闘機としても使える。
SBDは全部で120機であり、これを迎撃隊に加えると253機となるのである。
こうしてスプールアンス艦隊の防空戦は始まった。
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