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開戦に向けて
攻撃隊発艦
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「日本海軍の戦艦群はどうやらトラックに停泊しているようです」
情報参謀のジェフリー・レイトン少佐からそう報告を受けたハズバンド・キンメル太平洋艦隊司令長官は頷く。
「日本海軍はすでに新型戦艦を4隻建造していると聞く。彼らはその戦力を用いてどこに攻勢を仕掛けてくるだろうか」
この問いには参謀長のエドウィン・スミス大佐が答える。
「最も考えられるのはグアム、ウェーキ、そしてフィリピンでしょう。日本海軍は空母戦力の拡充に努めていたため、おそらくは初期は上陸支援に専念し、それが完了した後には我が太平洋艦隊と艦隊決戦を行うつもりと考えます」
キンメルはこのスミスの考えに納得した。
「なら、早々に艦隊の出撃準備を完了させねばならんな。太平洋艦隊は日本海軍が上陸支援を行っている最中に敵艦隊を撃滅し、戦争の早期終結を目指す」
少し傲慢すぎる気もするが、日本海軍は戦艦を6隻も空母に改装していたためキンメルは戦艦戦力の優位を確信。
一気呵成に責め立てて日本を降伏させようと考えていたのである。
こうしてウェーキ島やミッドウェー島に航空機輸送を行う予定だったエンタープライズとレキシントンは真珠湾内に留め置かれることになった。
ただ、太平洋艦隊が出撃準備を行っているその時に第一航空艦隊はハワイ海域へ向けて進撃していたのである。
「順調に航海は進んでおります。太平洋艦隊も冬の北方海域はなかなか手出しできないようです」
草鹿の報告に南雲は頷く。
冬の北太平洋は荒れる。
それは艦隊の進撃を妨げるほどだ。
現に、加賀の乗組員1名が波にさらわれて行方不明となっている。
また、上空は灰色で分厚い雲に覆われている。
これでは上空からは索敵することが出来ず、太平洋艦隊は冬に限っては北方海域への哨戒を停止していたのである。
その隙を付く形で第一航空艦隊はハワイ海域へ突入しようとしていた。
(ここまで来たからには腹を括るしかない)
南雲は遂に腹を決めて空母赤城の艦橋から北太平洋の唸る海を睨みつけた。
日付は12月6日である。
12月7日には”ニイタカヤマノボレ”の電文が発せられ、日米開戦が決定的となった。
そして翌日の12月8日午前1時。
ハワイ海域ではすでに太陽が昇っていた。
その太陽に照らされて8隻の大型空母の飛行甲板上では銀翼が輝いていた。
「攻撃隊は順次発進せよ」
南雲の命令と共に次々と機体が滑走して空に舞い上がっていく。
零戦に九九式艦爆、九九式艦攻は8隻の空母乗組員の声援を受けて真珠湾へ向けて突進していった。
情報参謀のジェフリー・レイトン少佐からそう報告を受けたハズバンド・キンメル太平洋艦隊司令長官は頷く。
「日本海軍はすでに新型戦艦を4隻建造していると聞く。彼らはその戦力を用いてどこに攻勢を仕掛けてくるだろうか」
この問いには参謀長のエドウィン・スミス大佐が答える。
「最も考えられるのはグアム、ウェーキ、そしてフィリピンでしょう。日本海軍は空母戦力の拡充に努めていたため、おそらくは初期は上陸支援に専念し、それが完了した後には我が太平洋艦隊と艦隊決戦を行うつもりと考えます」
キンメルはこのスミスの考えに納得した。
「なら、早々に艦隊の出撃準備を完了させねばならんな。太平洋艦隊は日本海軍が上陸支援を行っている最中に敵艦隊を撃滅し、戦争の早期終結を目指す」
少し傲慢すぎる気もするが、日本海軍は戦艦を6隻も空母に改装していたためキンメルは戦艦戦力の優位を確信。
一気呵成に責め立てて日本を降伏させようと考えていたのである。
こうしてウェーキ島やミッドウェー島に航空機輸送を行う予定だったエンタープライズとレキシントンは真珠湾内に留め置かれることになった。
ただ、太平洋艦隊が出撃準備を行っているその時に第一航空艦隊はハワイ海域へ向けて進撃していたのである。
「順調に航海は進んでおります。太平洋艦隊も冬の北方海域はなかなか手出しできないようです」
草鹿の報告に南雲は頷く。
冬の北太平洋は荒れる。
それは艦隊の進撃を妨げるほどだ。
現に、加賀の乗組員1名が波にさらわれて行方不明となっている。
また、上空は灰色で分厚い雲に覆われている。
これでは上空からは索敵することが出来ず、太平洋艦隊は冬に限っては北方海域への哨戒を停止していたのである。
その隙を付く形で第一航空艦隊はハワイ海域へ突入しようとしていた。
(ここまで来たからには腹を括るしかない)
南雲は遂に腹を決めて空母赤城の艦橋から北太平洋の唸る海を睨みつけた。
日付は12月6日である。
12月7日には”ニイタカヤマノボレ”の電文が発せられ、日米開戦が決定的となった。
そして翌日の12月8日午前1時。
ハワイ海域ではすでに太陽が昇っていた。
その太陽に照らされて8隻の大型空母の飛行甲板上では銀翼が輝いていた。
「攻撃隊は順次発進せよ」
南雲の命令と共に次々と機体が滑走して空に舞い上がっていく。
零戦に九九式艦爆、九九式艦攻は8隻の空母乗組員の声援を受けて真珠湾へ向けて突進していった。
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