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太平洋の黒潮を共に勇んで行く
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1943年4月、横須賀。
山口は修復された赤城で戦力の確認を行っていた。
「空母は赤城、加賀、蒼龍、飛龍、翔鶴、瑞鶴、大鳳、阿蘇、祥鳳、隼鷹、飛鷹、鳳翔、瑞鳳、龍驤、雲龍、天城、笠置、葛城、生駒。これに護衛空母の大鷹型が8隻つく。戦艦隊は全艦出撃。超甲巡15隻も同じか。」
「随伴艦も合わせると300隻は超えるかと。」
横にいた黒島が付け足す。
「ですが米軍もこれとほぼ同規模の艦隊を出撃させたとのことです。おそらく、ハワイを奪還しに来たものかと。またイギリスも艦隊を派遣しているようです。」
「上陸部隊は陸軍に任せればいい。我々が専念すべきなのは敵海軍の殲滅だ。これで米国民の厭戦感情を扇動し、戦争を終わらせる。」
「逆に我々が負けても戦争は終わりますが、到底受け入れられませんね。」
「全くだ。」
「そういえば熟練の戦艦乗りが引き抜かれていたが、どういうことだ?」
「どうやら後進の育成のためのようです。」
「なるほどな。」
そうしていると山本が訪ねてきた。
「大臣。どうされましたか?」
「ただ激励しに来ただけだ。山口、絶対に死ぬなよ。」
「はい。死なないついでに勝ってきます。」
「頼んだぞ。ほんとなら俺がついていきたいが。」
「だめですよ。あなたは海軍大臣です。」
そういって山口は時計をみる。
「どうやら、出港時間のようです。」
「そうか。ではまた戦勝報告を危機に行く。」
そういって山本は帰っていった。
7時35分。
山口は全艦出撃を命令。
今回は奇襲ではないため、港には見送りの群衆埋め尽くすほどいた。
軍楽隊が軍艦行進曲を演奏し始めると、群衆も歌いはじめその歌声は5キロ離れたところでも聞こえた。
「凄まじいな。」
「全くです。」
山口と黒島がそう零す。
山口は既にハワイに停泊している艦隊との合流を目指して、男の憧れの太平洋の黒潮を進み始めた。
4月25日。
ハワイに入港した連合艦隊は最後の訓練と点検を行った。
あとは、米海軍がハワイ近海に襲来するのを待つのみだった。
そして、5月3日。
哨戒を行っていた潜水艦の伊19が敵艦隊を捕捉。
これにより連合艦隊は直ちに出港。
ハワイ防衛軍の栗林中将も臨戦態勢をとった。
世界の目は今、ここに注がれていた。
双方あわせて空母80隻をはじめとする700隻以上が参加する大海戦。
あるものは笑顔を守るために、あるものは上官の無念を晴らすために、またあるものは名誉と植民地を取り返すためにこの海戦に全霊をささげていた。
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