帝国夜襲艦隊

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始まりの会議

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1921年2月23日。
この日、海軍軍令部の一室で会議が行われていた。
この程度の会議ならいつでもやってはいるが、今回は違った。
会議の参加者の中に皇族軍人である伏見宮博恭王軍事参議官が参加していたからだ。
「今日は殿下にもご参加していただいている。くれぐれも失礼のないように。」
そう初めに言ったのは加藤寛治海軍大学校校長だった。
「今回の議題は、今後の海軍の基本戦術についてだ。」
全員が耳を傾ける。
そして加藤が続ける。
「我々は日露戦争以降、まともに敵艦隊相手に戦ったことがない。そのため現在の戦術が旧式になっている可能性が高い。そこで、今我々が新しい戦術を編み出すことにした。存分に考えてくれ。」
あまりにも大きな議題に参加していた士官達は黙り込んでしまった。
だがそこで一人の小佐が手を挙げる。
「やはり水雷戦隊による夜襲ではないでしょうか?日露戦争ではかなりの戦果をたたき出しています。魚雷も時間が進むにつれ進化しています。」
それに異議を唱えるように反対側に座ていた中佐が手を挙げる。
「すでに水雷戦隊による夜襲など時代遅れです!先刻の欧州大戦では航空機が目覚ましい戦果を出しました。これは今のところ陸戦だけですが、いずれ海戦でも見られるようになるでしょう。」
少佐がすかさず反論する。
「それは可能性の話ではないですか!第一、航空機が軍艦を沈めることなど不可能です!」
中佐も反論した。
「そのような固定観念が国を亡ぼすのです!航空機はいずれ戦艦を超える兵器になります!」
2人の議論は立ち上がるほど過熱し加藤でさえ止められなかった。
そこに鶴の一声がかかった。
「なら、合わせればいいではないか。」
伏見宮は涼しい顔で言った。
「航空機で夜襲をやれば良いではないか。いや、航空機に限らず戦艦、重巡、潜水艦、水雷戦隊、すべてで夜襲を行えば良いではないか。」
この考えに今まで議論を交わしていた南雲少佐と山本中佐は呆気にとられた。
だがすぐに納得し席に座った。
この時に日本海軍の基本戦術は決まった。


1921年5月6日。
伏見宮は2月にあった会議で議論しあった山本、南雲両名を読んでいた。
「かけたたまえ。」
山本と南雲は緊張しながら席に着く。
「実はな、アメリカが海軍軍縮会議なるものを開くと言ってきた。おそらく我々はかなり不利な条件を押し付けられるだろう。どうすればよいだろうか?」
2月の会議で伏見宮の前で論戦を交わしたことを咎められるのではと肝を冷やしていた山本と南雲は安堵した。
そして考えこむ。
10分ほどの時間を置いて山本がひらめたように言った。
「英米を騙せばいいのです!」
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